名前からして、偉大さがハンパない。
今年のWorldwide Developers Conference(WWDC)はとにかく異例ずくめ。すべてオンラインで実施される、というだけではありません。ついにAppleデスクトップのソフトウェアがモバイルOSに追従する日がやってきたようです。今回新たに発表されたmacOSの11バージョン「Big Sur」にはモバイルアプリが数多く搭載され、見た目もかなりiOSやiPad寄りになっています。
その名も、「Big Sur」
これまでもAppleの歴代OSにはアメリカ西海岸をルーツにした名前が付けられてきましたが、macOS 11はカリフォルニアの景勝地にちなんで「Big Sur」と名付けられました。
デザインがiOSっぽく

macOSはリニューアルのたびにソフトウェアの外観や使用感を改良してきました。11では、「Appleデバイスを通じてデザインを統一する」ということで、アプリのアイコンもiOSやiPadOSと共通デザインに一新。透明感と丸みのあるウィンドウや、メニューバー、タイトルバーまで、さらにドロップダウンメニューもより多くのオプションを一度に表示できるようサイズを均一化するなど、大幅に変更が加えられています。
macOS Big SurのDockデザインもiOSとiPadOSに最近追加されたものと非常によく似ていますし、FinderはAppleのモバイルOSの外観と一致するように改良されています。iOSおよびiPadOSで使われているオールインワンクイックメニューともいえるコントロールセンターも実装され、音量調節やWi-Fiの設定がしやすくなりました。
Macの通知センターにもウィジェット強化の波

Big Surの通知センターはより多くの情報を提供するインタラクティブな通知や、重要度に応じて表示サイズを変更できるカスタマイズ可能なウィジェットなど、iOSおよびiPadOS 14で発表された新機能の一部も搭載されています。
メッセージはMemojiに対応

macOS Catalina時代、AppleはユニバーサルなアプリフレームワークであるプロジェクトCatalystを発表。これをすべてのサードパーティのアプリメーカーに公開し、UIKit開発者がiPhone、iPad、Macコンピューターで共通のアプリを開発できるようになりました。初期のケースでは、AppleがボイスメモやポッドキャストなどのモバイルアプリをmacOSに移植しています。11では、iPhoneやiPadよりも堅牢で機能豊富なiMessageが搭載されています。
正直、macOSのメッセージはモバイル版からやや遅れをとっている感じでしたが、今回ようやくMemojiの作成および編集ができるようになったほか、画像ライブラリから写真を選択するフォトピッカーや検索機能、使いやすいアニメーションなどが追加されています。また、新バージョンのメッセージでは、お気に入りの会話をリストの一番上に固定したり、あらゆるデバイス間ですべてを同期したりするなど、最新版のiOSおよびiPadOSのアップグレードの一部も利用できます。
マップは自転車や電気自動車向けに強化

macOSのマップもCatalystのおかげで大幅に改善されており、見た目も機能も向上し、今のiPadやiOSよりも堅牢なバージョンにアップグレードされている感じです。近いうちに自転車用ルートや、電気自動車ドライバー向けルート(充電スポットを経由するなど をプランする機能も搭載される予定です。
Safariは速くてセキュアに。タブプレビュー嬉し!

AppleはSafariのBig Surバージョンについて、「過去最大のアップデート」と銘打ち、改良されたJavascriptのパフォーマンスは、「Chromeよりも少なくとも50%高速」としています。また電力使用量を抑え、バッテリー消費も少ないとのこと。
また、サイトからの追跡などの情報を可視化するプライバシーレポートボタンや、パスワードおよびログイン情報が不正アクセスの危険にさらされた場合のアラートなど、Safariに保存されたパスワードの安全性も向上。
新SafariにはChromeやその他のブラウザに借りたページ翻訳機能など、Mac Appストアで拡張機能を購入することも可能(時間やサイトの制限あり)。タブもフルカラーでファビコン表示されるなど全面的に改良されていて、タブの上にマウスを置くとページのプレビューが表示されるので、タブの海で遭難することもありません。
※2020/06/24 15:00:原文の誤りにより誤記がございましたため、修正しました。