CometでCovidをいっとき忘れてみませんか?
太陽系のいちばん遠くから未確認のまま飛んできて3月に初めてNASA赤外線天文衛星によって発見された「ネオワイズ彗星(Neowise:C/2020 F3)」が、太陽をくるっと回って地球接近中です!
近日点は3日。燃え尽きなくてよかったー。まだ太陽にとても近いので、太陽風で尾が伸び、肉眼で見える二等級の明るさで輝いていますよ。
ハワイ時間では今日が七夕です。明け方、北東の空に昇ってきた #ネオワイズ彗星 C/2020 F3 (#NEOWISE) が、すばる望遠鏡があるマウナケア山頂域からはっきりと捉えられました。きれいな尾を引いています。(撮影:田中壱) pic.twitter.com/WoSx3yuqSw
— 国立天文台 すばる望遠鏡 (@SubaruTelescope) July 8, 2020
いつ、どこで見れるの?
北半球一円で観測が可能です。国立天文台によると、日本の場合、次の方角で今月いっぱい見れるとのこと。
7月前半:明け方の北東の低い空
7月後半:夕方の北西の空
おすすめアプリ
星図を目安にするのもいいし、Comet Bookで軌道を追うこともできます。無料のComet Bookで軌道を追うこともできます。Stellarium、SkySafari(Android/iOS)、Star Chart(Android/iOS)、StarWalk(Android/iOS)なんかのアプリを入れて、スマホを空にかざしながら探してみるのも楽しそうですね(有償・彗星未対応の場合あり!)。肉眼で見えるけど、紛らわしい星もたくさんあるので、位置確認には双眼鏡や望遠レンズを使いましょう。

撮れるのは今だけ
肉眼彗星は10年に1度で、こんなに輝くのは1997年以来とも言われています。5月のアトラス彗星(C/2019 Y4)は崩壊し、肉眼彗星が期待されたスワン彗星 (C/2020 F8) も暗くなった後だけに、これはうれしいサプライズですね。
NASA担当副調査官Joseph Masieroさんがプレスリリースで明らかにしたところによると、ネオワイズ彗星は直径5kmで、核は「46億年前の太陽系形成当時の辺りに生まれた煤けた黒っぽい粒子」で覆われているのだとか。地球に1億300万km以上近づく恐れはありません。
撮るときのコツ
地平線スレッスレで移動し、日の出前のほんの短い時間しか撮れないので、撮ると決めたらうんと早起きして高台に行くのがポイント。三脚使用で、露出は空の明るさで調整します。
うまくいけばこんな心奮える映像が撮れますよ。
15日以降はだんだん暗くなっていくそうなので、ぜひ明るい今のうちに見ましょう。このチャンスを逃すと、次回ネオワイズ彗星がめぐってくるのは6800年後です!
7月14日10:13、原稿の一部を修正しました。
Source: Alyn Wallace、国立天文台、つるちゃんのプラネタリウム、Comet Book、University of Arizona