ロックダウンでスタートする完全監視社会? ロシア・モスクワの場合

  • author Shoshana Wodinsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 湯木進悟
ロックダウンでスタートする完全監視社会? ロシア・モスクワの場合
Image: Tristan Fewings / 特派員 / Getty Images Europe

緊急事態ではあるのだけれど…。

新型コロナウイルス感染問題に歯止めがかかりません。それはロシアでも同じようで、すでに数千人の感染者が報告され、日に日に増加しています。モスクワには厳しい外出制限が課され、いわゆるロックダウン状態が続いているらしいのですが、なんだか心配な規制の実態も明らかになってきています。

感染者の行動監視のためにスマホアプリを開発。だけど…

まず、モスクワ情報技術局(DIT)Eduard Lysenko局長は、このほどラジオ番組において、感染者の行動を監視すべく、スマートフォンアプリを開発したと説明。表向きは、これ以上の感染を防ぐため、市民を守る目的と語られたのですが、実際に初期バージョンの同アプリを検証した専門家から、明らかに違法な監視ツールだと非難されています。ただ位置情報を把握するだけのはずなのに、同アプリからは、ユーザーの連絡先などの個人情報が筒抜けとなり、勝手にスマホの設定を変えたり、カメラを操作して監視可能になっていたそうですね。おまけに、開発に何千万円も注ぎこまれたわりには、セキュリティレベル非常に脆弱で、暗号化されることなく、各種データが海外のサーバまで送られかねないんだとか。

全市民にID発行

さらに、この監視アプリに加え、モスクワでは、全市民に個別QRコードIDを発行予定。このIDなしに、薬局や買い物、近所の散歩であっても、勝手に出歩けば罰金刑懲役刑を科すという厳しい内容のようです。どうやらロシアでは、海外の影響力を排除して、閉じられたインターネット社会を築き、国民を完全な統制下に置くことまで目指されてもいるみたいですが、新型コロナウイルスへの対策を口実に、その流れが加速していきそうな勢い。いまや街頭の監視カメラからショップの買い物履歴、アプリにID管理まで組み合わせ、誰がどこで何をしているのか、すべて掌握しようとの狙いのようです。

アプリはいったん配布中断に

なお、さまざまな問題点を指摘された監視アプリは、ひとまず配布が中断され、いま初期のフィードバックをもとに、さらなる高い完成度を目指しつつ、開発に磨きがかけられているそうです。テクノロジーによって、ますます住みづらい世の中になっていくとしたら、それはそれで悲しいことでもありますよね。

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