Appleさん、Googleさん、本当に信じていいんですか?
AppleとGoogleによる新型コロナウイルス追跡アプリの開発はまだ完了していませんが、どんなアプリになりそうかをザックリと紹介してくれたみたいですよ。
最も注目すべき点は、アプリ開発のために曝露(ばくろ)追跡APIを利用する公衆衛生当局が「できないこと」の詳細を説明したことでしょうか。当局はアプリ利用者の位置を追跡することも、データを広告に使用することもできないそうです。どっちもやっちゃいけないことリストのトップにあって当然なんじゃ…。
他の国々で利用が広がっている同様のアプリとは違って、誰もこのアプリをダウンロードする義務はありません。新型コロナウイルスに陽性反応を示したアプリ利用者がBluetoothの範囲内に入ったかどうかを確認したい場合だけ、アプリをインストールして通知を受けるように設定すればいいようです。
AppleとGoogleは、公衆衛生当局がアプリをデザインするためのステップ・バイ・ステップのスクリーンショットを公開しました。通知機能を有効にすれば、曝露追跡を利用できるようになります(いつでもオフにできます)。地元の保健当局から固有の検査識別番号と検査日のデータを入手して、陽性の診断結果が出た場合は、情報をアプリ内で共有することができます。
このアプリは、スマートフォンが生成したランダムなBluetooth識別子を、過去2週間以内にBluetoothの範囲内に入った他のデバイスと共有するそうです(Appleによると、識別子は10〜20分ごとに変更されるため、ユーザーの追跡は不可能だとのこと)。通知を有効にしている場合、新型コロナにさらされた可能性がある日付と、その後にとるべき手順についての警告を受信するのだとか。
iPhone仕様のアプリの見た目はこんな感じ。




Androidも同じような感じですね。




ここで紹介した方法は、政府が曝露追跡アプリの使用を義務付けている国とは異なります。インドとロシアが展開している追跡アプリは、プライバシーがまるで悪夢ですし、イギリスの国民保健サービスはGoogleとAppleの政府機関を無視した取り組みに不満を抱いていると報じられています。
しかし、AppleとGoogleのAPIがどれだけ個人情報を保護したところで、公衆衛生当局のアプリを信頼してもらえなければ意味なんてないですよね。最近の調査によると、消費者の40%以上はIT企業が信用できないから曝露追跡アプリを使わないつもりなんですって。わかりみありすぎです。
曝露追跡アプリは、新型コロナの感染拡大を抑えるための取り組みの一部でしかありません。一部の州は、スマートフォンにアクセスできない、もしくはアプリの利用をためらう可能性のある感染患者を見つけるために、何千人もの「人間曝露追跡装置」を採用したみたいですよ。
今の時代に100%プライバシーが守られるなんて蜃気楼のようなものとはいえ、命や健康を守るために必要なら、新型コロナ以外の不安を感じなくてもすむようにしてほしいものですね。