スマホで夜景も撮れる時代だからこそ古いデジカメとの生活もいいんじゃない

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  • author 武者良太
スマホで夜景も撮れる時代だからこそ古いデジカメとの生活もいいんじゃない
Photo: 武者良太

どれも、レンズつきでも1万円以下! DSC-R1なんて3,000円完動品だぜー!

チクチクタクタク、時計の針がまわってた。気がついたらスマホがカメラのど真ん中。そりゃそーか。今まで苦手とされてきた超広角も中望遠も夜景だってお手のモノ。ハイチーズでほとんど撮れちゃう。ラクだもん。いいよねスマホ。

とはいえ、きれいな写真が撮りたーいという結果だけを見ちゃうってのも味気ないお話デス。

古くて使って楽しいカメラと過ごしてみた

カメラの楽しさってなんだろう。と考えた。好きなモノを操ってるところの味が濃いよな。と感じてみた。

ドリップコーヒーをいれる。レコードに針を落とす。万年筆で手紙をかく。もっと言ってしまえばシューズも、ファッションもそうじゃない。自分の好きなアイテムで、自分の好きなことをやる。好きなところにいく。このモノを使っているワンシーンの楽しさって、不変で普遍だと思うのです。

で、ですね。

前述したように、今どきのスマホのカメラ戦闘力は53万をはるかに超えてる。性能強度1000万パワー行ってると思う。だったら、今までみたいにスマホで撮れないものを撮るためのオールマイティカメラではなく、使えるシチュエーションが少ないとしても触って楽しいと思えるカメラと日々を暮らしたらどうかな、と企んでみたんです。

そして今回の企画のために集めてみました。いままでのカメラ人生のなかで気になっていた4台のカメラたちを。コイツらとiPhone 11やP30 Proをツガイで持ち歩いてみましたが、これが実にワクワクできる体験だったのでご紹介させてくださいな。

見た目重視・トイカメラ代わりの初代パナライカ「DIGILUX 1」(2002年・390万画素)

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Photo: 武者良太

色が! 濃! この容赦ない塗り絵のごとくのローファイ&ナローレンジ、個人的には好き。

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Photo: 武者良太

モノクロの写りは現役いける気がする...ISO100限定だけど。

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Photo: 武者良太

当初はフジフイルムと手を組んでデジカメをリリースしていたライカですが、2002年以降の、DIGILUX 1からのパートナーはパナソニック。Lマウントアライアンスを構築するに至る蜜月はこのころから始まっていたのです。

ベースモデルはパナソニックDMC-LC5。メイドインジャパン。そこから外装を大きく変えてきました。がんばってライカM3に寄せてきました。素材はプラスチックのままで、「日本製のライカなんて偽物じゃん恥ずかしいよねー」というカメラ好きも多かったのですが、いま見るとぶ厚くカクカクしたしたボディが端正であらイケメン。ライカ銘ということもあって相場は高め安定です。1万円を切るなら買うべき。

前述しましたが、とにもかくにもISO100以外はノイズが盛大に踊ってくれちゃって、モノクロにしても使い物になりません。ダイナミックレンジも狭く、ニュアンスの表現も苦手です。

でも逆をいえば、昼限定でディフォルメしたシーンが撮れるおもちゃデジカメとしてはアリだと思うんですよ。露出を押さえ気味にしたときの色の乗り方と黒の潰れ方は、フィルターが豊富なカメラアプリでも再現するのが難しそうだし。

なお互換品も含め、充電器・ACアダプタ・バッテリーの入手が極めて難しい。充電器・ACアダプタはビデオカメラ用のパナソニックVW-AD9とかで代用できるけど、バッテリーはほんと難しい(ハンドメイド品が流通しているくらい)。ので、マジで使い続けたい方はDMC-LC5、DMC-LC1(DIGILUX 2のベース)、DMC-L1(DIGILUX 3のベース)のバッテリーつきジャンクも狙っていきましょう。

色味の個性で選ぶ・空を見上げたくなる一眼レフ「E-500」(2005年・800万画素)

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Photo: 武者良太

ちょいアンダーで撮ると、青寄りのグラデーションにRGBの原色そのままな赤の押出し感にやられちゃう。ISO320でもこれだけノイズのっちゃいますけどね。

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Photo: 武者良太

深みのある青もいいけど、ライトブルーの塗り方も気持ちいい。ガラス越しの世界を撮るにもいいかもしんない。

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Photo: 武者良太

マイクロフォーサーズ以前、オリンパスはフォーサーズというシステムの一眼レフデジカメを展開していました。その第一世代であるE-1、E-300、E-500に搭載されていたのがコダックのCCDセンサー。コイツがねー。いまでも人気なんです。独特の味わいがあるんですよねこの時代のコダックセンサーって。

コストダウン、優れた高感度特性から第二世代フォーサーズ以降はCMOSが主流となりましたが、当時のCMOSとCCDを比較すると、暗部のノイズの出方がぜんぜん違う。もちCCDのほうがキレイ。特にコダックのCCDは青領域のノイズが目立ちにくくて、なめらかな青空表現が得意。「コダックブルー」「オリンパスブルー」とも呼ばれていました。

でもそれだけじゃない。アンダーめにすれば赤・緑・青をシャッキリと残すことにも長けてる。青だけじゃなくて、赤、緑の濃さを表すにもいいセンサーなんです。しかしこれが仇となることもある。RGB原色の存在感が強烈で目を奪われがち。だから水色や黄色といったパステルトーンな写真を撮るときは、露出をオーバーめにして濃さを馴染ませるといいかもしれない。この世代あたりもナローレンジな特性を活かすのが付き合うときのコツかも。

ノイズレスな感度はISO200まで。フォーサーズマウントのレンズは安いので、1万円でボデイ&レンズ2本のシステムも組めますよ。

センサーサイズで選ぶ・大艦巨砲主義者も納得できるネオ一眼「DSC-R1」(2005年・1030万画素)

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Photo: 武者良太

シャープなピント面からの無理のないなだらかなボケ具合。なんか見たことあるこういうの。APS-Cサイズの高級コンデジの絵だ。

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Photo: 武者良太

液晶モニタを上から覗き込みやすいので、首から下げて腰あたりに据え置いての撮影がラクラクなんだなー。

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Photo: 武者良太

ミノルタのカメラ部門と合体する前、α/NEX時代より以前の、ソニー最強カメラがコレ。コンパクトコンデジとレンズ交換式の中間を取りなすネオ一眼(ブリッジカメラ)は機種数がそれほど多くないのですが、古くからこの大型一体型を好む人に刺さってきたDSC-R1。なんといってもセンサーサイズが巨大です。ほぼAPSサイズといっていい21.5×14.4mm。 もちろん1インチよりも、マイクロフォーサーズよりも大型です。

そこに組み合わさるのがフルサイズ換算24-120mm f2.8-4.8レンズ。現役でも使えるほどピント面はカチカチ。カーツツァイスの銘は伊達ではありません。1万円前後でゲットできるカメラのなかではグレートなポテンシャルの持ち主です。

ただねー。重い。ほぼ1kg。またコントローラやメニューのUIがクセありすぎ。液晶モニタが上面についていて2眼レフカメラのように上から覗いて撮りやすいとか、2005年の時代にジョイスティックを採用しているとか、各部に挑戦のあとが伺えて面白いんですけど使いにくいのは事実。

海外市場を狙ったのでしょう。大きな手を持つ人じゃないと、自由自在なドライビングは難しいカメラです。3万円台までの予算を許せるのであれば、1インチセンサーで24-200mm f2.8レンズがついたRX10がいいかもよ。

JPEG撮って出しだとISO400が限界かと。しかしRAWで撮ってLightroomなどで現像すれば、ISO1600もまだまだイケるという手応えありますね。

外装の素材で選ぶ・ステンレス、硬い、さいこう。そんな水陸両用機「Nikon 1 AW1」(2013年・1425万画素)

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Photo: 武者良太

写りはめっちゃ現代的。てっぺんを狙えず眠ってしまったニコン1シリーズですが、極めてフツーに使えます。

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Photo: 武者良太

もともと持っていたマウントアダプタFT1&70-300mmと合わせて810mm相当に。FT1さえ安く手に入れば、激安望遠番長として世間を渡り歩いていけるでしょう。

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Photo: 武者良太

J1もJ5も持っていますが、いつかコイツがほしかった。防水ミラーレスのNikon 1 AW1。といっても欲しいのは防水性能じゃない。ステンレスボディというその1点だけでも金属ラブッ子のハートを掴むでしょ惚れこむでしょ。コイツほど握ったときの硬さを感じるものもそうはない。象が踏んでも壊れないんじゃないかって思えるくらい。

ジャンクなレンズ込み1万円で手に入れてから気がついたのですが、防水性能重視のためにダイヤル・ホイールといったコントローラがありません。モード変更時や表示画像選択時はボディを左右に傾けて選択するというおもしろUIを採用していてコレかわいい。

1インチセンサー搭載機で、ベースモデルはJ3。JPEGだと、ISO800までなら戦えます。フツーのNikon1レンズ、Nikon1用マウントアダプタもOK。フルサイズ換算で2.7倍の焦点距離になる個性を生かして、AF対応マウントアダプタFT1&望遠ズームと合わせるとRX10M4より安く、RX10M4を超える望遠性能があなたの手に!

なお15m防水・2mの耐衝撃性能を持つ水陸両用ボディ...ですが、中古で買う以上、防水性能はマジ期待しちゃだめです。僕が7000円で入手したボディはOリングやシーリングパーツがまだ劣化していなかったけど、余生は地上勤務してもらいましょう。

いつか動かなくなっても、飾っておきたい。そんな1台ですよコレは。

自分の求める機能・性能は何か

前述したように、現代のスマートフォンのカメラ性能...というか、デジタルによる処理能力はとどまることを知らずに高みを目指しています。被写体までの距離を検知して背景をボカすポートレートモードや、AIによるAE&カラコレ。夜景だって三脚いらずの手持ち合成で、十分に使える写真がお手軽に撮れるようになりました。

そんなスマートフォンがポケットにある日々を送っている僕らです。デジカメを選ぶときは、何でもできることよりも、自分の気に入ったところが一点でもあればいいんじゃないかって思うんですよね。

自分の撮った写真をドットbyドットで見て惚れ惚れしたいなら4000万画素以上のフルサイズor中判、フルマニュアルな操作感にうっとりしたいならX100系、X-Pro系やPEN-F、カラフルボディでファッションのアクセントにしたいならペンタックスに注目とか。

新品でもいい。中古でもいい。自分の感性やライフスタイルにマッチするカメラを携えて、散歩してみましょうよ。スマホだけのときとは見えてくる景色が違うと思いますよ。

余談・気になるパープルフリンジはLightroomで消しちゃえ

フリンジ01_R
Photo: 武者良太

さて、オールドデジカメを使っていると、パープルフリンジが目立つモデルがあります。こういうときはLightroomとか使って消しちゃいましょう。その他の気になるところも積極的に修正しちゃいましょう。

当時は補正ができなかった。でも今の技術でなら。というなら迷う必要はありません。レッツゴー!

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