コンピュータがもてる性能を超越…CPUのオーバークロックって?

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コンピュータがもてる性能を超越…CPUのオーバークロックって?
Photo: Alex Cranz (Gizmodo US)

オーバークロックって?

近年ではコンピュータに求められる性能があがり、特にゲームの処理にコンピュータの速さがついていけない!なんてことがよくあります。5年も経てば遅くて最新のゲームがプレイできなくなってしまうことも。メモリ増設してもハードドライブを増やしても速さは変えられません。新しいコンピュータをあえて改造するリスクは負わないほうがいいかもしれませんが、買い換えまでの一時しのぎや、古いコンピュータを活用するなら、オーバークロックにも一考の価値があるかもしれません。米GizmodoのDavid Nieldのレポートです。


コンピュータのオーバークロック…。これって市販されているコンピュータで可能な改造でもっとも充実度が高いものだと思うんですよね。でも知識なくして、すぐにできるものでもありません。ただ、近年オーバークロックがやりやすくなってきているのも確かなこと。それではオーバークロックについて、その手順と知っておきたいことをまとめてみました。

そもそもオーバークロックとは?

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Image: Gizmodo US

「オーバークロック」という言葉になじみがないなら、まず基本的な情報からおさらいするのがよいかもしれません。 オーバークロックとは、いわばコンピュータの司令塔的存在であるCPU( 中央演算処理装置 )にもともと備わっている能力から、それを超えた速度を引き出すことを言います。

ただし、なんでもオーバークロックできるというわけでもありません。プロセッサの中にはアンロックに対応していないものもあるので、アンロックできないものはオーバークロックできません。たとえば、Intelではアンロック対応機種のプロセッサは型番の最後尾に「K」や 「X」 がついてます。一方、全機種アンロックに対応しているAMDは全機種オーバークロックができます

昨今、結構簡単にオーバークロックができるようになってきており、そのやり方も簡単になってきてもいます。オーバークロックにはなにかしらのリスクがつきものなのも事実ですが、注意しながらよく調べてからやれば、リスクは最小に抑えることができます。言い換えれば2020年のオーバークロックは、これまでのような技術的知識も必要でなければ、大上段に構える必要もなくなってきているということ。

オーバークロックをするメリットはシンプルです。期待してのとおり、お金をかけずに現行のコンピュータの速度と能力を高められることにあります。デメリットはCPUに負担がかかるため、熱しやすくなってしまうこと。そのために冷却する必要が生じてしまいます。正しい冷却システムを敷くことができないなら、CPUの寿命は短くなってしまうか、コンピュータの他のコンポーネントに障害が及んでしまいます。また消費電力も増します。

オーバークロックのリスクはもちろん自己責任です。与えられた仕様の範囲内で享受していた安全というコンフォートゾーンから飛び出すのです。オーバークロックにより保証が受けられなくなるかもしれませんので覚悟が必要です。ただ、そのリスクを冒してまでオーバークロックをする価値がある場合もあるのです。

オーバークロックのためのツールキット

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Screenshot: AMD

熱処理と電力のことを考えると、通常オーバークロックするコンピュータはWindowsのデスクトップPCが望ましいです。 もちろんオール・イン・ワンコンピュータやラップトップでできないというわけではありません。もちろんMacでも可能な場合もありますが、あまり推奨はできません。よほど技術的な自信がない限り、やらない方が無難です。

クロック周波数はベースクロックと倍率をかけて導かれます。この数字を上げることにより、CPUの性能を高めることができるようになります。CPUの総合速度はクロックの倍率、またはバス・コア数によって決まります。外部クロックにクロック倍率をかければ、内部のクロックスピードを導くことができます。したがって、外部クロックが100MHzだった場合に、倍率が45xのシステムは、内部クロックは4.5GHzとなります。 ベースクロックの調整によるオーバークロックは細かい調整ができますが、システムの他の場所にも影響がおよぶため難しく、危険です。クロック倍率の設定が高すぎるとコンピュータの起動が妨げられてしまいます。

電圧調整も行なうことができます。これにより高速なCPUをサポートできるようになりますが、これもベースクロックの調整のように、リスクも高くなり、ハードウェアへの永久的ダメージが懸念されるため経験豊かな人にしかお勧めできません。 電圧にオプションがあるのはこのためです。

オーバークロックしやすいCPUが必要なのは言うまでもありませんが、マザーボードも必要です。付属の冷却システムだと通常のスピードで生成される熱にしか対処できないため、アフターマーケット用のCPU冷却が通常必要です。どんな冷却器が必要かはプロセッサの速度とどのくらい速くしたいのかにより異なります。電源供給も大きくする必要があります。ですので、システムを一から構築するのでなければ、オーバークロックするには筐体を開く必要があると考えてよいでしょう。

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Screenshot: Gizmodo

UEFI BIOS(バイオス)を使用すればオーバークロックも楽ちんです。コンピュータのマザーボードにあるWindows(やLinux)を支えるUEFI BIOS設定ではオーバークロックの機能についてのオプション設定ができます。その後スピードを調整し、Windowsの安定性とCPUの温度を確認、必要な残りの調整を行ないます。

UEFI BIOSでオーバークロック機能にアクセスできない場合は、IntelのExtreme Tuning UtilityかAMDの Ryzen Masterを使えばWindows上でオーバークロックを行なうことができます。またはPrime95Nzxt Cam といったプログラムでもコンピュータのストレステストができ、オーバークロックのレベルが負荷をかけすぎていないかを確認することができます。

オーバークロックに対応していれば、CPUやマザーボードのメーカーを問わず使えるアプリもあります。クロックスピードの他にも監視したいものがあれば、HWMonitor Proならすべてのコンポーネントの温度だけでなく、電圧レベル、コアごとのクロックスピードを監視しながら、パフォーマンスを記録できます。

一からシステムを構築するなら、オーバークロック用に設計されたコンポーネントを組み合わせることができるため、既存のシステムをいじるよりもずっと幅広いオプションを選べます

あと、実はグラボ(GPU)もオーバークロックできるんです。MSI AfterburnerAsus GPU Tweakといったプログラムで、グラフィックカードのプロセッサがどのくらいの速度で動作するかを制御できます。メモリとプロセッサの速度を調整し、温度の変化を監するといった流れです。あまりやりすぎると視覚的な障害がでたり、システムがクラッシュしたりします。これはWindowsで調整する必要がありますが、CPUのオーバークロックはWindowsでもUEFI BIOSでも可能です

アドバイスを探す

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Image: Gizmodo US

ここまでは、おおざっぱにオーバークロックの仕組みについて見てきました。GPU、CPU、マザーボード、システム設定といろんな設定があり、それらをよく知る必要があります。オーバークロックが可能なGPUとCPUを見つけることから始めましょう。

最近ではインターネットに膨大な情報がありますので、情報に困ることはないでしょう。オーバークロックする人たちが集うコミュニティもあり、みなフレンドリーにいろいろ教えてくれます。ハードウェアについても安全にオーバークロックできるCPUやGPUについての情報はたくさんあります。ここにあげたソフトウェア以外にも、いろいろ見つかるでしょう。

できるだけ自分と同じコンポーネントを使った人の情報を参考にするとよいでしょう。他の人がどんな設定や構成にしているのかも参考になります。あなたが考えているオーバークロック構成は他の誰も今までやったことがないと思っていても、似たような構成をしたことがある人の情報に行き当たることもあります。

なかでもLinus Tech TipsのフォーラムやTom’s Hardwareのフォーラム、RedditのR/overclockingコミュはヒントを探すのに最適な場です。質問すれば常連さんがやさしく答えてくれるでしょう。専門用語が難しくても、掲示板の会話を見ていれば、やがて何を言っているのかわかるようになると思います。少なくとも、他の人がやってることや使っているソフトウェアを見て参考にできるはずです。

GPUやCPU、マザーボードについてくるソフトウェアにはさまざまなものがあります。その中にはオーバークロックに関連するオプションもあり、付属文書をよく読めばヒントがたくさん書いてあります。 新しくPCを組み立てるなら、オーバークロックを念頭に置いた構成材を選べるためオーバークロックは難しくありませんが少し高くつくかもしれません。でも未来の自分にオーバークロックの選択肢を残せます。いま使っているコンピュータをオーバークロックして性能向上したい場合は、手段がすこし限られていますが、一考の余地ありです。

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