Motorola Edge+レビュー:こんなに高スペックなのに興奮しないのはなぜ?

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Motorola Edge+レビュー:こんなに高スペックなのに興奮しないのはなぜ?
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

性能は良いだけに、実に惜しい!

Motorola(モトローラ)がフラッグシップ機を出さなくなってしばらく経ちましたが、今回ついにハイエンドモデルを出すということで、期待していた方も多いかと思います。しかし、長くハイエンドから遠ざかっていたからか、今回はちょっと残念だった模様。スペックは十分なだけに、色々と惜しい部分があったようです。米GizmodoのSam Rutherford氏がレビューします。


パッと見たスペックだけでいうと、Edge+はMotoシリーズのフラッグシップ機として歓迎したい内容です。Galaxy S20+より200ドル(約2万1000円)安くて、ほぼ同じ性能が手に入るのです。6.7インチOLED、Snapdragon 865チップ、12GBのRAM(Samsungより4GB増しです)、それに5Gに完全に対応しています。さらに、便利なヘッドホンジャックや高画質の108MPメインカメラに、巨大な5,000mAhのバッテリーを搭載しているのです。

しかし、ハイエンドのスマホから離れて数年の間に、Motorolaはプレミアム機をどうやって洗練させるのかを忘れてしまったようです。しかもEdge+がVerizon限定だということを考えると、Edge+は良いスマホではあるものの、魅力に乏しいと言えます。

Moto Edge+

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

これは何?:Motorolaの数年ぶりのハイエンドスマホ

価格:約1,000ドル(約10万7000円)

好きなところ:すばらしいスペックとパフォーマンス、大容量バッテリー、フル5G対応、ヘッドホンジャック、音量の大きいスピーカー

好きじゃないところ:イマイチなデザイン、暗所での当たり外れが大きいカメラ性能、煩わしいカタカタ、暗所でのディスプレイの画質、洗練さに欠ける

パフォーマンスは怪物

まず、良いところから始めましょう。パフォーマンスに関して言えば、Edge+は化け物です。12GBのRAMは大抵の人には手に余るくらいで、アプリやゲームを複数マルチタスクさせても、Edgeはものともしません。ベンチマークテストをすると、多くのカテゴリでEdge+はOnePlus 8 Proに5パーセントから10パーセントの差をつけて勝ちました。OnePlusの過去数年間一番のウリが動作のスピードとスムーズさであることを考えると、これはかなりの偉業です。また、Edge+はストレージがスタンダードで256GBなので、写真、動画などを大量に詰め込むことができます。ただしトレードオフとして、S20+にあるようなmicroSDカードスロットは搭載していません。

一方、Edge+のディスプレイが持つ90Hzのリフレッシュレートは、スタンダードな60Hzと、SamsungやOnePlusなどが使う120Hzの程よい中間のスペックです。90Hzのリフレッシュレートということは、60Hzよりも少しスムーズ。アプリの開く瞬間のアニメーションや、ウェブブラウジングしていてテキストが流れて行く様子を比べると違いがわかります。Motoの6.7インチOLEDディスプレイは、普通のコンディションなら実にカラフルなイメージを提供してくれます。ただ、明るさのピークが495nitsなのは、もう少し改善できたと思いますが。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

Edge+の90Hzディスプレイは、120Hzより電力消費が少なく、5,000mAhのバッテリーと相まってバッテリー持ちにつながります。米Gizmodoの電池耐久力テストでは、17時間18分という結果を出しました。これは今まで試してスマホの中で最長の記録です。

また、Edge+には技術的に先取りしている部分もあり、Verizonが現在展開しているmmWave 5Gネットワークだけでなく、これからロールアウト予定のSub-6Ghzにも対応しています。私の家から数ブロック先で、いくつかmmWave 5Gネットワークの地域を発見したのですが、ダウンロードの速度は500Mbpsを記録しました。これは一般的な4G LTEの10倍の速度です。最近5Gのエリアが増えてきたのはうれしいのですが、mmWave 5Gは未だ壁などの障害物に弱いので、主に使えるのは外だけとなります。なので、思ったよりもそのスピードを発揮するシーンは少ないです。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

Motorolaによると、Edge+のデュアルスピーカーは今までのスマホで最も大音量だとの事です。ただ、私は世の中すべてのスマホを持っているわけではないので、それは確認できませんでした。ただ、音量が大きいのは確かです。ただ、残念ながら、せっかくの音量の大きさも音質が普通すぎる事で帳消しになってしまいます。私の趣味には、この携帯の音はスカスカというか浅い印象なのです。Edge+の方が若干音量は大きいかもしれませんが、Galaxy S20+に圧勝しているとは思いません。とはいえ、Edge+にはヘッドホンジャックがあります。LG V60を除けば、最早ほとんどのハイエンド機には存在しないものです。自宅隔離中の身としては、密閉型の有線ヘッドホンを繋げて、うるさい雑音を完全にシャットアウトするのにはかなり便利でした。

でも、好きになれない

では、なぜ私はこのスマホが好きになれないのか? 大きな問題は、日常的に使った時の感触や機能です。例えば、ホーム画面で下から上にスワイプすると、アプリのドロワーではなく最近使ったアプリが表示されることが多いです。Edge+はほぼ標準のAndroid UIを採用していることを考えると奇妙な現象です。これを回避するには、画面の一番下ではなく、それよりやや上、アプリアイコンの一番下の列あたりからスワイプするよう気を使わないといけません。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

しかし、もっとぎこちないのはそのデザインです。背面の巨大なカメラモジュールのおかげで、平らな表面に置いて画面をタップすると、脚の長さがあっていないテーブルのように揺れてしまいます。また、Edge+を振るとカタカタと音がなります。これはスマホの光学スタビライザのボールベアリングが原因です。Motoによると、カタカタ音はスマホをキズつけたりはしないそうですが、新車のドアハンドルがゆるい時のように、新しい携帯を買った喜びが若干冷めてしまうかもしれません。

それだけでなく、ボディの外側を囲み、フロントと背面のガラスを繋いでいる鉄のバンドがかなり出っ張っており、巨大なバッテリーも相まって、Galaxy S20+よりも手に収まりが悪く、使いにくく感じます。さらに、Motoのエッジスクリーン「Endless Edge」はそこまで問題はありませんが、いくつかのアプリでは不便なこともありました。

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MotoのEndless Edgeディスプレイは、UI要素がスクリーンの横に流れてしまうとイライラすることも。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

米Gizmodoのモバイル版では、上部のナビゲーションの一部がカーブに流れてしまい、例えばEartherを見たい場合(ぜひ見てください)、スクリーンの横をタップしなければなりません。例えUIがエッジにはみ出さなくても、画面のカーブがかなり画像を歪めてしまいます。あと、たまにEdge+がランドスケープモードから抜け出せなくなり、スクリーンをひたすらスワイプしたり手でこすらないと戻らないことがありました。原因はいまだに分かりませんが、最近使ったAndroidスマホではあまり見たことがない現象です。

Endless Edgeの意味は?

MotoはどうにかEndless Edgeを有効活用するため、通知(SMSなど)の際や、充電の時に携帯の横が光るようにしていて、実際これはクールです。ただ、そのくらいはSamsungも何年もやっているし、携帯のエッジをゲーム中にバーチャルボタンとして使える以外、イノベーションと呼べそうなものはありませんでした。

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背景の色が上と下で違うのと、緑がかっているのがわかりますか?ハイエンド機ではあってはならないことです。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

ちなみに、Endless Edgeは携帯のディスプレイ設定から簡単にオフにできます。また、電池が少なくなってくると、Edge+は節約のために自動的にEndless Edgeをオフにします。ここで疑問なのは、エッジがこのスマホの一番の売りのはずなのに、それをわざわざオフにしてしまうなら、そもそも意味があるのでしょうか?

スクリーンに関してもう一つストレスがたまるのは、暗い部屋で輝度を1番暗くして見た時です。すると、スクリーンの黒い部分のトーンが潰れ、やや緑がかって画面の粒子が荒く見えるのです。また、携帯に備わっているダークモードをオンにして設定のメニューを見てみると、携帯が画面全体の背景の色を統一するのに苦戦しているのが分かります。こういう問題は、ハイエンド機では本来あってはならないものです。

メジャーアップデートは一度だけ?

しかし、何よりもストレスなのは、MotoがEdge+に関してAndroid 11以上のアップグレード対応をしっかり約束できないことです。以下がMotoのコメントです:

我々は、カスタマーにとって有益であると判断する限り頻繁にソフトウェアアップデートに対応していきます。Edgeのユーザーには2ヶ月ごとにセキュリティアップデートを行ない、今年にはAndroid 11にアップデートする予定です。さらに、新機能の追加やユーザーからの要望に速く応えるため、Play Storeを通したアップデートも検討しています。

安価な携帯なら悪くないコミットメントですが、フラッグシップ機であるなら、メジャーアップデートは最低でも2回行なうべきです。こればかりは譲れません。

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Edge+独自のフォトモード、スポーツカラーなどは楽しいのですが、特別ウリとはならないでしょう。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

当たり外れの大きいカメラ

カメラに関しては、Edge+は当たり外れが大きいです。明るい場所では、シャープで高画質、あまり文句の付け所がない写真を撮れます。ピクセルの細かいところまで見るのが好きな人は、Edge+のフル108MPセンサーで撮影すれば、とても高解像度な写真が撮影できます。それ以外の場合はピクセルビニング(複数の画素を1画素とみなす技術)を行なうことで画質を上げており、デフォルトでは25MPですが、それでもほとんどの競合機の倍の解像度です。

ただ、写真をじっくり見てみると、Galaxy S20+ほど色に鮮度がなく、パッとしないことに気づくと思います。それと、日中の写真に関しては私はPixel 4の方が好みです。Googleはホワイトバランスとコントラストの調整に秀でています。とはいえ、カメラのクオリティに関してMotoがかなり進歩したのは間違いありません。

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Edge+の写真もいいのですが、Pixel 4の方がコントラストが良く、色もややリッチです。ちなみに、Edge+の写真は25MPのままだと比較しにくいので、12MPまでクロップしてあります。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)
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S20+の方が色が鮮やかですが、Edge+もシャープでディテールが細かい写真です。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)
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こちらも、カジュアルな写真家にはS20+の写真の方が魅力的です。
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日中では、Edge+の高画素センサーとより優秀なホワイトバランスが、OnePlus 8 Proに差をつけています。
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ナイトビジョンなしでは、Edge+は暗所で苦戦します。
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こちらの比較では、Edge+はかなりしっかりとした写真になり、文句のつけようがあまりありません。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)
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Googleの夜間モードには勝てませんが、ホワイトバランスでミスした以外では、Edge+のナイトビジョンモードもかなりGood
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

残念ながら、暗所ではEdge+は微妙です。ナイトビジョンモードをオフにしていると、Edge+の写真はかなりガッカリな出来でした。OnePlus 8 Proと比較してみると、どちらもボヤけてディテールに欠いており、どちらの方が酷いかの勝負になってしまいました。基本、夜は必ずナイトビジョンをオンにしないと、撮った写真でかなり落胆することになると思います。

スマホ自身も頻繁に勧めてくるように、ナイトビジョンをオンにすると写真の出来が一気に良くなります。家の近くの壁画を撮ってみると、S20+にも余裕でついてくる写真が撮れました。両者の僅かな違いはホワイトバランスだけです。Pixel XL 4と比較するためにロウソクだけを付けた写真を撮ってみても、Edge+は負けていませんでした。Motorolaによると、同社はEdge+のHDR処理にかなりこだわったようで、それは写真にも見てとれます。どの写真も陰のディテールをしっかり残しながら、しっかりとダイナミックレンジが効いていました。

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ハイエンドモデルにヘッドホンジャックなんて、誰が思いついたでしょう。
Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

良いスマホなんだけど...

Edge+が非常にもどかしいのは、上で挙げたような問題がありながらもスペック的にはポテンシャルが高いからです。しかしMotoにとって問題なのは、速くてパワフルで、悪くないカメラに90Hzのスクリーンが欲しいなら、OnePlus 8が既にVerizonにあり、300ドル(約3万2千円)安いということです。それで失うものといえば、ヘッドホンジャックに3倍の望遠レンズくらい。パフォーマンスにこだわらないなら、Pixel 4はさらに安いのです。そうなると、Edge+を売り込むのは難しいでしょう。

一方、ハイエンド機でいえばGalaxy S20+が現在最高のプレミアムAndroid携帯であることは変わりません。スクリーンはより高画質だし、リフレッシュレートは120Hzです。カメラは特に暗所でより優れています。何より、ハイエンド機に期待する洗練された姿がそこにあります。200ドル高くても、その理由がちゃんと伝わるのです。

結果として、Edge+は厳しい立場に置かれてしまいます。人々が外に出られず、仕事も出来ないような状況で1,000ドルのスマホを出してしまいましたが、Motorolaが悪いわけではありません。デザインを始めた1、2年前にはCOVID-19の存在など予想も出来なかったでしょう。しかし、ハイエンドモデルへの帰還だと騒ぐなら、全力を出してトップに並べるようにしなければなりません。最大のライバルより200ドル安くても、Edge+には興奮できるような洗練さが欠けています。

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Photo: Sam Rutherford (Gizmodo)

README

・過去のMotorolaスマホがそうであるように、Edge+も便利なMoto Actionsを搭載している。たとえば手首を軽くひねるだけでカメラを起動できる。

・Edge+の光学ディスプレイ内指紋リーダーは大体の場合問題ないが、たまに認識に失敗する。

・電池の持久時間は完璧。さらにケーブル式充電、ワイヤレス充電、ワイヤレス逆充電も完備。

・Edge+が本当に魅力的になるには、あともう少し値下げが必要。

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