空気が汚れている地域では新型コロナで死亡する人が多いという研究結果

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  • author Dharna Noor - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
空気が汚れている地域では新型コロナで死亡する人が多いという研究結果
Image: Pascal Le Segretain / スタッフ / Getty Images Europe

地球には、空気洗浄機が必要です。あ、でもその前に化石燃料やめなきゃ…。

大気汚染物質が新型コロナ感染者の死亡率を高めている

新しい研究によると、大気汚染が新型コロナウイルス感染者にとって「最も重要な死因のひとつ」になっている可能性があるそうです。また落ち込むパターンの研究結果だ…。

マルティン・ルター大学ハレ・ヴィッテンベルク地球科学地理研究所の研究者であるヤロン・オーゲン氏は、ディーゼル車などの化石燃料を燃やすと発生して、人間の呼吸器系にダメージを与える大気汚染物質の二酸化窒素濃度を示す衛星データと、汚染物質の濃度がもっとも高い場所を特定するために大気の動きを調べ、汚染地域と新型コロナウイルスによる多数の死者が出ている地域を比較しました。

研究の対象になった国は、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ。研究結果は、大気汚染と新型コロナの間に明らかな相関関係があることを示しているそうです。

新型コロナによって多くの人が亡くなった地域は、二酸化窒素濃度の高さが顕著で、垂直方向の空気移動がほとんどない傾向があったとのこと。つまり、汚れた空気がよどんだ地域に新型コロナの犠牲者が偏っているということみたいですね。

オーゲン氏はこの傾向についてこんな声明を出しています。

たとえば、イタリア北部やマドリード周辺、中国の湖北省などは、山に囲まれているという共通点があります。そのせいでこれらの地域では大気が移動しないため、より汚染している可能性が高くなっています。

イタリア、スペイン、フランス、ドイツにおける4,443件の死亡例のうち、78%にあたる3,487件は、窒素酸化物濃度が最も高い5つの地域で発生したそうです。

とはいっても、どんなに強い相関関係があったとしても、因果関係にあるとはいえません。それでも、日常的に呼吸器疾患の原因となる汚染物質にさらされている人は、特に呼吸器系ウイルスに感染しやすいことが過去の研究で示されています。

研究は述べます。

環境を汚染することは、私たち自身の身体を汚染することを意味します。身体が慢性的な呼吸ストレスにさらされると、感染を防ぐ能力が限られてしまいます。

今回の研究は、大気汚染が人々を新型コロナウイルスに対して脆弱にさせてしまう可能性があることを示す最新の証拠といえます。他にも、粒子状物質への長期にわたる曝露がわずかに増加しただけで、新型コロナによる死亡率が15%上昇したという研究結果もあります。

大気汚染とパンデミックのリスクは貧困層や有色人種コミュニティーに偏っている

これまでの知見によると、世界的に見て貧しい地域社会が高いレベルの大気汚染にさらされていて、偏った医療費の負担によって貧困層が苦しんでいることが、深刻な問題になっています。アメリカでは、貧困層や有色人種のコミュニティー二酸化窒素粒子状物質の両方に汚染されている可能性が高くなっています。在宅の仕事になかなか就くことができないなどの多くの要因に加えて、大気汚染にさらされていることも、新型コロナによる死亡例が黒人に偏っている理由のひとつかもしれないのだとか。大気汚染とパンデミックの感染拡大の関係で重要なこととして、すべての人が同じレベルのリスクを負っているわけではないということを忘れてはいけません。

いずれにしても、大気汚染に関する規制を強化しなきゃいけないことを示す証拠が増えています。なのに、トランプ政権は規制後退させる一方なのだそうですよ。

ウイルス封じ込めのために実施された封鎖は、世界中の多くの場所で大気汚染の減少につながっており、その主な原因は車や飛行機による移動の減少と考えられています。このような社会的距離の措置は、私たちを何重もの方法で守っているのかもしれないですね。

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