地中に眠る古くて汚れたエネルギーを打ち破るのは、どうやら降り注ぐ太陽の恵みのようですね。
世界中で誰もが恐ろしい思いをしているかもしれない今日このごろではありますが、希望の光はまだ消えていません。その希望の光は、超低価格の太陽エネルギーという形で現れています。
地上最大最安の太陽光発電所が2022年半ばまでに誕生
アラブ首長国連邦のアブダビ電力公社は、地球上で最大・最安になる太陽光発電所の建設を受託したと発表しました。同社はアルダフラ太陽光発電所を2022年半ばまでに建設する計画で、入札者グループと協力してキロワット時あたり1.35セント(1.43円/kWh)という記録的な低コストになる予定なのだとか。同国はこのプロジェクトを通じて約16万世帯にクリーンで手頃な価格のエネルギーを供給することができるようになるそうです。
新型コロナウイルス大流行の影響もあって、クリーンエネルギーは苦しい状況が続いています。アメリカでは、景気後退がはじまって以来、エネルギー効率、再生可能エネルギー、電気自動車などの部門で少なくとも10万6000人が職を失っています。でも、いまの状況は、新型コロナが落ち着いたあとに再生可能エネルギーが勢いを増すのに役立つかもしれないそうです。もしもそうだとすると、朗報と呼んでよさそうですね。ちなみに昨年は、新規発電容量の72%を再生可能エネルギーが占めました。
今回の記録的低コストはより多くの再生可能エネルギーを導入する手助けになりそうですが、アラブ首長国連邦の状況はちょっとユニークみたいですよ。
Greentech Mediaが報じているように、この低価格は、この地域特有の豊富な日光、広大な平野、安い土地のおかげなのだそうです。しかし、近年は太陽光パネルの価格も安く、より効率的になったため、低価格記録は破られ続けています(マイケル・ムーア監督の時代遅れも甚だしい新作映画はサクッと無視してください)。
新型コロナのおかげで需要の減った化石燃料が、低迷する市場に悩まされているすきに、世界のほとんどの地域で風力と太陽光が最も安いエネルギーになっています。再生可能エネルギー設備のコストは下がり、政府はようやく温室効果ガス削減目標達成のために必要な行動を起こしはじめましたね。
近頃は最悪なニュースばかりですが、アブダビからの便りは喜ばしいものです。でも、新型コロナの混乱が過ぎ去ったあとも続く気候危機に対処するためには、さらに安い太陽光発電システムが必要です。