警察が使ってるけど、催涙ガス危ないよ、違法にしようよ

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  • author Ed Cara - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
警察が使ってるけど、催涙ガス危ないよ、違法にしようよ
Image: Gettyimages 参考画像であり、記事内容とは直接関係ありません

一般市民に警察が使うって本当に「アリ」なの?

ここ1、2週間のアメリカの抗議デモでよく見られる催涙ガス。実はアメリカでは戦場での催涙ガスの使用は禁止されているのですが、デモ活動に参加する人たちに対して警察は使っています。一応、非殺傷兵器とされていますが、でもやっぱり完全に危ないしょ...。

成分

暴動が起こる際に使用される化学薬品にはいくつか種類がありますが、米国で最も一般的と思われるものは「2-クロロベンジリデンマロノニトリル(2-chlorobenzylidene malononitrile)」で、催涙ガス(CSガス)と称されます。スプレータイプで使用されることもありますが、催涙ガスは実はパウダーなんですが、噴射される際にエアロゾル化します。「催涙」という名前の通り、触れると目に強い痛みを与え、落涙、痙攣、痒みなどの症状を引き起こします。目だけではなく、触れた体の部分すべてに何らかの影響を与える化学薬品です。

引き起こす症状

催涙ガスの健康への影響として挙げられているのは、まず皮膚に触れた場合、赤み、痒み、発疹、みずぶくれを引き起こします。吸い込んだ場合には、咳、窒息、胸の圧迫感などの症状が起こります。目はあまりに多い量に触れた場合、出血、角膜損傷、神経損傷などを引き起こします。

これらの症状は短く、重度にはならないと言われています。でも、これは動物実験や若い健康的な男性への実験からの仮定です。ここ20年の間、世界中で警察が一般市民に向けて催涙ガスが使われ続けているリアルワールドエビデンスとは違うものかもしれません。

長い間政治が安定せずデモが頻繁に起こっているトルコでおこなわれた研究によると、催涙ガスに何度も接触があった人は、接触のない人よりも2倍も多く呼吸系の問題を抱えていることがわかりました。そして慢性的な気管支炎を患うリスクが高いこともわかっています。

催涙ガスの使用で死亡した人や永久損傷を受けた人もたくさんいます。疾病管理予防センターは催涙ガスは喉や肺で重度の火傷を負うことで即死するケースもある言及しています。

ペッパースプレーもまたデモや暴動を抑制するために使われる化学薬品です。こちらも無害とは程遠いもので、やはり、心臓、呼吸器、神経系に影響を与え、死に至るケースもあると言われています。催涙ガスやペッパースプレーで命の危険に晒される人の多くの場合はもともと喘息などの呼吸器系の問題を抱えていてガスが室内で使われた場合です。警察のマニュアルには閉め切られた空間での催涙ガスを使用しないようにと明示されているところもあります。ですが、先週ワシントンDCでペッパースプレーをかけられたデモ参加者を家で保護しようとした男性が警察が家にやってきてスプレーを噴射したと話しています。

感染症にかかるリスクを上げるという指摘

新型コロナウイルスが蔓延する現状で催涙ガスを使用する危険性をカリフォルニア大学サンフランシスコ校の感染症のスペシャリストPeter Chin-Hong氏が米Gizmodoに語り、警告しています。もしコロナに感染した人が催涙ガスをかけられた場合、何が起こるかと言うと、咳が出て飛沫が飛び散り、飛沫感染に至ることになるからです。感染していない人でも催涙ガスを浴びて口や鼻の粘膜が弱くなるとコロナを含む感染症にかかりやすくなるリスクがあるからということです。

ただでさえ大変な時期に、アメリカの警察は催涙ガス使うのやめませんか...。平和的なデモをおこなっている人たちやジャーナリストに対して催涙ガスやペッパースプレーが使われているシーンもSNSなどに挙げられていますし。いくつかの国際条約で戦争で使うことが禁止されている催涙ガスです。なぜ一般市民に向けて使用するのがアリとされているのでしょうか。しかも警察が、デモをしている人たちに向けてです。やめません?

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