オタク文化を支える秋葉原「MOGRA」店長が語る、オンラインフェス「Music Unity 2020」とコロナサバイバル

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  • author 照沼健太
オタク文化を支える秋葉原「MOGRA」店長が語る、オンラインフェス「Music Unity 2020」とコロナサバイバル
Photo: MOGRA / 2019年10周年イベント

クラブとインターネットの融合に見る、新しい未来。

2020年4月、オンラインフェス「Music Unity 2020が大きな話題となりました。主催は、オタク文化の最先端をいく秋葉原のDJバー「MOGRA」。

第一回を4月4日に、第二回を同月18日に開催されたこのイベントは、MOGRAほか全国各地のクラブ、そしてアーティストの自宅を配信スタジオとして利用し、Twitch(ライブストリーミング配信プラットフォーム)を使ったDJやパフォーマンスを配信するというもの。

ユニーク視聴者数は10万人を超え(コメント欄も盛り上がり)、特設ECサイトとドネーションシステムからは多くの収益を得ることができ、営業自粛の苦境に喘ぐクラブやアーティスト/DJの新しい活動方法のひとつの指標を作り上げました。

そこでギズでは、同イベントの主催者である「MOGRA」店長のD-YAMAさんにインタビューを行うことに。

2010年代の新しい日本のミュージックカルチャーを代表するまでになったクラブ「MOGRA」の歴史から、コロナ禍のクラブを取り巻く状況、「Music Unity 2020」、そして今後の展望まで、「jitsi」の画面越しにたっぷりと話していただきました。

MOGRAは秋葉原でゼロからスタートした、まったく新しい試みだった

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Photo: GIZMODO編集部 via jitsi

──2019年に10周年を迎えたMOGRAですが、D-YAMAさんはその特徴をどのように捉えていますか?

D-YAMA:MOGRAにはブランディングに対する強い思想があります。アニソンでDJするならどんなやり方がかっこいいのかという探求、そしてクオリティーに対するこだわりなどを大事にしながら、自社企画としてイベントを展開し、そこに影響されたお客さんがイベントを始めることで、ムーブメントを作ってきました。

──“アニソンとクラブミュージックを融合させたクラブ”としてMOGRAを知る人も多いと思います。そのアイデアはどこからきたのでしょうか?

D-YAMA:基本、DJって性質的にはオタクですよね。“流行る前のかっこいいものをディグって誰かに提案する”というのが本来のDJだと思うんですけど、それってオタク的じゃないですか。ヒップホップもハウスもテクノも、DJはオタク気質の人が多かったし、実はアニメも好きな人も多いですしね。でもそういう人たちって、自分たちの主戦場であるジャンル以外の音楽やカルチャーの情報を出す場所がなかったと思うんです。そこで彼らのパーソナルな部分をもっと引き出そうとした結果、「好きなものを、もっと混ぜて出していいんじゃないの?」というMOGRA的なアウトプットになりました。

だからか、最初に集まってくれたのは、秋葉原でずっとオタクをしている人たちではなく、“クラブや音楽が好きだけど、本当はアニメも好き”っていう人たちが多かったですね。「MOGRAでは、自分たちの共通言語で喋れて、音楽の情報交換ができる」と。また、VJやDJ、ミュージシャンも機材オタクだったりするし、そういう人たちからの評判も、開店当初から良かったです。

集客からブッキングまで。ネットがなければMOGRAカルチャーはない

──MOGRAを語る上では、インターネットの活用も欠かせない要素だと思います。

D-YAMA:ネットがなかったら、うちはこういうムーブメントは作れていなかったと思います。特にMOGRAとして外せないのは、ネット中継の配信ですね。2009年のオープン当時からUstreamを使っていました。当時はステージの配信が目的ではなく、あくまでフロアの様子を写しているだけだったんですけど、それを見て「アニソンでもDJできるんだ!」と驚いた人がたくさんいたのが大きかったです。

──なぜMOGRAはいち早くネット中継を取り入れたのでしょうか?

D-YAMA:“ハコもの商売”って、自分たちが所有するキャパシティに対してどれだけお客さんを詰め込むかというのがビジネスの基本にあるんですけど、クラブの場合はインターネットに対する考え方が二分化しました。

MOGRAを始めた頃に大多数の考え方だったのは「インターネットで情報を出したら、お客さんが来なくなる」というものでした。写真や動画でクラブの様子を流出させると、客足は鈍るし、場合によっては悪い情報ソースとして使われるかもしれないということで、多くのクラブはこれを嫌がっていたんです。でも、うちはそもそもやましいこともないし、開店したばかりでお客さんがいなかったので「それなら情報をオープンにした方が得だ」という考えになったんです。

──もともとネットに親しんでいる層との親和性がありつつ、オープンしたばかりだからこそ飛び込めたんですね。

D-YAMA:結果として、インターネットを使っていたことによって、現在でも情報の広まり方は圧倒的に違いますし、そこで培ったノウハウが今回のイベント「Music Unity 2020」に対する信頼につながっていると思います。

──SNSについてはいかがですか?

D-YAMA:重要ですね。特にTwitterの有効活用については、この10年間でめちゃくちゃ研究しました。これまであまり話す機会はなかったんですけど、うちはブッキングに関してもSNSの数値をチェックしています。どれくらい集客できるかとか、他のDJとフォロワー層がどれくらいかぶっているかとか、本当に細かく調べてやっています。従来、リアルな現場志向のクラブでは、“お客さんを呼べるDJ=友だちの多い大学生”みたいな大雑把な認識だったと思うんですけど、今はインターネットで全部見られますからね。だから、僕はSNSはRPGのステータスのようなものだと思っています。

──そうして培ってきたノウハウが、こういったコロナ禍で活きてきているわけですね。

D-YAMA:そうです。でも、この状況で改めて思ったのは「うちがやっている事業は、根本的には”クラブ”ではない」ということですね。僕の中では、MOGRAはクラブではない“何か別のこと”をやっているという認識です。僕らがやっていることは、本来他のクラブさんならやらなくてもいいことのはず。だから、現在MOGRAが注目されている状況に関してはとても複雑な部分があります。

Music Unity 2020はこうして生まれた

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Image: Music Unity 2020

──オンラインフェス「Music Unity 2020」を立ち上げた経緯について教えてください。

D-YAMA:まず、MOGRAの話からしますね。集客数と売上は、2月から激減していました。当初ライブハウスで感染者が出たと言う報道があり、コロナ関連で最初に槍玉に上がったのがクラブやライブハウスでしたから。

そしてさらに、3月になった瞬間に客数が半分になったんです。その様子を見て、今後はクラブ営業ができなくなると判断しました。従業員を通常通り動かしてお店を開けたところでお金にならないし、感染リスクを抱えながら風評被害を受けるのも良くない。これは開けておくだけ損だと判断して、3月末には休業に入りました。でも休業までの間もしばらくは、これからMOGRAが何をするべきかを考えながらも、良いアイデアが出てこない状況が続きました。

そんなある日、チョコレートの輸入をしている会社の方から「バレンタインもホワイトデーも打撃を受け、大量のチョコレートが余ってしまった」と相談されたんです。そこで初めて「Music Unity 2020」のアイデアを思いつきました。

それまではMOGRAのワンマンで何か新しいことをやろうという考えしかなかったんですけど、いろんなところと組んでお金を回してレベニューシェアしていけば、みんなの事業を成り立たせられるかもしれない。そう閃いたのがブレイクスルーでした。

──「Music Unity 2020」を開催するにあたって導入した機材や、導入したサービスやツールなどはありますか?

D-YAMA:サーバーを増強したくらいですね。配信自体はゲーミングPCみたいな高スペックなマシンが1個あれば成り立つものですし、そもそもうちはめちゃくちゃ機材を持っていたので。ただ、サーバーに関しては今までのMOGRAの設備では視聴者の満足度を上げるためには不十分だと悩んでいたんです。そこに今回入ってくれた配信技研という会社さんが爆速でサーバーを作って解決してくれました。

──「Music Unity 2020」では各クラブやアーティストの自宅から配信が行われましたが、その配信機材はどうしたのでしょうか?

D-YAMA:各クラブに配信設備があるならそれを使うように指示とサポートをして、設備のない場所やアーティストが自分の家でやるようなら「環境や回線速度を教えてくれれば、それに見合った機材をうちから送ります」というかたちで、機材屋さんみたいなこともしていました。

──機材のコーディネートもできてしまうんですね。

D-YAMA:店閉めた瞬間に機材が余るので、それの有効活用って感じですね(笑)。それに僕個人もDJなど音響機材のプロモーションに関わる仕事もしていたので、手元にめちゃくちゃいろんなものがあったんですよ。

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D-YAMAさんの配信環境
Photo: D-YAMA

Music Unity 2020の反響と、“お金がないのに出費がかさむ”状況

──ドネーションも集まったと聞きました。

D-YAMA:そうですね、MOGRAがもともと投げ銭システムとして使ってたものなのですが、今回はあくまで各クラブに対してお金が入る仕組みを作りたくて。 なので、うちからは、各クラブに対してアーティストブッキングと機材の確保を発注し、その制作費に相当する部分として、ドネーションで集まった額の60%を還元する、という約束でやりました。

お客さんに対しても、ちゃんとお金が回っていることを示せたので、地元のクラブを応援したいユーザーはそのタイミングでドネーションしている結果になってました。 想像以上にドネーションが集まりまして、うちが40%も取るのもな、と思ったので、当初より多く各クラブにまわせましたね。

──開催後、どのような反響がありましたか?

D-YAMA:現在、ライブハウスやクラブは営業ができず、これから何ができるのかを模索しているなかで、ただひたすら「助けてくれ」という状況になってしまっています。でも「Music Unity 2020」以降、あのシステムを応用して各自でイベントを開催する流れがちらほら見られるようになったと思うので、それはとてもうれしいですね。

僕個人としてはこの影響は1〜2年は続くし、収束したとしても元通りの営業ができることはこの先ないと考えています。だからとにかく早く新規ビジネスに動かないといけないと思うんですよね。僕は「Music Unity 2020」を通してできることをひとつ示せたと思うので、この先もみんなで協力してムーブメントが作れたらいいなと考えています。

──「国からの補償を期待するしかない」という声も多く聞かれます。

D-YAMA:そうですね。補償が出たらうれしいですけど、もはやコロナはクラブやライブハウスだけの問題ではなくなってしまっていますからね…。もし国から補償が出たとしても、それでずっと続けられるわけがないですから、うちは最初から補償はあてにしないことにしています。

──新しいことを始めるしかない、と。

D-YAMA:これまでのやり方を取り戻そうとするのではなく、僕らが新しくビジネスを起こさないと、これからの時代の存続は難しいと思います。

ただ、その前に、家賃が払えないクラブが増えて大家さんも困るようになってくると、家賃が新しい時代の適正価格まで下がり、クラブやライブハウスを取り巻く状況はすこし落ち着くのかなと予想しています。ひとまずは、そうした時期が訪れるまでになんとか体力勝負で生き残ることが重要ではないでしょうか。

──どれだけキャッシュを手元に用意して、時間的な猶予を作るかが重要となってきますね。

D-YAMA:付き合いのある各クラブとは、「絶対に現金の体力勝負になるから、どんな条件でもお金を借りた方がいい」という話をしてきていました。政策金融公庫は、新しい施策が出るとどんどん良い方に条件を変えてくれるので、うちもコロナ対策として3月末までにまとまった金額を確定して確保しました。新規事業に踏み込むには新しい機材を導入したりと何かと装備が必要じゃないですか。

言ってみれば、これからは“お金がないのに出費がかさむ”というおかしな状況が来るんです。「Music Unity 2020」みたいなことも、借り入れたしたお金があるからこそできていることだと思います。

──「Music Unity 2020」は今後も継続される予定と考えてよいでしょうか?

D-YAMA:はい。ただ、インターネットのバズって継続するのすごく難しいんですよね。「Music Unity 2020」も第一回、そして第二回とデータを取ったんですが、三回目は間違いなく落ちることが予想されるので、月イチくらいにペースを落として熱量を保とうとは思っています。それに、同じことをまたやっても絶対おもしろくないので、うちじゃないとできないことをやろうと今考えているところです。毎回しっかり企画として新しく、なおかつMOGRAだからできることを示せればと思いますね。

コロナ以降、新しく導入した機材

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Photo: D-YAMA

──コロナ以降、D-YAMAさんが個人として新しく取り入れた機材はありますか?

D-YAMA:DJ機材ですね。僕、自分のお店があるので、DJの練習するにしても「お店でやればいいや」っていう状態だったんです。でも、外出ができなくなって「やっぱり、自宅にもちゃんとしたものを揃えよう」と思って、DJ機材を増やしました。

あとはiPhone用のオーディオインターフェース「EvermixBox4」です。お店でも使うので、ミュージックハウスフレンズさんに連絡してまとめて購入しました。

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Photo: D-YAMA

──これはiPhoneから直接ストリーミング配信するために使うのでしょうか?

D-YAMA:そうです。今から配信するためのPCを揃えると20〜30万円くらいかかりますし、カメラを買うとなるとWebカメラやビデオキャプチャも売り切れ状態です。そこで僕らが推奨しているのは、NDIでiPhoneのカメラを使ってPCに映像を送り込むか、iPhoneそのものを早いWi-Fiに繋いで配信する方法です。

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そのために「EvermixBox4」のほか「GO:MIXER PRO」「iRig Stream」も用意しました。

──iPhoneだけで「Music Unity 2020」レベルの配信ができてしまうんですね。

D-YAMA:iPhone 11 Proを持ってる人だったら、これから配信PCを揃えるよりもこっちの方がいいですよ。カメラも綺麗だし、Wi-Fi環境さえ安定していれば「あとはボタンを押せばOK」という状況を作りやすいので。僕らも配信環境がないクラブやアーティストには、うちでセットアップのドキュメントも用意して、これらの機材を送っていました。

──セットアップの説明書まで(笑)。

D-YAMA:届いたらすぐセットアップできるようにしておいて、リハーサルのタイムテーブルもGoogleのスプレッドシートで管理してましたし、「普通クラブってこういう仕事の仕方しないだろうな」っていうやり方ばかりでしたね(笑)。あとはどんな音楽や映像を流すのかは現場のDJやVJにお任せでした。

たとえば第二回の「Music Unity 2020」でDJのBatsuくんとVJのらしおくんのパフォーマンスが話題になりましたけど、僕もあの時まであんなことやるって知らなかったですしね(笑)。

“点滅するDJ”パフォーマンス

「リアルの下位互換」ではない、バーチャル配信の新たな可能性を感じさせてくれたDJ Batsuさんのパフォーマンス。それをVJとして支えた、らしおこと @osirasekita さんに、話題になった“点滅するDJ”の裏側について教えてもらいました。


osirasekita:全体を通して意識していたことは、少しでも違和感を消すこと。「いかにも実験的な技術です」という感じを減らしたかったです。あとは、とにかくDJであるBatsuの動きを際立たせることですね。

演出の仕組みとしては、実は、Batsuだけが消えているのではなくて、実際には空間ごと切り替わってるんです。カメラの位置と照明を決めた段階で、演者のBatsuだけがいない空間の映像を事前に撮影しておき、その映像とカメラからのライブ映像をスイッチングで切り替えることで消えたように見せていました。また、手前の机にはMadMapperを使用して、常時VJ映像が合成で映し出されるようにしていて、これには空間自体が切り替わっているという感覚が薄くなるようにという狙いがありました。

今回のVJパフォーマンスで使用した機材

<ハードウェア>

・映像演出用Macbook Pro(Apple)
・配信用MacBook Pro(Apple)
・EOS 5D Mark III(Canon)
・UltraStudio Mini Recorder(Blackmagic Design)
・Komplete Audio 6 (Native Instruments)
・Traktor Kontrol F1(Native Instruments)

<ソフトウェア>

・MadMapper
・VDMX5
・OBS

ネットとリアルの交差点「MOGRA」は、今後もリアル店舗を存続させる

──D-YAMAさんは現在ご自宅で仕事されているのでしょうか?

D-YAMA:はい。クラブはどうしてもいま槍玉にあげられやすい状況なので、代表自らが極力店に行かないことでスタンスを示しています。お店にはスタッフ2名が交代で行って作業するだけにしています。

──最近はラジオ番組の収録スタジオとしても利用されているとか。

D-YAMA:そうなんです。うちはクラブとして広いスペースがあるだけでなく、専用の光回線を引いているので回線速度も早いし、路面店なのでしっかりと換気できるんですよ。そういうポイントをTBSスタジオさんにお伝えしたところ、ラジオ局のスタジオはとても“密”な状況なので「換気できて光回線でラジオ配信ができる環境が整っている方がいい」とライムスターの宇多丸さんがパーソナリティを務める『アフター6ジャンクション』という番組で使っていただけるようになりました。

これからMOGRAとしては、Twitchの番組のコンサルやディレクションを全部やりながら、配信機材やスタジオに関しても「MOGRAを使えますよ」という形での運用をしようと思っています。クラブというよりはスタジオのようなかたちになっていくと思います。

──「家賃が発生する場所を借りて、お客さんを集める」というビジネスは、これから先厳しいのでしょうか。

D-YAMA:今後、5Gが安定してネット回線が強くなり、家庭にあるシステムも進化していくことを考えると、「ライブなんてネットで良い」という人が増え、コロナ収束後もわざわざ現場に行くことに意味を見出す人は少なくなるんじゃないかと思います。僕個人としては新しいものが大好きなので、そうなったらそうなったで新しい仕事の仕方を見つけようと思っています。

ただ、僕らの思想として一番大事なのは「MOGRAは、聖地としての場所がないと成立しない」と思っているところなんです。あの場所に、少人数だとしても実際に人が集まって、MOGRAブランドを発信する。それがリアルでもネットでも全てにつながってきたし、これからもそうだと思うんです。だから、どんなに高い家賃でもあそこは払い続けますね。リアルなMOGRAがあるからこその信用があり、ブランドがあるので。

コロナが終わった後、社会がどういう状況になるのかは想像できません。でも、保健所や行政としっかり手を組んで、もし人数が指定されるのであればその規定を必ず守り、場合によっては保健所の方に同席してもらったりしてでもクラブとしての営業はするつもりです。簡易検査キットが作られるようなら、IDチェックのようにウイルスチェックをしてもらうことになるかもしれませんね。

──ネットをリアルに持ち込んだようなスタイルがMOGRAの魅力でもありましたが、ネットオンリーにはしないということですね。

D-YAMA:物事って、相反する何かがある方が価値が生まれると思うんです。「Music Unity 2020」みたいな動きが強まれば強まるほど、「現場に行きたい」という欲求も増えるはずですし、絶対にリアルな場所は消えることはないと思っています。

──なるほど。その通りだと多います。

ただ、その前に僕らの会社が消える可能性は全然あるので、そこをどうやるのかは自分たちで頭を捻って考えないといけないですね。

自宅での仕事。おともは『あつまれ どうぶつの森』

──リモートワークが増えている状況ですし、話題をD-YAMAさんの自宅でのお仕事に戻したいのですが、現在は企画立案やそのための連絡を中心に過ごされているのでしょうか?

D-YAMA:いや、ほとんど『どうぶつの森』しかしてないです(笑)。

──(笑)。

D-YAMA:本当にずっと『どうぶつの森』を開いていて、ゲームしながら仕事の電話や連絡をしています(笑)。その間に思いついたものを走り書きでメモしておいて、夜にお酒を飲みながらガッとまとめるような感じですね。

──でも、本当に『どうぶつの森』はこの時期に発売してくれてよかったタイトルだと思います。

D-YAMA:ユーザーの心を癒しますからね。それに、毎日家にいながらも新しいことが起こることって『どうぶつの森』くらいしかないんですよ。なので本当にインスピレーションのきっかけになっています。

──僕も最近は『ファイナルファンタジーVII リメイク』をプレイしているんですけど、こうした状況下ではゲームは良い意味で現実逃避になると感じています。

D-YAMA:本当にそうなんですよ。ゲームがないと脳が持たないですよ。

──Twitterとか見てても、些細なことでの誤解や揉め事が増えている気がしますし。

D-YAMA:今のSNSに関しては、ちょっとでもムッとした経験がある人は開かない方がいいですよ。最近はとにかく何かを叩いて精神安定を保っているみたいな人が多い印象ですから。そこで揉めて疲弊したり悲しんだりするくらいなら、おとなしく『どうぶつの森』をやって、窓の外を見ながら酒飲んで新しいことについて考えている方が、全然前向きだと思います。

──この状況下では、精神状態を保つことは重要になってきますよね。

D-YAMA:それこそさっき新しく買ったものについて話しましたけど、買い物ってストレス解消になるし「自宅で配信を始めてみよう」とか「新しい仕事環境を作ろう」っていうのも、すごく良いことだと思いますね。


先の見えない社会状況の中、決して悲観に溺れることなく着実に現実を動かし続けているD-YAMAさんの姿はとても頼もしく感じられました。

マイペースにゲームをプレイしながらも、バラバラに点在している各クラブやアーティストを繋ぎ、それぞれの場所からムーブメントを作っていく。これもまた新しい活動スタイルのひとつとなるのかもしれません。

今後の「Music Unity 2020」につながるアイデア、募集してます

引き続き「Music Unity 2020」では、さまざまなアイデアを募集中。D-YAMAさんいわく「インプットをいただければ、いくらでもこちらでアイデアを作れると思います。どんなものでもいいので、ぜひ気軽にご連絡いただけるとうれしいです」とのこと。

MOGRAが保有している音楽、場所、機材、人脈、配信技術を組み合わせて、あなたのアイデアを今後の「Music Unity 2020」で形にできるかもしれません。「Music Unity 2020」に参加したい小売業者や、「こんなことできませんか?」という考えをお持ちのクラブやアーティスト、企業のみなさん、ぜひTwitterから連絡してみてください。

そして、次回、第三回目の開催情報も解禁になりました。こちらの開催についても、随時協賛企業を募集しているそうですよ。

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Music Unity 2020

日時:2020年5月16日(土)15:00〜翌1時
協賛:大和川酒造、Pioneer DJ、配信技研

厳しい状況なのは間違いありません。しかし、新しいカルチャー、エンターテインメント、ビジネスを作るチャンスは、まだまだあるはずです。

Edit: Sachiko.T(GIZMODO)

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