【観覧注意】空飛ぶバイク、恐怖のクラッシュ動画。憧れはあるけど、ホバーバイクはやっぱまだ怖いね…

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  • author Andrew Liszewski - Gizmodo US
  • [原文]
  • R.Mitsubori
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【観覧注意】空飛ぶバイク、恐怖のクラッシュ動画。憧れはあるけど、ホバーバイクはやっぱまだ怖いね…
Video: Videokings / YouTube

それでも人は空に憧れる…なんてね。

SF小説に出てくる究極の乗り物といえば、空飛ぶ車やホバーバイクですよね。スターウォーズ的な感じで、街中を颯爽と飛び回ってみたい。いつかきっとそんな日も来るはず…と、あらゆる技術を駆使して研究が続けられていますが、今はまだ技術的に時期尚早のようです。

ロシアのホバーサーフが開発するホバーバイク「スコーピオン(Scorpion)」のデモ飛行で起きた不幸な事故を見たら、きっとあなたも「空飛ぶバイクなんか乗りたくない!」と思うことでしょう。

数年前、ドバイ警察はホバーサーフのテクノロジーへの投資、そしてホバーバイク「スコーピオン」を警察車両のラインナップに追加すると発表しました。まあ、これは警察の捜査能力を高める、というよりはただのPR(自慢?)なのかな、という印象です。いまだテスト段階で、実装には至っていないようです。今のところ。

電気を動力とするスコーピオンは時速40マイル(約64キロ)以上、高度約16フィート(約4.9メートル)で飛行するよう設計されています。それを高度100フィート(30メートル)まで上昇させたとき、事故が起きました

墜落自体はそこまで悲惨な状況ではありませんでした。急降下する機体を、パイロットが必死にコントロールし、落下速度はある程度落ちていたのです。しかし、本当の恐怖はその後に起きました

機体の前部分が浮き上がり、ホバークラフトがパイロットごとひっくり返ってしまったのです。この機体には4つのプロペラがむき出しでついていますから、機体の下敷きになったパイロットは非常に危険な状況に陥りました

それでも、動画のなかでパイロットはすぐに立ち上がりました。腕も足も大きなけがを負うことはなかったのです。まさに、奇跡! 不幸中の幸いでした…。

Videokings / YouTube

空飛ぶバイクは非常に魅力的ですが、こうした不幸な事故が起きてしまうと、我々がホバーバイクで街中を飛び回るなんて、実現するとしてもまだまだ先の話…という気がします。

ホバーバイクの開発に挑むのは、彼らだけではありません。イギリスの発明家、コリン・ファーズ氏もまた、かなり手作り感のあるホバークラフトの実践動画をアップしていますが、これはこれでかなり恐ろしい代物でした。大きな扇風機を自転車に取りつけた感じ。

結局、ホバークラフトは設計に大きな欠陥があるんです。それは、回転プロペラを使って空を飛んでいる、といういわば構造の根本ともいえるところ。

プロペラというのは、離れた場所で安全に運行するドローンなどには向いているのですが、ホバークラフトは人が直接乗って操縦する乗り物です。スコーピオンを見ても、パイロットは4つの回転プロペラのすぐそばに。これは、危険です。

しかも、飛行時間を延ばすには機体を軽量化しなければならずプロペラの周囲には柵もなければ保護カバーもありません。むき出し状態です。最近はバッテリーと電気モーターも効率性が良くなっていますが、着陸する際プロペラに頼らざるを得ない以上、個人が空飛ぶ乗り物を扱うのは大きなリスクを伴います。

だからこそ、空飛ぶ車やバイクは「実用までに2年くらい」の乗り物と言われるわけです。個人用飛行車両を実用化するには、テクノロジーを根本から変える必要があります。一から開発し、試験や改良を経て完成まで至るのに、2年以上はかかります。

グラビティ・インダストリーズなど、人類の夢をかなえる別の選択肢として、小型のジェットエンジンを搭載したスーツ(アイアンマンみたいなやつ)を開発する企業もあります。しかし、こちらのアプローチもまた、燃費の問題で飛行時間が数分に制限されるなど、やはり悪戦苦闘しているようです。まあ、まだ課題はあるようですが、でっかいドローンにまたがるよりはましかも…?

アイアンマンとスターウォーズ、どちらが近い未来なのか…とりあえず2年後を待つことにしましょう!