未来のソーラーパネルは、両面で、傾いて、太陽光を追いかける!

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未来のソーラーパネルは、両面で、傾いて、太陽光を追いかける!
Image: shutterstock

金銭面だけでなく土地の節約にも!

ここ数年でますます進化を遂げているソーラーパネル。太陽光のエネルギー変換効率は、22%近くまで達しているようです。とはいえ今のところ出回っているソーラーパネルの多くは、太陽光が届くのをじっと待つのみ。でも、もし太陽光に向かってパネルが傾いたり、パネルの両サイドが太陽光の反射もエネルギーに変換できたら...?

どんなソーラーパネルが誕生したのか

ジャーナル「Joule」で公開された最新の研究によると、パネルが片面でなく両面式で、太陽の動きをトラックできるソーラーパネルが誕生したようです。ペロブスカイト太陽電池のようなイノベーションと比べたらシンプルかもしれませんが、太陽エネルギー変換効率を大きく改善することが期待されています。

基本的には、両面式のパネルが太陽の光と、その反射をも捉えることができるようになっています。それと同時に、GPSが太陽の光を捉えるうえで最適な角度を向くように東から西へ軸を傾けることが可能。

現在のところ、じつは両面式のソーラーパネルも、太陽光を追いかけるソーラーパネルも存在しなかったわけではありません。両方の技術を組み合わせたソーラーパネルもありますが、広く商業利用されてはいないようです。ただ、市場の爆発的な成長を予測している専門家の意見もあります。今回の研究は、こうした最新のソーラーパネルの広範な利用が経済的・エネルギー的利点を大きくもたらす可能性を示しています。

コスト効率増への期待

研究者らは、新たに開発されたソーラーパネルのコスト効率を調べるために、NASAの「雲及び地球放射エネルギー観測装置(CERES)」、世界的な太陽光パターンに関する研究所データ、地面に対する向きに基づきパネル面が取り込む放射量を調べたデータを組み合わせて調査。その結果、世界のどこにそれらを置いても、太陽電池パネルとして最も費用対効果の高いかたちになるはずだと示唆しています。

研究著者によると、新たに開発された両面太陽追跡パネルは、従来型(不動で単一パネル式)システムと比べてエネルギー生成量は平均35%増、コスト効率は16%増が期待できるといいます。またこれは、気象条件の変化を考慮した場合でも当てはまるとのこと。「双方向かつ可動型のシステムへの投資は近い将来、安全な賭けとなることを意味する」と研究の筆頭執筆者で、シンガポールの太陽エネルギー研究所の研究員であるCarlosRodríguez-Gallegos氏はコメントを残しています。

ソーラーパネル設置への懸念は

ソーラーパネルを設置することによる地域環境への影響は、両面式であっても変わりません。ソーラーパネルに使用される鉛は、地域の汚染源のひとつになる可能性があるのです。両面式パネルは、従来式よりも「2倍の鉛」を意味することになると指摘するのは、サンノゼ州立大学の環境研究准教授で「Solar Power: Innovation, Sustainability, and Environmental Justice」著者のDustin Mulvaney氏。同研究に従事していない立場で米Gizmodo Eartherのメール取材に応えました。

ソーラーパネル設備が抱える一般的な問題として、周囲の土壌がパネル表面を汚れで覆い、コスト効率を低下させることがあります。今回の研究では配慮されていませんでしたが、Mulvaney氏はこうした部分にも気をつけるべきだと指摘しています。土壌でパネルが覆われる心配も少なく、光の反射も期待できる設置場所としては白い屋上などがよいのかもしれませんね。

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