無重力、難しい!
SpaceXから、ブラウザーで訓練できる国際宇宙ステーション(ISS)との合体(ドッキング)シミューレーターが公開されています。これは実際にNASAで導入されたもので、宇宙飛行士たちが有人宇宙船「ドラゴン2」をマニュアル操作するために、地上で練習するのと同じものです。
操縦方法
「ドラゴン2」を動かすには、インターフェイス右下にある十字キーと左右の回転キーをクリックし、ロール/ピッチ/ヨー軸を調節します。同時に左下にある十字キーで上下左右、+とーキーで前後の位置を調節します。どちらもジョイスティックにあたるキーが中央にあるので、これを使ってもOK。ですが微調整程度に動かさないと、コースからどんどん外れていくので注意が必要です。
そしてインターフェイス中央の円(ヘッドアップ・ディスプレイ)の中にある、緑色の数字をすべて0.2以下に保つよう操縦し続け、緑色の5角形の中をくぐるように進むと、ISSとドッキングできるようになっています。また水色の数字は、十字キーの速度率が%で示されます。円内右下の「RATE」はISSへの距離とのことです。ドッキング時はこの数値を-0.2m/s以下に保たないと、ISSに激突するので注意してください。
非常にゆっくりとした操縦なので忍耐力が試されますが…これらを念頭に置いてシミュレーションしてみましょう。
宇宙飛行士もNASA長官もトライ
このシミュレーターは、宇宙飛行士のロバート・ベンケンとダグラス・ハーリー、そしてNASAのジム・ブライデンスタイン長官もトライしています。
Last year I got to try out the @SpaceX#CrewDragon docking simulator with @Astro_Doug and @AstroBehnken. And yes, I nailed it on my first try! Learn more about Crew Dragon’s control systems and custom-made spacesuits: https://t.co/47qRMZXzIE#LaunchAmericapic.twitter.com/Q9fHiGMZoO
— Jim Bridenstine (@JimBridenstine) 2020年5月12日
初挑戦で見事ドッキング成功したとのこと。ちょっと楽しそうな写真ですね。
自律合体できる「ドラゴン2」
「ドラゴン2」は無人テストにて、全自動でドッキングを成功させています。とはいえ、万が一の事態に備えて、宇宙飛行士はマニュアル操作を習得しておく必要があります。
このシミュレーターは、「ドラゴン2」に搭載されているわけですが、NASAの話では宇宙飛行士が宇宙服のグローブをはめたままでタッチパネル操作ができる、とあります。
イースター・エッグもある
INTERESTING ENGINEERINGによりますと、このシミュレーターには平らな地球「フラット・アース」を回転させられる、ちょっとしたお楽しみ要素が隠されているとのこと。「地球平面説」信奉者はニヤリとしそうです。コツはどうやら、ISSから遠ざかるとできるようですが…?
Source: ISS Docking Simulator, YouTube, Twitter, NASA via Futurism, INTERESTING ENGINEERING