シロイルカのライブ配信、何も考えずにずっと見てたい…

  • author Dharna Noor - EARTHER
  • [原文]
  • 中川真知子
シロイルカのライブ配信、何も考えずにずっと見てたい…
Image:Explore Oceans / YouTube

何も考えたくないからシロイルカ見る。

最近辛くないですか。新型コロナウイルス関連ニュースだけでも暗く落ち込んでいるのに、悲しいニュースばかりで、心身ともにしんどい…。正直、テレビをつけたくないです。ネットニュースも見たくない。現実逃避がしたいです。

そう思っていたら、こんな時期になっていたことに気づきました。そう、ベルーガ・カムがスイッチオンになる時期だったんです。

ベルーガ・カムとは

Explore Oceans / YouTube

ベルーガ・カムとは、Polar Bears Internationalとeplore.orgによる、ベルーガ(別名シロイルカ)の水中観察カメラ映像のこと。普段は10頭くらいの群れで行動するシロイルカたちが、この時期は集団で、6月下旬から7月頭をめどにカナダのチャーチルに移動し、8月下旬頃にマニトバ州のハドソンベイに行きます。その大移動をカメラに収めて観察しているってわけ。今年で7年目なんですって(私、去年もベルーガ・カムのことを書いているんですよね。夏は癒しを求める傾向にあるみたい)。

ベルーガ・カムで気づくこと

ベルーガ・カムを見ていると、いろいろと気づくと思います。例えば、シロイルカと言われるけれど、一般的なイルカと違って背ビレがないこと。これは、氷に覆われた北極で暮らすので、邪魔になってしまうから。

それと、頭のてっぺんがポコっと出っ張っていること。これは「メロン」と言わる特殊な脂肪が詰まった器官。副鼻腔で発生させた音をここで束ねてから外に出すエコーロケーションに使う器官なんだそうです。音を発したい方向に向かってプルプルと揺らすこともできるんですって。

他にも、首が少し細くなっているので、「肩」があるようにも見えることにも気づきますね。

気候変動に対する注意喚起

このライブカムの目的は、シロイルカの大移動の観察だけではありません。彼らの住処である北極圏の氷の融解に注意喚起するためでもあります。

というのも、北極は地球の他の地域と比較して二倍の速さで昇温していて、海水が急速に減りつつあるのです。そのため、北極圏の生態系に依存するシロイルカや北極熊の生活を深刻に脅かしています。

海氷の多い冬の間、シロイルカはハドソン湾の最北端に集まります。しかし、気温が上昇し、氷が溶け始めると、シロイルカたちは南西に移動して湾とチャーチル川が交わる河口にやってきます。その後、冬になって北極圏の氷ができる頃にシロイルカたちは餌となる藻類を求めて再び旅に出ますが、温暖化によって海氷ができるのが遅れているのに合わせて、シロイルカたちの旅を先延ばしできるかは研究者も定かではないと考えているそうです。

氷が少なければ、シロイルカたちが食べられる藻類も多くできません。それに、シロイルカを狙う標的から隠れるために氷の下に潜る習性がありますが、氷が少なければ身を守ることもできません。環境の変化に適応できるかどうかは、シロイルカたちの命にも関わるわけですね。

Polar Bears Internationalによると、ベルーガ・カムは9月の第一週もしくは第二週まで設置する予定だそうです。それを過ぎた9月の第三週には、シロイルカたちはハドソン湾の公海に向かっていくようです。

深いテーマを持ったベルーガ・カムですが、私はしばらくの間、シロイルカの声や水中のバブル音に、ひたすら癒しを求めて耳を傾けたいと思います。とにかく今は、心を落ち着けたいので…。

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