まだ夏にもなっていない北極で26度って、おーい…。

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  • author Brian Kahn - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
まだ夏にもなっていない北極で26度って、おーい…。
Image: Climate Change Institute

新しい普通なのか。それとも新しい異常なのか。

本来記事というのはタイトルを補足するものなのですが、この記事はタイトルがすべて的なことになっちゃってます。なんと、夏になる前に北極圏の気温が25度を超えました!

ロシアのシベリア地方では気温が30度に到達。隣接するカラ海の海氷は、5月としては観測史上最も溶けてしまう事態に。そして、北極圏のあちこちが燃えています。もう異常気象のオンパレードです。

北極圏の暑さが異常

まずは北極圏の暑さからはじめましょうか。フィンランド気象研究所のミカ・ランタネン研究員がつくった、シベリア西部の猛暑を示す地図を見てみましょう。この地域が北極で爆発的に広がった熱波の中心地になりました。気候モデルによると、この暑さが続くことはないものの、平年よりもかなり暖かいまま推移しそうです。

ランタネン氏はTwitterのダイレクトメールでEartherにこう述べています。

熱波の主な原因は、晴天が続く大気の流れをを可能にするオメガ(Ω)の形をした高気圧が上空に広がっていることです。しかし、最も注目すべき点は、この地域が冬に記録的な暖かさだったことです。雪が降らなかったために、雪を溶かすために使われるはずだった熱が気温を上昇させていると考えられます。

燃え広がる森林火災

陸地では、森林火災が広がり続けているみたいです。衛星監視の専門家であるピエール・マルクス氏は、北極圏で起こっている一連のへんてこりんな火災に注目してきました。記録によると、火災のほとんどは積雪量が少ないうえにかなり暑くなっているシベリア東部で発生しているのだとか。網の目のように走る川や、雪が積もっている場所のすぐ近くで火災が起こっている状況は、まさに現在の気候不安定化時代を表しているといえます。

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Image: Pierre Markuse (Flicker)

溶け続ける海氷

気候変動の影響が陸地だけにとどまるはずもなく、海洋にも影響が出ちゃっています。シベリア周辺の海域にも温暖化は広がって、カラ海では海氷が激減しています。5月前半はまだゆっくりと溶けていたのですが、その後の暖かい空気が海氷の急激な減少に拍車をかけてしまったようです。本来なら海氷が増えるはずの5月としては、氷の拡大が観測史上最も低いレベルになってしまいました。1980年代の氷の増えようを考えると、どうにもこうにも予想外もいいところ。昔は7月に入ってからじゃないと、カラ海の海氷は溶けなかったんですよ…。

北極の他の海域でも海氷は減っています。カラ海みたいに記録的なレベルではありませんけど、ベーリング海とバレンツ海の海氷面積はいずれも、この時期としては最小レベルでした。

これが今年に限った話じゃないという悲しい事実

これらの影響は、北極圏全体で繰り返し確認されている気候変動の脅威です。昨年の夏は、スウェーデンの北極圏で気温が35度近くまで上昇しました。同じく昨年の夏、地球最北端の集落では気温が21度を超えました。グリーンランドは氷が溶けるわ、燃えるわでえらいことに。しかもこれらは昨年起きたことのほんの一部でしかなくて、同じようなことが2018年にも2017年にも起こっています。いったいこれがなにを意味するのかは、言わずもがなですよね。

正直な話をすると、こういう記事を書くのはもううんざりなんですよ。北極の気温は、地球の他の地域と比べると2倍の速さで上昇していて、北極圏で起こっていることはまったく前例がないんです。あまりにもひどいことが容赦なく起こり続けるものだから、そのひどさをどうやって説明し続ければいいのか途方に暮れてしまいます。平年を上回る気温もしばらくすると平年並みに感じられるようになって、記録も次から次に破られるので「観測史上最も~な記録」という言葉も軽くなるばかりです。

それでも、北極圏で起こっていることは異常です。記録的な異常気象ばかり起こり続けて意味がわからなくなってきても、わたしは記事を書き続けますよ。だって、世界が足並みを揃えて二酸化炭素排出量を削減するために必要なサインであることに変わりありませんから。

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