今や会議もコレ、だそうです。
デフォルトになっているかどうかはさておき、先日ロックダウンが解除されてフランス人の起業家の友達と久々に会ったときに、最近の会議じゃあVRを使うのが彼の中では当たり前になってきているという話になりました。まさに「ニューノーマル」ですね。
残念ながら彼が使っているのはHPの機器ではなかったのですが、製品のプロトタイプなんかについて話し合うのもVRが都合がいいんだとか。一介の翻訳者でしかない私にとってはせいぜいZOOMがニューノーマルくらいで、VRはまだまだ未知の世界ではありますが、業界にしてみれば、まるで実際に手に取るようにして製品について説明したりするのには都合がよいのかもしれませんね。これでボクシングの練習もするんだとか。
さて、それでは第二世代のHPのヘッドマウントディスプレイ(HMD)HP Reverbについての米ギズモードの記事をご覧ください。
ビジネスシーンと家庭の両方がターゲット
第一世代のHP Reverbは、昨年HP(ヒューレット・パッカード)が打ち出した、当時解像度は世界最高と銘打ったVR ヘッドセットでした。ただし、販売対象はあくまでも大企業向けで、一般の消費者向けではなかったことが残念な点。
そこで第二世代にあたるReverb G2で、HPはゲーム会社Valve(バルブ)と提携しビジネスシーンでも家庭でも同様に使えるヘッドマウントディスプレイを作ったのです。
ビルトインディスプレイについては片目の解像度がそれぞれ2160 x 2160ピクセルで、視野角が114度という点では、Reverb G2も第一世代と同じだけど、Valveとコラボしたことで大きく変わった点は、新しいレンズの搭載によりコントラストとシャープネスが向上した点でしょうか。さらに、非常に高度な解像度のディスプレイでときどき見られる不完全さや視覚的なアーティファクト(歪みの発生)などのユーザーに認識される「ムラ」の発生を抑えてもいます。

レンズの刷新と新しいスピーカー機能
Reverb G2では、レンズの仕様変更が大きな影響をもたらす結果となりました。第一世代のReverbは高解像度 (片目につき2160 x 2160)のため 、ヘッドセットのディスプレイのひとつひとつのピクセルを認識する能力によって起こる、低い解像度のHMDや古い機種によく見られるようなスクリーンドア効果を防ぐことができています。
しかし、この小さな体にこんだけのピクセルを詰め込むわけですから、高解像度のVRディスプレイだからこその小さなドットが見えるなどの副作用的な影響が見えやすくなってしまうことがマイナス効果となっていました。Reverb G2ではレンズが刷新され、これが解消されています。
HPとValveのコラボはそこまでにとどまりません。新しいレンズに加え、Reverb G2にはValve Indexと同じスピーカー機能が搭載されているのです。新しいスピーカー機能で、これまでになく一貫性がとれた没入感豊かな3Dサウンド体験が可能になったということです。ただし、自分のヘッドホンを使用したい場合は、スピーカーを取り外して自前のヘッドホンを取り付けることができます。

さらに、Reverb G2の目玉機能はコントローラーです。全機種にあったビルトインのタッチパッドはなくなり、使いやすい4つのボタンに。コントローラーの横には機能性アップされたグリップボタンがあり、アナログ入力に対応しています。さらに、HPではReverb G2ではカメラのモーションキャプチャーの性能が1.4倍も向上しています。 これにより、Valve IndexやVive Cosmos Eliteなどのように外部センサや 「Lighthouse」技術を必要とせずに、高いトラッキング機能が得られます。
Reverb G2とValve Indexのどちらにするか迷っている方に伝えたい情報としては、 Reverb G2では公式にIndexのオシャレなコントローラーと特殊なグリップセンサをサポートしていないことがあげられます。でも時間をかけて工夫すれば、 Half-Life: Alyx で使えないことはないです。こういうゲーム用にもってこいなのがHMDなんですね。

新型コロナを意識したふき取りやすい表面
最後に、HPはReverbのデザインにいくつかの変更を施しています。第一世代のReverbの本体を覆っている布製のカバーは、シンプルなマット感のプラスチック製に。これで汚れのふき取りが簡単になっています。また顔にあたるクッションとヘッドバンド部分もReverb G2では長時間着用しても快適なものにアップグレード。Reverb G2ではヒンジも改良されており、ディスプレイが90度開くようになっています。ゲームの最中に用事があって抜ける場合など、仮想世界と現実世界との切替えも素早くスムーズになり、より快適になっています。
Reverb G2で、もっともよいなと思える点は価格かもしれません。Vive Cosmosよりも100ドル安い600ドル(6万4800円)とお得で、 Valve Indexと比較すると400ドルもお安くなっています。もう一度言いますが、Reverb G2はビジネス用途にも使え、家庭でも使えるVR ヘッドセットです。誰でもVRを楽しめる時代がきたのです。

Reverb G2は米国では本日から予約注文可能ですが、実物を手にできるのは2020年の秋ですよ。
最後に、HPではReverb G2の出荷について、初回の製造は限定数量にするとしています。機器の予約注文自体あまりお勧めできるものではありませんので、HPのVRヘッドセットの第二世代を誰よりも早く手にしたい人でも、とりあえずはすぐに飛びつくのは抑えて、Reverb G2の公式リリースを見てからにしたいものです。