ニュージーランドのオウム「ケア」は確率をそこそこ理解できているようです

  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
ニュージーランドのオウム「ケア」は確率をそこそこ理解できているようです

生息環境ならではの進化を遂げたのでしょうか。

いたずら好きで有名なニュージーランドの山岳オウム「ケア」が、もしかしたら確率を理解しているかもしれません。

研究者らは、6羽のケアが不確実性に直面したときにどのように決定を下すかを調査。ケアは選択を迫られると、報酬を獲得する可能性が高いシナリオを選択したというのです。Nature Communicationsで、この実験に関する論文が公開されています。

論文の第一著者でオークランド工科大学のAmalia Bastos氏は米Gizmodoの取材に対して、次のように説明しています。

ケアはニュージーランドの南島にのみ生息するオウムの一種です。 また食料資源が乏しく、寒さに厳しい山岳に住む世界で唯一のオウムでもあります。

おそらく、こういった食糧難の環境こそがケアの好奇心の高さに結びついているのでしょう。

ケアが好奇心旺盛なことについては、新たな食糧源を見つける手掛かりになるとして、生き残るうえで重要だと彼女は指摘しています。

4度の実験に参加した6羽のケア

最初の実験では、2色(黒とオレンジ)のトークンが入った瓶をケアに見せました。黒はご褒美につながりますが、オレンジは何ももらえません。研究者は、黒100個とオレンジ20個のトークンが入った瓶に片方の手を入れ、それとは逆の量の瓶にもう片方の手を入れて見せました。これを20回試したところ、ケア6羽のうち3羽はすぐに、より多くの黒いトークンが入った瓶に入れた手のほうに関心を示したといいます。

次に行なわれた実験では、こうしたケア3羽が単純に数が多いほうを選んだのか、それとも確率を理解していたのかについて調べることに。今度は黒20個とオレンジ100個のトークンが入った瓶と、黒20個とオレンジ4個のトークンが入った瓶を見せました。 これを20回試したところ、ご褒美がもらえる確率の高い瓶のほうを好んで見せたケアは6羽のうち4羽でした。

最後の実験では、オレンジ63個と黒57個のトークンが入った瓶、そしてオレンジ63個と黒3個のトークンが入った瓶が用意されました。この実験を20回くり返したところ、20回全部確率の高いほうを選びました。

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これでご褒美のピーナッツをゲット
Photo: Amalia Bastos

その後、さらに実験を難しくしてみました。中間に仕切りのある瓶を2つ彼らに見せました。両方の瓶にはオレンジと黒のトークンが同じ数入っていますが、ひとつは瓶の上部に多めの黒トークンが入っています。20回の試行で6羽のうち5羽のケアは、ご褒美がもらえる確率の高い瓶のほうに関心を示しました。

最後に、気前のいい研究者とそうでない研究者に分けてご褒美をあげる実験が行なわれました。いずれも黒のトークンを与えましたが、気前が良いほうは黒のトークンのほうを多めに、そうでないほうはオレンジのトークンを多めに手に取りました。6羽のうち3羽のケアは、高確率で気前のいいほうに関心を示しました

一連の実験でわかったこと

いずれの調査でも、ご褒美をもらえる黒トークンの多い瓶のほうに関心を示したケアですが、今回の実験結果からわかったのは単にに基づいて判断しているというわけでも、大きめの数を数えられるというわけではないということ。

黒20個とオレンジ100個のトークンが入った瓶と、黒20個とオレンジ4個のトークンが入った瓶を使用した2度目の実験で明らかになったように、確率を理解したうえで選択している可能性があると研究者らは考えています。

また、瓶のなかに隔たりがあっても黒トークンを得られる確率の高いものを選択したり、どちらの研究者のほうが報酬を与えてくれるか判断したりしていることから、社会的な手がかりを考慮していることも示唆しています。

かつてオウムの確率論的推論に関する研究を行なったハーバード大学心理学助教のIrene Pepperbergさんは、こうした実験を通じて「ケアが類人猿のような行動を示すという事実はエキサイティングなものだ」と米Gizmodoの取材に対してコメントを残しています。一方で、確率の違いが報酬にどう影響するのか理解しているかどうかにおいては、今回の論文がケアの能力を示すうえでおそらく十分でないという見方も示しています。

いずれにせよ、食糧が乏しい山岳地帯で餌を探し回るうちに好奇心旺盛という性格を形成して、さらに(多かれ少なかれ)確率を理解しているというケア。今後も、あらゆる実験でその能力を示してくれることでしょう。

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