中国政府のプレッシャー。Zoomが人権活動グループのアカウントを止める

  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
中国政府のプレッシャー。Zoomが人権活動グループのアカウントを止める
BANされたとおぼしきZoomの画面。事前警告はなし。

中国政府からの圧力で...

1989年に起こった天安門事件に参加した活動家、生存者、そして亡くなった人たちの親族が集まり、天安門事件を振り返るZoom集会が5月31日におこなわれました。その1週間後の6月7日、このZoom集会を開催した人権団体Humanitarian Chinaが同団体のアカウントが停止されていることに気付きました。

一時的にアカウントが停止

Humanitarian Chinaは先週土曜、突如「アカウントが閉鎖されました」との通知を受けました。何度もログインを試みたものの、本当にアカウントが停止されているとわかります。このことがニュースに取り上げられ始めると、水曜にはアカウントが元の状態に戻ってログインできたとのことです。

Humanitarian Chinaは今回のことに対し「Zoomのこの行動に対して怒りを覚えます。中国では天安門事件と香港のデモ活動についてネットでも実世界でも黙らされている状態です。我々はなぜアカウントの停止をされなくてはいけなかったのか、説明を求めます」と声明を出しています。どうやらこのZoom集会には中国や他の国から250名が参加し、4,000以上のSNSでストリームされたとのこと。スピーカーの中には、ライブを警察に止められ事前にメッセージを録音して当日流した人もいたそうです。

対してZoomは今回のアカウント停止の件について、事業を展開している国の法律に従おうとしたと述べています。

「他の国際的な企業と同じで、Zoomは事業展開をおこなうその国の法律に従わなくてはいけません。私たちのプラットフォームでは、国をまたがる複雑な会話が増えているため、複数の国の法律すべてに従うことは大変難しいのです。今回の件で中国国内外からの参加者がいたことで、悪い方向に影響を受け、重要な会話が中断されたことは残念に感じています。Zoomは言論の自由に反する政府の法律を変えることはできないのです」と発表しています。

Humanitarian Chinaの会長は今回の件について「Zoomは中国政府が我々を黙らせる手助けをしている」と話していて、Zoomは中国政府からアカウント停止の要請が実際にあったかどうかについてはコメントを拒否しています。

補足:後日、Zoomは今回のアカウント停止について「中国政府からの要求に応じた」ことを明かしています

中国政府の要求はAppleですらつっぱねられない

このように何の説明もなくアカウント停止になったのはHumanitarian Chinaだけではなく、香港で活動をしている個人も「中国が世界に及ぼす影響」と題したビデオ会議を団体でおこなう予定でしたが、5月22日から突然Zoomにログインできなくなったとのとこです。

ちょっとまずい決断をしてしまったのかなという感じですが、過去にも同じようにアメリカの企業が中国政府の影響で疑問を抱く判断をした例はあります。去年10月、Appleは香港で警察の活動を追跡できるアプリをApp Storeから削除するということがありました。この時CEOのティム・クックもZoomと同じように、その国の法律に従わなくては行けなかったと説明していました。

中国本土で事業をおこないたいアメリカの企業が増える一方ですが、中国の検閲問題は必ずついて回る問題です。Zoomはコロナで人に会えなくなった状況で大変便利なソフトウェアとして急激に使用が増えましたが、本当に使い続けていいものなのか、考えてしまいますね。

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