日々の生活がエクササイズになる日を夢見て。
フィットネストラッカーのパイオニアであるFitbitが、スリムで手ごろでミニマル機能なChargeシリーズの最新作「Charge4」をデビューさせました。一足早くCharge 4を手に入れた米Gizmodoのヴィクトリア・ソンが、屋内待避と活動自粛が叫ばれる中、工夫を凝らしてレビューをしてみたそうです。
さて、Charge 4はどんなアイテムなのでしょうか?
Fitbit Charge 4

これはなに?:チャージシリーズの最新版
値段:通常盤が150ドル(2万1980円/税込)、スペシャルエディションが170ドル(2万5990円/税込)
好きなところ:GPS内蔵、NFC規格の支払機能、ワークアウトの強度マップと心拍数ゾーンが最高。
好きじゃないところ:エクササイズアプリからスイッチできない。GPSマップが少し挙動不審だった。スクリーンが微妙。
GPSとNFC搭載
新型コロナウィルスは新作ガジェットのリリースにも影響を及ぼしています。例えば、今回レビューしたFitbitの「Charge 4」も影響を受けているひとつ。最大のウリは「GPS搭載」ですが、自由に外を歩けなくなるかもしれないとなると、そこまで魅力的に感じられないかもしれません。(今は屋外でのエクササイズはそこまで厳しく禁止されていませんが、パリのようにいつなんどき規制されるかわかりませんから)。
「Fitbit Pay」が加わったことも嬉しいですね。特に今みたいな、できるだけ現金のやりとりやスクリーンタッチを避けたい時には。(日本はFitbit pay対応ではありませんけど)。とはいえ、必要不可欠な買い物に使えるショップで、NFC対応かどうかはわかりません。でも、ソーシャルディスタンスを抜きにして考えれば、「Charge 4」は、私たちが夢にまで見た機能を兼ね備えたフィットネストラッカーだと言えるのではないでしょうか。
バッテリ良し、アプリ良し、デザイン良し
GPS搭載とNFCペイメントに加え、Charge4は7日間のバッテリ持続時間、心拍数の継続的なモニタリング、コミュニティ内蔵の包括的なアプリ、そして、スタイリッシュで耐久性のあるデザイン! すべてにおいてかなりポイント高しです。
すでに「Charge3」をもっている人は、「ほー」程度かもしれませんが、古いトラッカーを使っていて、そろそろアプデを考えていた人の心にはグッとくるのでは。(Fitbit Versa2愛用者の中川もグッときてます)。
また、FitbitはCharge4ソフトウェアとユーザーインターフェースもアップデートしてきました。GPS搭載だけでなく、そこにワークアウトの強度マップを加えたのが素晴らしい。具体的にどんなことができるのかというと、例えば、3マイル(約4.8km)ジョギングしたとして、どの場所を走行中に心拍数が上がっているのかと、どの場所をもっとも早く走っているのかを知ることができるのです。それだけでなく、心拍数が新たな心拍ゾーンに入るとブザーを鳴らして教えてくれます。これはHIITワークアウトやスピードワークをしている時、手元の心拍数をチェックする必要がなくなるので助かりますね。

去年の9月にFitbitがVersa2をローンチしてから、Fitbitアプリはいくつかのアップデートをしてきました。Charge4では「Active Minutes」 タイルを廃止し、変わりに「Zone Munutes」という指標を導入しました。今までは1万歩を健康維持の目安のようにしてきましたが、「Active Zone Munites」ではユーザーが推奨されている週の活動量をこなしているのかをモニターするようになります。
アメリカ心臓協会やWHOといった有名な医療機関は、週に150分の適度な運動もしくは75分の激しい運動を推奨しています。しかし、自分では判断するのが難しいですよね。例えば、カフェまでのんびり歩くのは適度な運動にカウントされるのか? 5マイルのハイキングとインターバル・ランはどうやって計測するのか? といった疑問が出てくるはず。Active Zone Munitesは、脂肪燃焼ゾーン(心拍数が最大値の50~69%の状態)1分で1クレジット、カーディオ(70~84%の状態)やピークゾーン(85%以上の状態)では倍のクレジットを得るといった風に、明瞭化してくれます。
これはFitbitのかつてのActive Minutes測定基準よりもはるかに優れているといえますが、10分以上の継続した心拍数上昇が認められた時にのみクレジットが与えられたので、その点は混乱させられました。

「Estimated Oxygen Variation」機能とサブスク90日無料
Fitbitは今年初めに「Estimated Oxygen Variation」という血液中の酸素レベルの変異測定値を提供するグラフ機能がリリースしました。測定するSpO2センサー自体は2017年にリリースされたIonic以降のFitbit製品に搭載されており、2年たって、やっとローンチされた機能です。睡眠の質が悪い、寝ても疲れが取れない人には、その原因がなんなのかを教えてくれます。「Estimated Oxygen Variation」をきっかけに、より睡眠の質を高めたいという場合は、Fitbit Premiumサブスクリプションがオススメ。COVID-19でジムが閉鎖されたことを受けて、90日の無料トライアル公開中なので、この機会に試してみる価値はあるでしょう。
残念な点はスクリーンとアプリの切り替え
ここまで色々と褒めてきましたが、非の打ちどころがないというわけではありません。例えば、通知とアプリ間のナビゲーションは必ずしもスムーズとはいえません。スワイプは正確に認識されますが、多少のラグがある時も。また、直射日光の下では画面が少し見えづらいと感じました。フィットネストラッカーとしての最低限な機能+αを持ったCharge4は魅力的ですが、私は画面が明るくて、通知が読みやすいVersaの方が好きだと感じました。
もうひとつ問題がありました。それは、運動中にメニューを切り替えることができないのです。レビュー仲間は、運動中にSpotifyをコントロールすることができないと話していました。また、エクササイズ中にアプリを切り替えてみようとしましたが、アクティビティを終わらせない限りできないことがわかりました。Charge4でSpotifyを使う場合、Premiumアカウントである必要があるので、使わない人ならそこまで問題視することではないかもしれません。しかし、Spotifyユーザーなら困ってしまうでしょう。
GPSの精度は...
Charge4のGPSはどんな具合か、ランニング2回とウォーキングで試してみました。まず、距離の結果は、Apple Watch Series5やMapMyRunアプリと大差ありませんでしたが、地図自体はちょっと…という感じでした。

まず、3.03マイルのランニングで、Fitbitはほぼ正確な2.96マイルと記録しました。これはSeries5が記録したのと全く同じ距離でした。しかし、地図をみたところ、Fitbitでは私はハドソン川の真ん中をつっきって走っていることになっていました。MapMyRunとSeries5では、一部川の中にいたと表示していることもありましたが、そこまでひどい結果にはなっていませんでした。2回目の3マイルランニングでもほぼほぼ同じ結果になりました。
同様のことは4マイルのウォーキングの時にも起こりました。Charge4のGPSマップの大半は正確でしたが、マンハッタンのダウンタウンにあるOculusに向かって歩いている時、直進していたにもかかわらず、数ブロック迂回したと表示されていました。さらに、Charge4がGPSに接続するのに数秒かかることにも気づきました。この動作に気付くまで、正確なテスト結果が得られませんでした。

それと、Fitbitでスプリットタイム(スタート地点から計測点までにかかったトータルの経過時間のこと)を測った時、最初の1マイルを11.07と記録し、Series5の10.36とスマホの10.12と比較して、ゆっくりと記録していたことにも気づきました。2マイル走った頃時点で、相違がなくなりましたが、ヒートマップの精度には疑問が残りました。
ただ、ニューヨークに住んでいることが原因の可能性は大いにあると思います。マンハッタン、特に私が住んでいる水辺に高層ビルが立ち並ぶエリアでは、信頼できるGPSを手に入れるのが難しいことで知られています。なので、地方や郊外に住んでいる人にとっては、それほど大きな問題にならないかもしれません。とはいえ、私はこれまでに数多くのフィットネストラッカーを試してきましたが、他のスマウォやトラッカーではこんな問題にぶつかったことはありませんでした。
もし、どのGPS搭載トラッカーがいいかと質問されたら、GarminかSuunto7、Apple Watch Series5を選びます。しかし、週の適度な運動をトラッキングしてくれるシンプルなデバイスがほしい人にとっては、Charge4の問題は些細なことに感じられるでしょう。
Charge4がパンデミック下でも活動的にしてくれるか
このフィットネストラッカーがパンデミックの間でも活動的にしてくれるかどうかと聞かれれば、まぁ、そうだと思います。でも、これに限らず他のトラッカーでも可能でしょう。毎時間、運動を促してくれますが、それはFitbitに限りません。
睡眠の質を高めたいならFitbitは役に立ってくれると思います。ただ、しっかりサポートしてほしいのであればサブスクしてPremiumに入る必要があります。
GPS搭載とActive Zone MunitesとNFCはどれも魅力的だと思います。パンデミックがなければ、より魅力的に感じられたことでしょうし、レビューでも喜びを伝えられたと思います。
外にでて思う存分エクササイズを楽しみ、この機能の魅力を堪能できなかったことが残念でなりません。でも、それはFitbitに原因があるわけではなく、単に運が悪かっただけです。

Charge4は、手堅い機能を備えた良いフィットネストラッカーだと思います。150ドルという価格に、Fitbitの哲学をうまく詰め込んでいます。しかし、Versaが登場した時の感動と新鮮味は味わえませんでした。
Read Me
- ・GPSとNFCペイメント搭載。どちらも素晴らしいアップデート。
- ・Active MinutesがActive Zone Minutesになった。これはイイ!
- ・Charge4のGPSの精度は、他のスマウォと比較してそこまで高くないものの、ヒートマップは役に立つ。
- ・スクリーンはベストとはいえず、メニュー間にラグあり。また、ワークアウト中にSpotifyで曲をコントロールすることができなくて、ちょっとイラっ。
- ・NFCペイメントはCharge4のデフォルト機能なので、スペシャルエディションを選ぶ理由はwovenバンドだけ。
Charge4のGPS搭載は非常に魅力的に感じます。
私(中川)はVersa2愛用者でGPSはアプリを使っている時しか動かないように設定しています。なので、頻繁に「設定を変更するか」と通知が来ます。そこまで鬱陶しいわけではありませんが、Versa2にGPSが搭載されていたら便利だなと常日頃から感じていました。
それとデザインが良い。この細さはアクセサリーとの重ね付けにも映えそう。バンドのラインナップを見ても、ファッションアイテムとしても使えそうだなと思いました。