バーチャル×クルマ、奥が深いですよ。
VR元年からはや数年。バーチャル会議にARゲーム、リモート作業にロボット出勤など、現実は妄想より奇なりな出来事がそこかしこで巻き起こっている今日このごろです。
そんなさなか、あの自動車メーカーのアウディがVRの世界に飛び込みました。VR空間で自動車のメーカーが何をやるの?って思いますよね。自動車メーカーがやることといえば、もちろん試乗ですとも。そう、VR試乗!
その舞台となるのが「バーチャルマーケット」。VRのソーシャルプラットフォーム「VRChat」内で開かれる展示イベントで、友達とブースをまわったり、展示されている3Dモデルのデータを買ったりできるんですよ。家にいながら遠方の友達と「あっちにおもしろそうなブースがあったぜ!」なんて一緒にはしゃげる、いわばVR版コミケのようなもの。ここにアウディが出展するんです。

今回アウディが展示するのは、日本上陸目前と噂される新しい電気自動車「e-tron Sportback」。アウディが満を持して送り出す最新テック満載の電気自動車に、VR内で誰でも試乗できてしまうのです。もちろん免許はいりません、VRですから。

というわけで、ギズモード編集部員の綱藤と一緒に「バーチャルマーケット」の世界を探訪しつつ、アウディのブースをチェックしてみましょう。VRでここまで精巧な車が動くとは...ゾクゾクしちゃいました。
バーチャル試乗…やぁっていくぜッ!
アウディブースがあるパラリアルトーキョーへ
バーチャルマーケットにはいくつかのワールドがあるのですが、今回は「パラリアルトーキョー」を訪れました。おお、羽田空港やレインボーブリッジ、スカイツリーが一同に見える。東京タワーの隣にはウルトラマンもいるじゃないか!




パラリアルの名の通り、このワールドは東京の名所やカルチャーを随所に詰め込んだ構成になっています。コンビニやテナントもあり、ワールド内を散策するだけでもめっちゃ楽しい。等身大のガンダムもいたりして、ザ・トーキョーな雑多さがワクワクですぞ。

そんなパラリアルトーキョーの要所要所にはe-tron Sportbackが鎮座してありまして、コレに触れるとアウディブースにジャンプする仕組み。パラリアルトーキョーに入って右手すぐにも置いてありますよ。一瞬で遠くのブースに移動できちゃうのもVRならではですねぇ。
精巧すぎて実写感すら湧いてくる、バーチャルなe-tron Sportback

こちらがアウディブース。クルマやコースが配置してあり、いかにも自動車メーカーな様相。

試乗する前にe-tron Sportback自体もじっくり見ていきましょうか。VRだと人目を気にせずに見れますからね。舐め回すように360度からチェックしてゆきましょう。
まずはエクステリアをぐるっと。ふぅむ、うつくしい。こう、3Dモデル独特ののっぺり感というか、角張った感じがしません。テールランプの赤が透き通る感じや、流線が美しいボディに反射する光がとても精巧に再現されています。それもそのはず。この3Dモデルはもともと500万ポリゴンあったそうで、VRChatにはデータが大きすぎたとか。それをなんと6万ポリゴンまで削って最適化したんだそうです。そんなに削ったのにこのリアルさ...。
バーチャルマーケットの人いわく「VRChat史上最も精巧な3Dモデルかもしれない」とのことですよ…。恐るべし、バーチャルe-tron Sportback。
e-tron Sportbackといえば、特徴の一つがこのカメラ式のサイドミラー「バーチャルエクステリアミラー」です。サイドミラーらしからぬ角のような形状や凹凸感も再現されていますね。このカメラが捉えた映像が、車内のOLEDディスプレイに表示されるんですものねぇ、未来のクルマだわぁ。
では、そのまま車内も見てみましょう。これも再現性が鬼ヤバです。

いやもう、3Dモデルの内側をここまで作り込むとかどうかしてるでしょ(褒め)。ハンドルの立体感からタッチディスプレイがずらりと並ぶインターフェイスの作り込みまで、アウディ定番の「バーチャルコクピット」がこれでもかと再現されています。

ロボット操縦席のレバーを思わせる、独特な形状のシフトレバーも抜かることなく再現。光の反射もあってか、レザー×光沢素材のギラ感が伝わってきます。右手がこの位置だから左手はハンドルをこう持って、その時の視界はこんな感じで…と、バーチャルとはいえ試乗に近い感覚でのコクピット体験ができていることに驚きました。
さて、目で楽しむ時間はこのあたりにして、いよいよ試乗と参りましょうか。では…試乗用のe-tron Sportbackを、召喚ッ!!
ぬおぉおかっこえぇ! もうこの召喚エフェクト見に来るだけでも価値があると思う(本末転倒)。
座席に乗り込み、ハンドルを持って、VRコントローラーのボタンを押して、いざ出発!



試乗はコースを自動で進むジェットコースターのようなスタイル。窓の外から一望できるパラリアルトーキョーの景色がたまりませんね〜。
最終的にはコースから宇宙空間に突っ込みました。これもまたVRならではの表現、亜空間ワープ!

ちなみに、ブース外に見える看板に触れると、3Dモデルのプレゼントキャンペーンが確認できます。ニュースレターを購読するとレーシングスーツとシューズの3Dモデルが、実車の事前試乗予約をするとTシャツの3Dモデルがもらえるとのこと。看板に触れるとブラウザが立ち上がり、それぞれのキャンペーンページにジャンプしますよ。この3DモデルはVRChat内で実際に着ることができるんですって。VR世界のコーデが増えてありがたいですね。
VR試乗の未来に可能性を見た
クルマのような、実物に触ることで感触がわかるガジェットをVRで味わうのって、実際どうなのか? 疑問に思ってる部分もあったのですが、バーチャルな体験でも味わえるものはあるんだなと実感できました。
エクステリアやホイールの形状、座席からの視界、各インターフェイスの距離感などなど。いわば目で確認できる部分については、実物に迫る試乗感が得られるんじゃないでしょうか。将来いろんな車種のエクステリアやコクピットの様子がVRで事前に確認できたら、クルマ選びにも役立ちそう。VRならオプションパーツもサッと付け替えられるようになりそうだし...。そうか、VR試乗でしっかり確認してからの実車試乗ができるのか、これは賢い! VRでの試乗、どんどん普及してほしいです。

アウディの「e-tron Sportback」にVR上で試乗できちゃう「バーチャルマーケット4」は、2020年4月29日(水)11:00〜5月10日(日)23:00の期間で開催されます。参加するために必要な「VRChat」はOculus RiftなどのVRゴーグルに対応しているほか、ブラウザ上でゴーグルを使わずに楽しむこともできます(Windowsのみ対応)。詳しくはアウディのスペシャルサイトやバーチャルマーケットのマニュアルをご覧ください。
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Source: アウディ ジャパン