シベリアの山火事は宮城と福島を合わせた土地を燃やし尽くした。新型コロナと温暖化が追いうち

  • author Brian Kahn - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
シベリアの山火事は宮城と福島を合わせた土地を燃やし尽くした。新型コロナと温暖化が追いうち
Image: Earther Gizmodo US

冬はなくなり、春は夏になり。暑さと乾燥した空気は、火にとってまるで水を得た魚のそうなもの。そこに新型コロナウイルスまで加わったら、つらみしかない…。

今、北半球の季節は花が咲き緑が芽吹く穏やかな春。のはずですが、気候変動が急速に進む時代にあって、ロシアは怪物のような業火にさらされています。おまけに、新型コロナウイルスの大流行によるさまざまな要因が重なって、森林火災はさらに深刻なものになってしまったようですよ。

シベリアで宮城県と福島県を足したくらいの田園地帯が燃えている

2020年はロシアにとってつらい年になっています。ロシアにおける冬の平均気温は観測史上最高を記録し、モスクワでは冬がどこかにいっちゃいました。春になっても暑さは衰えず、今はシベリアの田園地帯に火災が広がっています。シベリアン・タイムズによると、エフゲニー・ジニチェフ非常事態相は現状を「危機的状況」と呼んでいるそうです。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの地理学者であるトーマス・スミス氏は、ロシアでは約500万エーカー(約2万平方キロメートル)の森林と草原が燃えているとEartherに語っています。日本でたとえると、だいたい宮城県と福島県を足したくらいの面積が燃えていることになります。

何百もの建物が全焼し、空が煙に覆われ、息をするのも大変な現状は「危機的状況」どころじゃないと思うのですが…。

火災の原因は人間でも、温暖化によって激化している

火災の発生原因はというと、多くが人為的なもののようですが、極端な暑さが森林火災を激化させています。冬が暖かくなると、せっかく積もった雪が急速にとけてしまい、植物や土壌はより乾燥してしまいます。4月から5月にかけての気温も異常に高かったのだとか。5月初旬の数日間は気温が平年を20度も上回ったらしく、よくないことにすぐに事態がおさまる気配はなさそうです。それにしても平年を20度上回るっていったい…。

悲しいことに、こんな衝撃的な現象がいまではもう一時的なものではない「傾向」になっています。北極圏を覆う北方林が燃え広がる速さは、ここ1万年で最速なんだそうです。気温上昇が森林を乾燥させて燃やし、火災が拡大しやすい環境を作り出しています。それによって二酸化炭素が大気中に放出され、地球をさらに温暖化させることで、大規模な火災の発生をより確実なものにします。こんなループ最悪じゃないですか…。

新型コロナが森林火災を深刻化させる

悪いことは重なるもので、コロナウイルス対策で起きたロックダウンがさらに悪化しているかもしれないそうです。

3月末にモスクワを中心にはじまったロシアの封鎖は、その後全国に広がって5月11日まで延長されましたが、安心できる環境を求めて田舎に向かった多くの市民が火災予防規制を無視してしまったみたいなんです。さらに悪いことに、景気の減速によってこの危機的状況に立ち向かうための資金集めが難しくなっています。新型コロナ、どこにでも顔を出しすぎかよ。

シベリアで起こっているのは、未来の予告編

私たちが目にしているシベリアの森林火災は、これから世界のいたる所で起こることの予告編のようなものです。乾季が始まろうとしているアマゾンでの火災シーズンは、あんなにひどかった昨年よりも悪いものになるかもしれないそうです。北米の西部にも、森林火災の季節はすぐそこに迫っています。特にカリフォルニア州では、冬の降水量が平年の半分以下しかなかったため、深刻な事態に直面する可能性があります。

気候変動だけでも森林火災は複雑になってきているのに、ここにきてコロナウイルスが追い討ちをかけてしまったら、手の施しようがなくなるかもしれません。


北半球ではじまるのは、森林火災シーズンだけではありません。森林火災と同様に気候変動の影響を受けるハリケーンや台風のシーズンも、すぐそこまで迫っています。人間の生活域で極端な気象現象が発生すると、その影響を逃れるのは不可能に近いですが、準備を怠らなければ被害を最小限に抑えることはできます。

新型コロナで大変な時期ですが、政府や行政には最大限の準備をしてほしいですね。

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