新型コロナの影響をアメリカ人に聞いてみた。「私の健康より、ラップトップのコストが優先みたいです」

  • 9,161

  • author Bryan Menegus- Gizmodo US
  • [原文]
  • R.Mitsubori
新型コロナの影響をアメリカ人に聞いてみた。「私の健康より、ラップトップのコストが優先みたいです」
Image: Gizmodo US

世界中みんなたいへんなんだね。がんばろ。

新型コロナウイルスで外出自粛、休業が続く日々。海外では皆さんどんな生活をしているんだろう…。ってことで、アメリカの働く人たちにインタビューしてみました。

ショーン氏(フィラデルフィア在住、コンサート照明スタッフ)

口下手なんで、ざっくりした話になってしまって申し訳ありません。職場にはそういう人が多いんですけど。

昨日、はじめて失業申請の書類を書きました。私の場合、常に仕事があったわけではないのですが、仕事がなくなる不安を感じたことはありませんでした。いつ仕事に戻れるかわからないというのは、変な感じです。正直、すごく不安です。

今までにも2回ほど、転職を考えました。もっと安定した仕事にね。でも、結局できませんでした。みじめな思いをするだけだとわかったので。ろくな給料もらえませんし。でも、今また求職中の身になってしまいました。知識も技術も経験も積んできましたが、それはエンタテインメント業界以外では役に立ちません。新入社員からのスタートです。まずはスーパーマーケットの棚卸し的な仕事から始めるつもりです。我々のコミュニティのニーズを満たす、まっとうな仕事です。

こんなにガレージの整理整頓ができたのは、はじめてです。 ガーデニングもやっていますよ。以前からちょっとした趣味で楽しんでいたんですが。これだけずっと家にいて手入れができるのは、8年ぶりです。時間つぶしにもなりますし、節約になるかもしれないですね。

フィラデルフィアでは失業申請が殺到しているので、いまだにログイン用のPINコードが届きません。サインインできないので2週間以上経つのに、書類に誤りがあるかどうかも確認できません。

カーペットも全部スチームかけちゃったので、今は「塗装プロジェクト」に入ったところです。トイレットペーパーの買いだめはしてませんが、塗装用品は買いだめています。ガレージに山ほどストックしてあるので、2カ月はプロジェクトに没頭できると思います。

くよくよするのは嫌なので、前向きに、忙しくしていたいんです。1年のうち9カ月は世界中を飛び回っていた人間にとって、今回の件は不運な幸福なんです。私には最高の妻もいますし、飼い犬をかまってあげる時間的余裕もできました。コロナ騒ぎが収まったら、家中がLEDだらけになっているかもしれません。妻には気の毒ですが。

自分の力でどうにもならないことは、仕方ありません。私にできるのは現場に行って、できれば誰かの人生の役に立って、住宅ローンも払えたら最高です。照明スタッフ仲間もみんな仕事がないので、情報交換する暇があるのも、なんとも切ないですね。

アダム・シフ下院議員が議会宛てに、エンターテインメント業界の経済的打撃と救済要請を申し入れてくれています。うまくいくといいな、とみんな祈っているのですが、おそらくだめじゃないかな。政府は労働者階級よりも、お気に入りの銀行や航空会社を優先しがちですから。社会のはぐれ者が集まる業界なら、なおさらでしょう。でも、照明スタッフだって夢を見ることならできるんです。

マット氏(スロバキア在住、ESL教師)

私はスロバキアのブラチスラバで、第二言語としての英語を教えるフリーランス講師です。2007年からこちらに住んでいます(昨年就任したチャプトヴァー大統領は、赤いマスクとドレスのコーディネートがネットで話題になりました)。

この国で最初に新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは、2月末でした。3月の第1週に学校が閉鎖され、在宅勤務できる人はリモートワークに切り替えるよう言われました。3月6日、首相が屋内退避を要請し、食料品店や薬局、薬剤師以外はすべて休業になったのです。今のところ、感染者は600人で2人が亡くなっています(取材時。4月15日現在感染者835人、死亡2人)。それほど大打撃、というほどではないのですが、新型コロナの検査は感染拡大国に渡航歴のある人ばかりなので、実態はまだよくわかりません。

私のパートナーの叔父は癌を患い化学療法を受けているのですが、彼の子供たちはチェコ共和国在住なので、国境を越えて会いに来ることができません。たとえ来られても、感染のリスクがあるので会うことはかないません。

スロバキアの悪しき慣習で、政治家や官僚は隙あらば私腹を肥やそうとします。現政府の調達担当のトップは50万件分の検査キットを購入する予定でしたが、実際の検査件数は20万件。その代わり、その息子が市内中心部にアパートを2軒、現金購入しています。そのお金の出所はどこか、誰でもわかるでしょう。

私は企業専門のESL講師なので、外出禁止令が出てからは実質的に失業状態です。仕事はありません。5歳の息子と産休中の妻がいるのですが。うちの家計危機はおいておきますが、ストレスを感じるときはたしかにあります。

8月には結婚式を挙げるつもりでしたが、それもキャンセルになりました。アメリカの友人や家族が来られませんから。私の息子は空っぽの教会で洗礼を受けました。みんなマスクしていましたし。

息子と一緒に家にいるのは、大好きです。成長を見守れるのは素晴らしいことです。彼には毎日、なにかしら新しい発見があるようで。いつも家にいるお母さんたちを、心から尊敬します。毎日、家の裏にある森を散歩したりして過ごしています。もちろん、Netflixにもかなり世話になっています。私のキューバリブレは、キューバ寄りのリブレ(自由)少な目って感じです。

外出時にはマスク着用必須。大手食料品店では手を除菌スプレーで消毒したうえで、手袋を着用しなければならず、高齢者は9時から12時までしか入店できません。今週の時点では小さな手芸屋さんや園芸品店は営業可ですが、ソーシャルディスタンス(社会的距離)のプロトコルは守らねばなりません。こうしたお店の営業が認められているのは、手作りマスクの材料を売っていることと、首都ブラチスラバを離れると家庭菜園で自給自足している人が多いことが理由です。

銀行は住宅ローンの支払い猶予を発表しましたが、再開したら毎月の支払い額が増えることになり、結局当初の返済スケジュールは変わりません。銀行は客のことなどどうでもいいのです

今週のどこかで、政府はフリーランスと中小企業経営者を対象の救済に乗り出すとされていますが、私が対象になるかはまだわかりません。なるといいのですが。 いつになったら元の生活に戻れるのか、はっきり言うことはむずかしいですね。ピークは6月末という人もいれば、今月末には仕事が再開できるだろうという人もいます。

できるだけ前向きでいるよう努力しています。みんな同じ船に乗っていて、私たちよりたいへんな人もいますから。(この騒ぎが一段落しても)経済が回復するには時間がかかると思いますが、家にこもって悶々としていることを考えれば、少なくとも外には出られるようになりますし、何かをがんばることもできるようになります。

アレックス氏(ニューヨーク在住、フリーの映画監督)

現段階で、基本的にフリーランスの映画業界は閉鎖されています。私の知る限り、エンタテインメント業界全体がそうですね。

私が個人的に話す同僚や、オンラインコミュニティを介して知り合った同業者はみんな今仕事がありません。みんなそうでしょうけど、いつ日常が戻ってくるかわからない状態ですね。個人的には2カ月くらいで仕事に戻れればと思うんですが、むずかしいですね。この先不況が待っているので、希望が持てません。

仕事が再開しても、元の状態に戻るには時間がかかるでしょうね。 私の周りでは、ちょうどそれぞれの役割でリーダーになり始めたという人がたくさんいました。みんな、より大きくてエキサイティングなプロジェクトに取り組んでいるところだったので、本当に残念です。特にクリエイティブな業界では、フリーランスは時間をかければ前進できるわけではないので、それぞれの技術に時間をかけた結果、前にすすめたことは本当によいことだったんです。

それだけじゃありません。我々は仕事をしなければ収入もありません。1カ月、2カ月…4カ月、と休業になるというのは、非常に恐ろしいことです。いつ復活するかもわからないなかで今を過ごすのは、つらいですね。経済的にもプロとしても、どれだけ後退してしまうかわからないですし。

幸い、失業手当も対象拡大してフリーランスや独立請負業者ももらえるようになっています。だた、ニューヨークのシステムで申請手続きをとるのが、悪夢のようなんです。この数週間、1日数時間も受付窓口に電話をかけ続けたという人が大勢います。私自身もサイトにアクセスできない状態が続いていて、失業手当の申請もできません。今のところ、申請ができなくてもまだ私は大丈夫なんですが、失業者の数は増え続ける一方なので、しばらくは電話やウェブは軽くならないでしょうね。一体いつ申請できるのか、と思っています。

マイケル氏(アメリカ中西部在住、信用組合データ関連作業)

3月17日のインタビュー:

驚きなんですが、パンデミック後も私の仕事生活は全く変わっていません。今も週40時間、業務を続けています。ただ、当社では顧客向けサービスはすべて閉鎖しています。テラーや窓口担当はみんな配置換えでコールセンターに移されました。問い合わせの電話件数が増えているので。

私の会社では、リーダー職の多くが60代と70代ですが、彼らの心配事はほとんどのFOXニュース視聴者のものと同じレベル。彼らは新型コロナをインフルエンザと同じように考えています。私はIT関連職ですが、在宅作業用のパソコンは持っていません。同じ店にいる同僚6人も同じです。

部会ではコロナウイルスについて話していますが、私としてはさらに状況が悪化して連邦準備銀行までシャットダウンしたらどう対処すればいいか、と懸念しています。なのに今の状態はせいぜい数週間で終わり、私の心配事なんて非現実的だと言われました。今後もリモートワークはせず、ガラ空きの通勤を楽しむことにします。どうか、病気になりませんように。


4月8日のインタビュー:

私の会社では信用組合の支店スタッフの3分の2が本社オフィスに移り、臨時のコールセンターオペレーターとして働いています。本社は私が住んでいる州とは別の州にあり、これが問題なのです。私が暮らす州では外出禁止が続いているのですが、勤務先の州ではなんら防策を講じておらず、普段どおり業務を行なっています。家に帰ってからは自宅にこもっていますが、1週間の大部分は人々が公然と生活を送る場所で過ごしています。当社では在宅勤務用に30台のラップトップを購入しましたが、それはリーダーたちと高リスクの従業員に配られました。

従業員9名のIT部門のうち、現在7人が無期限でリモート勤務しており、週に5日間出社しなければならないのは、私を入れて2人だけ。物理的にオフィスでなきゃできないことはないんです。私の上司は皆、私の健康と安全よりも、新しいラップトップのコストのほうが大事なのかな、と考え始めています。

リリー氏(ワシントンDC在住、パートタイムのベビーシッターおよびケーキ屋)

私はワシントンDC郊外で非常勤のベビーシッターをしています。娘さんたちの父親は連邦政府勤務で、今日から在宅勤務だそうです。奥さんは弁護士で、まだ毎日オフィスに通っています。親御さんが在宅のときに仕事に来るのは、ちょっとやりづらいですね。やはり子供たちもはしゃいでやんちゃしますし、仕事してても親のほうに行ってしまうので。

あとは、副業として自宅でケーキ屋をやっています。でも、今週の注文はほぼキャンセルになりました。正直、最悪です。今後はもっと増えるでしょうね。ベビーシッターで足りない分のキャッシュを副業で補っていたので、厳しくなっています。ケーキ屋のほうは2人従業員がいるのですが、今の状態が解消しなければ給料も払えません。

ドニー氏(アメリカ西部在住、地方自治体職員)

3月17日のインタビュー:

上司たちからことの全容が明かされるまでの、恐怖と不安といったら…。何が起こっているのか、誰にもわかりません。リーマンショックのあとに人員削減したせいで今も人手不足だと言うのに、健康不安の相談の電話がひっきりなしにかかってきます。この2日間、ビルの中で納税者の姿は見ていません。子どもたちは1カ月の休校で、いったいこれをどうおさめるのか、見当がつきません。

トランプ大統領は財政には強いかもしれないけど、リーダーシップは最悪でしょう。どこまでいっても優柔不断だから、事態がさらに悪化するんですよ。ただ、道路とかはいい感じですね、今


4月8日のインタビュー:

ご存知のとおり、私は地方自治体職員です。私の部署は週2日在宅勤務制になりました。これからもこれが続くといい、と願っています。みんなが息をひそめるような状態は、嫌ですから。

あとは、何も変わっていません。結局、固定資産税は必要不可欠な業務ですが、今年は期日通りに任務完了できるとは誰も思っていません。郡の行政センターはゴーストタウン状態で、閉館中。スタッフの案内なしではロビーやエレベーター、階段を使うこともできません。ダウンタウンの食べ物屋はもう無法状態で、昔ながらの食堂はいくつか閉鎖されました。

みんな不安なんです。労働組合は安全をめぐって郡と闘っています。一番たいへんなのは、保育スタッフと在宅ケアのスタッフです。私の知る限り、休業している人は1人もいません。リーマンショックの影響を引きずっていて、人員がカツカツなんです。当時は30%の人員不足でした。

全体的なムードは、間違いなくネガティブです。リーダーが正しいことをしてくれるだろう、っていう信頼感はないですね。うちの郡の保健委員は、我々に在宅勤務を命じるのは最後から2番目だって念を押してきました。我々事務職は建物の中にいますから、四方に壁さえあればコロナを食い止められると思っているんですよ、彼は。それでも毎日、ジワジワとコロナが迫っているんです。

(4月16日追記:本文中、一部誤訳がありましたので訂正いたしました)

    あわせて読みたい