気候変動で緑色に変わった南極大陸の雪が、温暖化を加速させるかも

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  • author Dharna Noor - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
気候変動で緑色に変わった南極大陸の雪が、温暖化を加速させるかも
Image: Earther Gizmodo US

グリーンって、地球にやさしいイメージがありますよね。温暖化が進むと地球が壊れていくダークな光景が浮かんできますけど、地球には環境にやさしい色になった場所もあるみたいですよ。なんでも、南極大陸沿岸の雪が、文字通りグリーンに変わっちゃったのだとか。

温暖化で雪が緑色に

ネイチャー・コミュニケーションズ誌に発表された論文によると、研究チームが欧州宇宙機関 (ESA) によって2017年から2019年にかけて撮影された衛星画像と、南極のライダー湾、アデレード島、フィルデス半島、キング・ジョージ島で観測したデータを比較して、南極半島ではじめて緑色の雪が発見された地域を地図化したそうです。

Video: Cambridge University/YouTube

研究を率いたケンブリッジ大学植物科学科のMatt Davey教授は、メールでEartherにこう語っています。

宇宙からでもよく見えるこの花に注目して調査したところ、雪面で1,679個の緑藻類の花を見つけました。

暖かくなるにつれて、南極の雪面では藻類の胞子が発芽します。緑は宇宙から最も見つけやすい色みたいなんですけど、藻類は雪をオレンジに変化させたりもします。緑の花は、主に南極の海岸線周辺、特に南極半島の西海岸に沿った島々で発生していたようです。南極半島は気候危機によって南極大陸で最も温暖化が進んでいて、半島の西部はその中でも特に気温が上昇している地域のひとつなんですよね。藻類はそんな環境の中で、雪解け水の流れに乗って成長していきます。

ペンギンやアザラシの糞でも雪が緑に

また、野生生物が生息している地域では、動物の糞によって藻類が繁殖して、雪が緑色になることもわかったとのこと。研究チームが地図化した花の60%以上は、ペンギンのコロニーやアザラシがのんびり過ごしている海岸から3マイル(約4.8km)以内で発見されました。

温暖化で緑の藻は増えそう。で、増えると温暖化しそう

気候危機が進行すると、緑の雪のパターンも変化すると思われます。緑の雪の3分の2近くは、小さな低地の島で見つかりました。南極半島が暑くなるにつれて、いくつかの島々では夏の降雪量が減ってしまうため、氷雪藻も一緒になくなっちゃうかもしれません。でも、ここで減った分は、半島の北部や南シェトランド諸島での大規模な開花で帳消しになって、トータルでみると藻類が増える可能性が高いらしいですよ。

緑の雪がどんな影響をもたらすかは今のところよくわからないみたいです。藻類は大気から炭素を吸収するので、温暖化抑制に役立つかもしれません。なんでも、車が100万マイル(160万km)の走るために排出する量と同じくらいの炭素を大気から除去できるんですって。やるじゃん緑雪、と思ったら、大気中にあるすべての炭素の量と比べると、その影響はとても小さいとのこと。ぬか喜びに終わる…。

前出のDavey氏も「人間が排出した余剰分の二酸化炭素を取り除くには、この花だけでは全然足りません」と述べています。

どっちかというと、緑の雪は問題の方が多いかもしれません。グリーンランドで行われ雪原藻類研究では、雪が吸収する日光と熱の量を増加させ、氷を早くとかしてしまうことがわかっています。よろしくないことに、南極では過去10年間で3倍の氷が失われています。氷がとければ海面が上昇して、沿岸部に押し寄せる可能性があります。というわけで、緑の雪はかき氷のように涼しげに見えますが、思ったよりも良いものではないかもしれないですね…。

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