めっちゃパワフルな2モーターのe-4ORCE版もラインナップ。
2020年。時代が変わっても技術の日産は技術推し。とはいっても従来のトラディショナルな車作りだけではなく、新たな市場を切り開き、新たなファミリーモビリティの姿を見せるために、新機軸の技術開発にチャレンジしています。
その具現化された1台が、本日発表となったEV(電気自動車)SUVの「ARIYA」(アリア)でしょう。

市販車としてはリーフ、 e-NV200に続く、3台目の日産製EV。パワートレインは1モーターでパワーは160kW/178kW・トルクが300Nmの2WDモデルと、2モーターでパワーは250kW/290kW・トルクが560/600NmのAWDモデルです。

特にハイパワーなのが、AWDのARIYA e-4ORCE 90kWhバッテリー搭載車。290kW・600Nmってもうスーパーカークラスの出力といっていい。
1,900~2,200kgのダイナミックボディでありながら、0-100km/hの加速力は5.1秒。国産SUVでは最速級でしょうコレ。

ボディサイズは全長4,595x全幅1,850x全高1,655mm。狭い道でもギリ走れるサイズでしょうか。ジャパニーズアッパースタンダードといいますか。
参考までに、構造上のライバルとなるテスラXは全長5,036x全幅1,999x全高1,684mm、市場でのライバルとなるハリアーは全長4,740x全幅1,855x全高1,660mmです。

さいきんの日産車のシンボルであるVモーションスタイルではなく、ウイングのように羽を広げたように見えるポジションライトに、横一列のLEDヘッドライト。キリッとしていながらもツリ目感は控えめ。重厚さを演出しているワンポイントといえます。

ゆるやかなカーブを描くルーフが、スピードを感じさせるストレートラインのサイドラインと合流するように落ちていくファストバックスタイル。直線と曲線によりキャラクターとなる面の存在感をバシッと引き上げています。

そうそう、キャラクターといえば、ルーフ上のドルフィンアンテナに注目を。2つあるんですよ。

ARIYAはスカイラインに続く、プロパイロット2.0を搭載します。しかし同じものではありません。大きな違いは測位に準天頂衛星システム・みちびきを使用していること。従来のGPS衛星に加え、現在4機体制で運用されているみちびきのシステムでデータを補完することで、より高精度かつ安定した測位が可能となりました。

プロパイロット2.0はもちろん高速道路上においてのハンズフリー運転を可能とするシステムですが、ARIYAのプロパイロット2.0は摩天楼な都市部や、大きな山が影となる山間部でも自動運転の精度を高めようとするアプローチ。レベル2以降の自動運転に、日産が果敢に取り組んでいることの現れかもしれませんね。

車内を見てみましょう。ドアを開けるまでは従来のクルマという印象がありました。

運転席から見ると...おお、ディスプレイがでかい...。ボタンが少ない...。
コクピットはこんな感じです。ボタン少な! #ARIYApic.twitter.com/BeMigU6DTC
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) July 15, 2020
ハンドルのUIはTHE日産のクルマそのものだけど、ダッシュボード側は極力物理ボタンを減らしたUI。確実に押して操作することが求められている機能以外は、タッチパネル操作にまとめたんですって。
またセンターモニターはHDMI入力端子つき。スマホの画面を大きく表示させることができますね。

そして足元が広すぎる...。これリアシート側ではありません。運転席側です。
EVのいいところはココにもありますよね。エンジンと比較するとモーターが小さいし、AWDでも2モーターならドライブシャフトを使わなくていいのですから。

リアシートも広々としてゆったり。運転席、助手席のシートレールをギリギリまで追い込むことで、乗り降り時にも足がひっかからないように設計されているそうです。
ドアのアンロックは操作不要。キーを持って近づくと電源ON(白点灯)、ドアの横に立つとアンロック(橙点灯) #ARIYApic.twitter.com/0kRWwkemvD
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) July 15, 2020
ドアのアンロック・ロックは近未来的。キーを持っている状態でARIYAに近づくと起動し、さらにドアの真横までいくとアンロック。これまたハンズフリーです。逆にARIYAを降りて、キーを持って離れていくとロック&フリーズ。
何メートルくらい近づいたら反応させるかは、まだまだチューニング中とのこと。オーナーにとっていちばんストレスとならない距離感を煮詰めているんですって。
充電ポートは2つ。助手席側に高速充電ポート、運転席側は通常ポートだそうです。 #ARIYApic.twitter.com/ds5Is8iYvL
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) July 15, 2020
充電ポートは車両の左右にあります。運転席側は通常充電用で、助手席側は急速充電用。
航続距離で選ぶなら、2WDのARIYA 90kWhバッテリー搭載車がベリーグッド。日産内での測定値とのことですが、1回の充電で最大610kmまで走れます。しかし最も航続距離が短いARIYA e-4ORCE 65kWhバッテリー搭載車でも最大430kmです。
これなら細々と急速充電を繰り返さなくてもよさそう。だからバッテリーのことを考えると、普段は通常充電用ポートを用いて、出先では急速充電用を使うといいのでしょうね。
発表会で展示されていた半透過ディスプレイがかっこよかったです #ARIYApic.twitter.com/yFDkumRcg5
— ギズモード・ジャパン (@gizmodojapan) July 15, 2020
EVとしての性能も凄いし、自動運転技術もすごい。でも一番グッときたのはインテリアでした。凹凸が少なくどの席に座っても居心地のいい車内空間は、ARIYAと付き合えば付き合うほど良さがわかってくるポイントのはず。
EV開発は従来のクルマ作りの経験が必要な部分と、新しい技術が必要な部分が合わさっています。前者はエクステリア&インテリアに、後者はモーター&バッテリーマネージメントや、各種センシング。この両方の技術があってこそ、ドライバーのみならず家族も「このクルマ、快適だね」と言ってくれる車両が作れるはず。
そういう意味では、日産は世界のEVメーカーのなかでも一歩リードしているのかもしれません。
Source: 日産