EOS R6も半端ない。
キヤノンがフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」と「EOS R6」を発表しました。
EOS R5はフルサイズミラーレスの最上位に位置するカメラ。すでに開発発表はされていて、スペックは小出しにオフィシャルからアナウンスされています。価格は約46万円。
EOS R6は初お披露目のフルサイズミラーレスカメラで、EOS R5の下位モデル。価格は約30万5000円。
今回登場した2機種はスペックもデザインも似通っています。ざっくり分けると、EOS R5は動画も静止画も最高画質を求めるクリエイター向け、EOS R6はより使いやすいフルサイズカメラというイメージ。
特別に触ることができたので、レポートです。EOS R6は大本命ですよ!
EOS R5とR6のスペック
EOS R5 | EOS R6 | |
---|---|---|
センサー | 約45MフルサイズCMOSセンサー | 約20MフルサイズCMOSセンサー |
エンジン | DIGIC X | DIGIC X |
高感度性能 | 静止画:ISO 51200 動画:ISO 25600 | 静止画:ISO 102400 動画:ISO 25600 |
連写性能 | 電子:約20コマ/秒 メカ:約12コマ/秒 | 電子:約20コマ/秒 メカ:約12コマ/秒 |
手ブレ補正 | カメラ内5軸手ブレ補正 | カメラ内5軸手ブレ補正 |
動画 | 8K DCI/UHD 30p 4K DCI/UHD 120p/60p | 4K UHD 60p FHD 120p |
ファインダー | 0.5型 約576万ドット | 0.5型 約369万ドット |
モニター | 3.2型 約210万ドット | 3.0型 約162万ドット |
シャッター耐久 | 50万回 | 30万回 |
撮影可能枚数(ファインダー撮影時最大) | 約700枚 | 約595枚 |
重量(ボディのみ) | 約650g | 約598g |
参考価格(税別) | 約46万円 | 約30万5000円 |
発売日 | 2020年7月下旬 | 2020年8月下旬 |
EOS R5はキヤノン初のボディ内手ブレ補正機構が搭載されることがアナウンスされていました。これにはめちゃめちゃ盛り上がりましたが、まさかのEOS R6にもボディ内手ブレ補正がきちゃった! レンズと協調で最大8.0段分の手ブレ補正効果があるとのことで、一気に手ブレ補正戦線のトップクラスにいってしまいました。ちなみにボディ内手ブレ補正はすべてのEF、RFレンズで補正効果があるとのこと。
5ち6の大きな違いでいうと、解像度と動画性能です。
EOS R5のセンサーは新開発のCMOSセンサーで、EOS R6はフラッグシップの一眼レフEOS-1D X Mark IIIのセンサーがベースになっています。R5は事前情報どおり、8K/30pの動画撮影、RAWでの動画記録に対応しています。
ともにデュアルスロット対応で、EOS R5はCFexpressとSDカードで、EOS R6はSD×2。EOS R6には8K動画撮影機能がないので、当然といえば当然ですね。
EOS R5とEOS R6のデザイン






デザインはEOS R5とEOS R6はほとんど変わりません。
大きな違いでいえば、EOS R5がモードボタン+液晶パネルでEOS R6がモードダイヤルです。あとは端子の位置が少し違う程度。ボタンやダイヤルの配置も一緒で、EOS R5のサブ機としてEOS R6を持っても違和感がないように作られています。
メイン電子ダイヤルが1つにサブ電子ダイヤルは2つ。RFレンズには、レンズ自体にもコントロールリングが付いているので、これあわせたら4つのダイヤルがあることになります。何を割り当てたかわからなくなりそうですね。マルチファンクションバーは…、なくなりマルチコントローラになりました。
ちなみにEOS R5とEOS R6ともに電源OFF時にシャッター幕の開閉が選択できます。ホコリにおびえながら、レンズ交換しなくてよいのは嬉しい。





EOS R5とEOS R6を触った感じ

2つを持って一番最初に感じたのは想像以上の軽さ。
EOS R5とR6ともに、スペックだけ見ると相当重くなっただろうと思いきや、かなり軽いです。数値で見ても、EOS R5が約650g、EOS R6が約598g。EOS Rが580gなので、かなり軽量化を頑張ってきた感じあります。デュアルスロットにしたり、電子ダイヤルを増やしてますし。
EOS R5とEOS R6も数値上の差はありますが、比べてみてもあまり重さに違いは感じなかったです。
EOS R5は外装と本体ともにマグネシウム合金で、EOS R6は外装がポリカーボネート(本体はマグネシウム合金)なので、R5のほうが高そうな質感です。

もう一つが電子ビューファインダー(EVF)の進化。
光学ファインダーと見比べてもほとんど違和感がないクオリティでした。EOS R5は、EVFの解像度が約576万ドットにあがったことに加え、表示フレームレートが119.88fpsとEOS Rから倍になっています。EOS R6は解像度が約369万ドットとEOS Rと変わらないものの、同じく表示フレームレートは119.88fpsに。どちらともに意識しないとEVFを使っている感覚がなかったです。
そしてミラーレスを使っていてイライラしがちなEVFと背面モニターの切り替えが早くなりました。EOS Rは切り替えがちょっと遅い印象があったから、これも光学ファインダーと比べたときに違和感がなくなった理由かも。

あとはAFの性能はかなり上がってそう。
ちょっと見にくいですが、画面の隅でも後ろを向いても、顔検出から頭部検出に切り替わるところでも、ずっとAFが追いかけ続けているんです。ソニーのαシリーズと比べても遜色ないですね。
8段手ブレ補正がどんなものか試してみたかったのですが、今回はできず。シャッタースピード1秒で手ブレしない余裕とかだったら世界変わりますね。
短い時間だったので、ほんのインプレッションという感じでした。
EOS R5とEOS R6の動画性能について、ギズモードの動画担当に聞いてみた

EOS R5とEOS R6の動画性能について、ギズモードYouTubeの動画撮影、編集を担当しているカイルに話を聞いてみました。まずはEOS R5について。
EOS R5は、ミラーレスカメラで8K RAWで撮れるのはすごい! ボディ内手ブレ補正もついてて、次の次元のカメラだと思った。けど、外付けSSDへの記録はできないから、CFexpressに記録するしかない。RAWで撮る場合8Kにするしかなく、CFexpressに記録するとなると、記録時間も短いから正直8Kの動画撮影は使いにくいと思う。CFexpressはまだまだ高いし。
そしてEOS R6について。
EOS R6はRAWで撮らないならあり。というか欲しい! クロップなしの4K/60pが撮れるから、普段の動画撮影は十分。手ブレ補正入っているし、スローモーションを撮るのも60pあればいい。多くのひとにとってEOS R6は動画機としてありなんじゃないかな。
本人のテンションもEOS R6に軍配って感じでした。
地味だけど刺さったところ1:LP-E6Nユーザーに朗報

EOS R5とR6から、新バッテリー「LP-E6NH」になりました。新しくなったといっても、EOS RやEOS 5D Mark IV、EOS 6D Mark IIで使われているLP-E6Nと形状は変わらず、容量が1865mAhから2130mAhにアップしました。
LP-E6Nが使えるキヤノンの古い機種でも使えるようで、互換性をもたせたままアップデートしてくれるのは嬉しいところ。LP-E6Nはいっぱい持ってる!ってひともEOS R5やR6でそれをいかせるのはありがたいですよね。レンズだけじゃなくてバッテリーも大事な資産です。
ちなみに新しいバッテリーには表面にホログラムのステッカーが貼ってあります。カードダス世代からするとキラキラのシールって特別な思いあります。
地味だけど刺さったところ2:安いレンズが3本でました
EOS R5とR6と同時に安いレンズが3本も出ました。

1本目は、中望遠レンズ「RF85mm F2 MACRO IS STM」。最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロです。価格が7万6000円(税別)とかなり手が届きやすいレンズで、ポートレートの撮影が多い人などは使い勝手がよさそうです。使ってみた感じ最初の1本は35mmや50mmでもなく85mmでもいいんじゃないかって思えるくらい描写力高めで、重さも約500gと持ち運びもしやすそうでした。発売は10月下旬の予定。

あと2本は「RF600mm F11 IS STM」と「RF800mm F11 IS STM」の超望遠レンズ。
なんといってもコスパが良くて、600mmは参考価格で8万8000円、800mmは11万3000円とめちゃめちゃ手にとりやすい。600mmで10万円切りですよ。

しかも600mmが約930gで、800mmが約1260g。これ1本もって山登りしちゃおうかな!って意気込めるくらいに軽いです。F11固定なのでどんなシチュエーションでも撮れるレンズではないですが、日中のアウトドアでの利用シーンが多いなら大アリですね。ともに7月下旬発売予定です。

キヤノン初のフルサイズミラーレスカメラEOS Rが発表されたのが、2018年の9月。そこからたったの2年足らずでここまでの進化って…。
いま思えば、EOS Rがキヤノンのジャブだったのだなと思うんです。今回のEOS R5とEOS R6がキヤノンの渾身のストレートって感じで、ミラーレス市場がゆっさゆっさ揺れそうです。