収録スタジオ潜入インタビュー! 『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の主人公を演じる大貫勇輔さん:「アニメの表情は声に宿る]

  • author ヤマダユウス型
収録スタジオ潜入インタビュー! 『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の主人公を演じる大貫勇輔さん:「アニメの表情は声に宿る]
Photo: ヤマダユウス系

演じることは多面的なんだなぁと実感。

富豪刑事 Balance:UNLIMITED』、皆さんもう名前覚えてきましたか? ギズモード・ジャパンはガジェットコーディネーターとして同作に登場する近未来的ガジェットを監修しています。言いかえるなら、ギズ編集部員のアニメ愛×テック知識が120%発揮されているお仕事です。天職かな?

Video: アニプレックス/YouTube

して、末席ながらアニメの現場に参加しているということで、アフレコ現場にまでお邪魔させてもらえるようになりまして。さらに主人公である神戸大助(かんべ だいすけ)の声をつとめる大貫勇輔(おおぬき ゆうすけ)さんにインタビューの機会までいただきまして…! 何がどう繋がるか、ほんとご縁だねぇ。

アフレコ現場に潜入! とにかく静かだった

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Photo: ヤマダユウス系

そんなわけでやって来ました、某所のアフレコ現場。現場に来て最初に気になったのが「雑音も反響もない……これだけ防音がすごいと空調はどうしてるんだろう…?」というところ。とにかく静かなタイプだそうです、なるほど。

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Photo: ヤマダユウス系

大貫さんに、普段アフレコされる時と同じ動きをしてもらいました。声を出す時の立ち方も意識してるそうなのですが、そこの詳しい話は後半のインタビューで。

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Photo: ヤマダユウス系

この収録ルームには4本のマイクが置いてあって、本来は数人の声優さんが映像(多くは完成前の)を見ながら、入れ代わり立ち代わりで声を当てていきます。『SHIROBAKO』や『こえでおしごと!』でも描かれてますね。

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Photo: ヤマダユウス系

ちなみに、大貫さんは今作『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』が、アニメ作品においての声優初挑戦。そのあたりのフレッシュな感想も興味深いものでした。

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Photo: ヤマダユウス系

そしてこちらは、音響監督やスタッフが声優さんに指示を出すコントロールルーム。右奥のガラス窓から収録ルームがチェックできます。この窓感、いかにもアフレコ現場って感じだ…!

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Photo: ヤマダユウス系

本作の音響監督をつとめる岩浪美和(いわなみ よしかず)監督は、このあたりから収録を見守っているそうですよ。生けるレジェンド、大ベテラン、その目線がこちらです。取材当日は作務衣姿でいらっしゃいました。「うん、いいんじゃない」と快くスタジオの撮影を許可いただき、感謝の限りです。

俳優やダンスの経験が、声にも通じる

続いて、大貫勇輔さんのインタビューをお届けします。

大貫勇輔

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Photo: ヤマダユウス系

ダンサー・俳優。7歳より母の経営するスタジオでダンスを始める。 祖父は体操のオリンピック強化選手、母や伯母も元体操選手という体操のサラブレッド。 17歳よりプロダンサーとして数々の作品に出演。バレエ・ジャズ・コンテンポラリー・モダン・ストリート(ブレイク・ポップ・ハウス・ロッキング・ヒップホップ)アクロバット等多岐に渡るジャンルのダンスを踊りこなす。

Reference: ホリプロ

──本作で演じるご自身のキャラクター、神戸大助をどのように捉えていますか?

大貫さん(以下、大貫:)いい意味でも悪い意味でもマイペースというか。自分が生きてきた環境が裕福すぎて、お金でなんでも解決できてきたが故に人とのコミュニケーションがうまくできないという。本当に、少し天然でマイペースな大富豪、というキャラクターですね。


──ご自身と通ずる部分はあったりしますか?

大貫:僕は性格でいうと多分マイペースで、天然ともよく言われるので、そういうところは似てるかなと思います。でも、人当たりだったりとかお金に関する感覚だったりとか、そのほかの性格で似てるなと思う部分はないですね。

あとは、初めてお会いした方々には一見クールだと言われたりするので、そうした外見での印象やイメージの部分でも、通ずるところがあるのかなと思います。ですけど実際の僕は全然そんなことなくて、しゃべるのも大好きですし、どちらかというと自分からワンワンと行く感じの犬系です(笑)。

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

──実際にアニメの声優をしてみて、驚いた部分などはありましたか?

大貫:声のお仕事ですと、少し前に映画『キャッツ』のスキンブルシャンクス役の吹き替えを担当させてもらっていて、そこでも驚きがあったんです。舞台やドラマと違って、映像の中の人の表情やテンションに合わせて自分が演じなきゃいけない。それがアニメだとまた違う部分もあって。


──同じ「声のお仕事」でも違う部分が?

大貫:僕、ずっと錯覚していて、アニメは絵のキャラクターの表情が動いてるものだと思っていたんです。でもアフレコを始めたとき、声が表情の代わりとなって、キャラクターの表情が変わっているようにお客さんに想像させているんだと気付いて、これが声優の仕事なんだ!と驚きました。

それまでは表情の変化に合わせて声を合わせるものだと思ってたんですけど、そうじゃない。アニメは声優の力によって表情をつくっているんです。そこが実写の吹き替えとアニメの吹き込みの違いでした。

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Photo: ヤマダユウス系

──監督から演技面での要望はありましたか?

大貫:今回はオーディションで、ありがたいことに監督に神戸大助のイメージに大貫くんが合うと仰っていただいたので、要望などは特に。なので、僕の持ってる声質というか雰囲気というか、そういうものを自分自身で信じようと思っています。監督が信じて下さったのですから。

テクニカルな部分ですと、神戸大助は感情が表に出るタイプの人間ではないものの、ちょこっとは出るんです。そのパーセンテージというか、今ちょっと楽しくなっている、ちょっとイラっとしている、というのをどれくらい入れるかを、監督と本番の吹き込みの最中に細かく決めていく感じですね。


──その微妙な変化量の違いは難しいものだと思うのですが、どうでしたか?

大貫:ドラマの撮影で顔がアップになるときに、まばたきや目の動き、息を吸うなどの動作1つで印象がかなり変わるんですよ。この経験が役立ちました。

声優にも通ずるところがあり、僕的には俳優サイドのアプローチから体のポジションというか、体も含めて大助の感情を意識すると声の出し方を細かくコントロールできたので、それほど難しくは思わなかったです。

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Photo: ヤマダユウス系

──吹き替えを通じてアニメの制作側を体験されたと思うのですが、これからアニメの見方が変わりそうですか?

大貫:やっぱり、キャラクターの描写が絵で変わるんじゃなくて声で変わる、という部分ですね。声の力によって、こんなにも表情が変わってるように感じていたことに気付けたのが大きいです。

今まではアニメも実写も同じように見ていたんですけど、いざ自分が吹き込む側になると、より2次元を感じるようになったんですよ。ある意味良くない影響かもしれませんが、今ではむしろ声のほうに意識がいくようになりました。

体のポジションで声をつくる?

──役作りについてはどのようにアプローチしていきましたか?

大貫:まず神戸大助の体のポジションを決めて、そこから心のポジションを探っていきました。あと、僕は人の影響を受けやすいというか、空気を読んじゃったり、誰かに影響されやすいタイプなんですよ。なので、大助を演じるにあたっては、たとえばほかのキャラクターのセリフを聞き過ぎないようにしたりとか、なるべく流されないようにするアプローチを意識しています。


──体のポジションというのは、体を前傾姿勢にするとか背筋を正すとか、そうした姿勢の違いのことでしょうか?

大貫:そうですね。神戸の場合は姿勢が良くて顎が上がっていて、人を見下している状態で立っている、そうすると自然とセリフのトーンが低くなる。結果的に、人に命令するときに顎を使うタイプの声になるというか、おい(低音)、みたいな。

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Photo: ヤマダユウス系

──なるほど。姿勢によって声質だけでなく役作りも深めていったのですね。

大貫:ダンスをやっていることが関係してるかもしれません。体の場所をつくると役に入りやすい性質なので、体が変わると声も変わるタイプなんです。

録音では感じられなかった、声優の生の演技

──実際のアフレコ現場はどうでしたか? 確か、最初はお一人で録られていたとか。

大貫:1話〜3話のアフレコは舞台の都合上、僕一人で録らせてもらったんです。4話からほかの声優の方々と一緒に参加させてもらったんですけど、もうめちゃくちゃ緊張して(笑)。3話までの収録はみなさんが先に別撮りした録音を聞きながら声を当てていたんですが、4話の収録で初めてほかの人の生の声を聞いて、すごくエネルギーを受け取りました。

あとはテンポ感ですね。4本マイクが並んでて、その前に声優さんが9人くらいいて、それが入れ代わり立ち代わり動いていく。「あ、もう僕の出番か」みたいなスピード感があって、新鮮でした。

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──お一人で録るのとは印象もかなり違いそうですね。

大貫:あとは…声優界の業界用語とかですね。聞いたことがない用語とかが出てくると、加藤春(カトウ ハル)役の宮野真守さんが教えてくれたりしました。

たとえば「切り替えて」とかがそうですね。複数人の声が重なってるカットなどは一人ずつ録音するんですけど、まず一人録ってから切り替えて、もう一人の声を録るという感じです。あ、あともうひとつ。スタートがないことに驚きました。


──スタート?

大貫:僕一人の時は「はいじゃあいきますよー、はい、どうぞ」という始まり方だったんですけど、全員で録っていた時は「じゃあ○○番いきますー」と監督が言ったら、もうそのまま始まっちゃうんです。ちょうど他のキャラクターが「大助さま!」って、高いテンションから始まるシーンだったので驚きましたね。


──最初、お一人で収録されてから全員で録るようになって、自身のなかで気付いたことや変化した部分はありますか?

大貫:声の力ももちろんですけど、テクニックです。みなさんの声の持つ幅と色や種類、一人の人間に対しての声色や幅が本当に豊かで、いろんな引き出しがあって、それはやっぱりすごいなと思いましたね。

ほかに影響を受けたのは、その場のエネルギーを受けると声のお仕事をしてるというよりお芝居をしている感覚になれたので、すごく楽しかったです。吹き込んでるときも楽しいんですけど、お芝居の感覚というか、キャッチボールしてる感覚というか、それがすごく楽しかったですね。

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Photo: ヤマダユウス系

──やっぱり別撮りの録音を聞きながら当てるより、生の方が熱量みたいなのが見えてくる?

大貫:もちろん録音からも見えてくるんですけど、より肌で感じられますね。声だけだと声のリズムになるところが、そこにもう一段気持ちが乗りやすい。その場所に人が本当に存在してると、そこに向かってパンッてしゃべれるけど、録音の場合は想像になるので。


──電話で話すか対面で話すか、その違いのようにも思えますね。

大貫:まさにその通りだと思います。

もし大富豪だったら、何をする?

──では本作ならではの質問ということで、もし大貫さんが神戸のような大富豪だったら、お金で何を解決したり購入したりしますか?

大貫:世界平和のためにお金を使いたいですね。


──ではもっと個人的な、有り体に言うと私利私欲にまみれたお金の使い方としては何かありますか?

大貫:う〜ん…良い車が欲しい、良い家に住みたい、あと世界各地に別荘を持ちたい…。自宅にトレーニングルームも欲しいですし、専属トレーナーも欲しいですね。

──逆に、お金では買えないないものは何だと思いますか?

大貫:やっぱり家族や友達でしょうか。もしかしたらお金で買えるのかもしれないけれど、そういうものは大切にしたいなと思います。他には、仕事の達成感、美しい星空を見た時の感動などでしょうか。そういうものは、お金で買えないものかなと思いますね、やっぱり。

ガジェットはスゴいものがいっぱい出てくるよ!

──ギズモード・ジャパンはガジェットコーディネートという立場で本作に関わっているのですが、劇中に出てくるガジェットで「これすごいな」と感じたものはありましたか?

大貫:ありますあります。○○な○○とか、便利な○○とか、○○なAIとか。…これってネタバレになっちゃいます?(笑)


──なっちゃうかもしれないので、なんかこう、具体名は出ないけどスゴかったよという大貫さんの驚きが伝われば!

大貫:はい(笑)。色んなアイディアが出てくるんですけど、それらは実現可能なんですよね?

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

──ギズとしては、技術的にはいずれ可能だと思っています。

大貫:それってすごいですよね。あと、これは僕が欲しいだけなんですけど、空を飛べるガジェットはすごく欲しいです。ジェットパックとか、水流でずっと飛べるやつとか。


──水圧で飛べるジェットパックですよね。あれは楽しそう。

大貫:僕、空を飛ぶ系がすごく好きなのであれはやってみたいし欲しいですね。

あり得るかもしれない未来×デコボコバディ

──最後にあらためて、本作のみどころを教えて下さい。

大貫:まずは、登場する素晴らしいガジェットです。それらは非現実的なものじゃなくて、今の技術がすすめばあり得るかもしれないというのが、面白さのひとつだと思います。だから「こんなことが本当に現実であり得るの?」っていう部分も、楽しんでいただければなと。あと、僕自身の本作の第一印象は、音楽のかっこよさですね。


──菅野祐悟さんの手がける音楽、めっちゃ良いですよね…!

大貫:神戸と春が決め台詞を言った時に音楽がバシっと重なったりすると、ものすごい爽快感なんです。そうした絵と音楽の爽快感や、神戸と春のデコボコ感など、カッコよさや面白さを色んな部分で楽しんでいただければと思います。ぜひお楽しみに!

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Photo: ヤマダユウス系



……アニメの表情はあまり動いていない。これ、言われた時はハっとしました。確かに、思い返してみるとアニメって一呼吸のセリフの間に表情が変わることってあんまりない…。呆れた表情の中にも感情のボルテージの動きがあって、そうした微妙なテンションの違いはすべて声に宿っていたのですね。改めて、声優ってすごい!

実際、本作はかなりドリームチームで、『HELLO WORLD』の伊藤智彦監督や、『青の祓魔師』『七つの大罪』などのキャラクターデザインを担当された佐々木啓悟さん、そして岩浪音響監督に菅野祐悟さんなど、スタッフからして盤石。いろいろな面で、存分に信頼しておりますとも。

というわけで、『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』をお楽しみに。大貫さんの演技=神戸の微妙な表情の違いにも注目すると、より一層楽しめるかもしれません。もちろん、ガジェットにも乞うご期待!

富豪刑事 Balance:UNLIMITED

フジテレビ“ノイタミナ”ほか各局にて4月9日(木) 25時10分より放送開始

※レギュラー放送は24時55分~

【イントロダクション】
ケタ外れの資産をもつ神戸家の御曹司・大助が赴任したのは、警視庁で問題を起こした人間だけが送り込まれる「現代犯罪対策本部準備室」、通称「現対本部」。そこで大助は情に厚い男・加藤 春とバディを組まされる。
人の命すら値踏みする大助に対して「世の中金じゃねぇ」と反発する加藤。対立する2人の前に立ちはだかる、様々な事件と謎。常識を超えた捜査が今、始まる――!

原作は筒井康隆によるミリオンセラー『富豪刑事』(新潮文庫刊)。
型破りな刑事・大助が現代を舞台にしてより華やかに、より大胆に生まれ変わる。
監督:伊藤智彦×シリーズ構成・脚本:岸本 卓×キャラクターデザイン:佐々木啓悟×アニメーション制作:CloverWorksというドリームチームが、この春世界を熱狂させる!

【スタッフ】
原作:筒井康隆『富豪刑事』(新潮文庫刊)
ストーリー原案:TEAM B.U.L
監督:伊藤智彦
シリーズ構成・脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン:佐々木啓悟
サブキャラクターデザイン:田辺謙司
美術設定:藤瀬智康/曽野由大/末武康光
美術監督:佐藤 勝/柏村明香
色彩設計:佐々木 梓
メカデザイン:寺尾洋之
CG監督:那須信司
撮影監督:青嶋俊明
編集:西山 茂
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
音響制作:ソニルード
スタイリングアドバイザー:高橋 毅
ガジェットコーディネート:ギズモード・ジャパン
アニメーション制作:CloverWorks

【キャスト】
神戸大助:大貫勇輔
加藤 春:宮野真守
清水幸宏:塩屋浩三
仲本長介:神谷 明
亀井新之助:熊谷健太郎
佐伯まほろ:上田麗奈
湯本鉄平:高橋伸也
武井克弘:小山力也
星野 涼:榎木淳弥
???:坂本真綾

【公式サイト・各種SNS
公式HP:fugoukeiji-bul.com
Twitter:https://twitter.com/fugoukeiji_bul
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