なんで自撮りすると変な感じになっちゃうの?

  • author Daniel Kolitz - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
なんで自撮りすると変な感じになっちゃうの?
Image: Gettyimages

なぜか自撮りって上手い人と下手な人、ハッキリ分かれますよね。

カメラ見て、ニッコリ笑って、クリック。いい感じに撮れたかなと自撮り写真を見てみると愕然。なんでこんな風なの? ってガッカリすること多くないですか? 鏡で見る自分はもうちょっとマシな気がするのに自撮りするとなんで変な感じになっちゃうんでしょう? 心理学とデジタルフォトグラフィーの専門家に聞いてみましょう。

広角レンズを使ってるからだよ。できるだけ腕を伸ばしたり、自撮り棒を使おう

Scott Klinger(パロマーカレッジ・フォトグラフィー学科准教授)

自撮りはスペースを拡大し物体を歪めてすべてをフレームに収めるようにできている広角レンズで撮られることが多いです。広角レンズは風景を撮影するのにはピッタリなのですが、顔を撮るのには向いていません。鼻が大きくなったり、おでこが広がったりしてしまいます。なので自撮りをする時はできるだけ腕を伸ばして撮るか、自撮り棒を使うといいでしょう。カメラが顔に近ければ近いほど、歪みが強くなってしまいます。距離を保つことで歪みを最小限に抑えることができますが、歪み自体は残りますので顔がなんだか変な風に写ってしまうのです。そして人は自分の写真を見る時、どうしても自分の好きではない部分を気にして見てしまうのも自撮りがイマイチに見える理由のひとつです。

ライトは自撮りには重要です。インスタのインフルエンサーたちはいいライティングを見るセンスがあります。彼らはいつもカメラを覗きながら歩いているので何がどのように写りがよくなるかわかっているのです。ライトはできるだけソフトなものを使いましょう。フォトグラファーも大きなソフトボックスを使っているでしょう? 散乱光はテクスチャーを最小に抑え、強い光はテクスチャーを強調します。強い光が顔に当たるとシワやニキビなどテクスチャーが強調されてしまいます。なので、晴れの日のビーチなどで写真を撮るとちょっと悲惨になってしまうんです。直接光と広角レンズのコンビネーションのせいで、顔のホクロばっかりに目がいってしまう結果になります。

「自分を見ている自分」を見ている状況になるから

Rachel Fein-SmolinskiSchool of Art + Design at Illinoisフォトグラファー講師)

なぜ自撮り写真が変な風に見えてしまうのかと言うと、自撮り写真を見ている時、自分を見ているだけではなく、自分を見ている自分を見ている状況になるからです。これはなんだか奇妙な状況ですが、自撮りは自分の分身へアクセスさせてくれるのです。他の人が見ている自分を、自分も見ることができるからです。

写真の世界ではよく自撮りとセルフポートレイトの違いについて議論することがあります。自撮りはセルフポートレイトの一種で、被写体自身が実際にカメラを手に持ってシャッターを押すもの。自分の手(時には足もあるかも?)でカメラを持って自分を撮れる範囲は決まっていますけどね。

なぜ自撮りは変な風になるのかという質問の答えは、広角レンズだからとかいう技術的なことではなく、心理的、そして社会的影響が大きいと思っています。自撮りが自分の人生のどんな役割をしているのか、ということです。

プレッシャーがあるから

Liz Cohen(アリゾナ州立大学アート学科准教授)

自撮りには大きなプレッシャーが存在します。SNSにスマホで投稿することが目的の場合が多いですから。SNSはある意味で野心的というか、ネガティブはものがポジティブになったり、不快なものが望まれている不快さだったり。プレッシャーは満足感を得にくくすると思っています。なので自撮りを撮りつづけてうまくなりたいのです。なかなかいい自撮りは撮れないので、ずっと撮り続けなきゃいけなくなるのです。そうしているうちに、自撮りが別の方向へシフトし出して、フィルターや修正・加工ツールなどがどんどんよくなってきて、さらに複雑になってきています。

今、この自粛の状況がこのプレッシャーをさらに激しくしているように思います。SNSはお互いのことを見るための方法ですが、今私たちはSNSをさらに利用するか、完全にシャットアウトするか二極化している気がします。隔離すればするほど、プレッシャーは強くなるのです。もっと自分をよく見せたい、よく撮りたい、求められるものになりたい、人間として向上したい、ビジネスをうまくやりたい、自分を好きになってくれる人を増やしたい、などです。

それを踏まえて私は、変なのこそがいいことだと思います。なぜなら頭はこう傾けて、カメラはこのアングルで撮るとよく見えて、加工して...というルーティンができあがってきているので、変な風に見える自撮りはもっとリアルでいいんじゃないかと思います

自撮りそのものが写真として不自然だから

Chris Barry(ワシントン州立大学心理学教授)

一般的な写真と違って、自撮りはちょっとぎこちないアングルやセンタリングになります。そして撮っている本人もアングルを調整したり、カメラをデバイスにつけたりといろいろです。なので自撮りは普通の写真と違って不自然なのです。私の研究ではインスタグラムに自撮りを載せる人たちは、一般的にポーズをして人に撮ってもらった写真を載せる人よりも好かれない傾向にあります。その理由は、自撮りは見る人の目に不自然に写るからだと我々は理論づけています。

    あわせて読みたい