ヘッドフォンやイヤフォンの技術を、窓枠にも。
シンガポールにある南洋理工大学(Nanyang Technological University)が、窓にアクティブノイズキャンセリング機能を持たせる研究を行っています。これで自動車の往来や工事現場など、「外からの騒音がうるさくて窓も開けてられない!」というお悩みをかなり緩和できそうです。
窓の手前で騒音を検知&打ち消す
この技術は、騒音が窓に届く前に検知できるマイクがあり、また窓の手前で騒音を打ち消す高速プロセッサーがスピーカーに接続されており、逆位相の音波を出すことで最大50%の音量にするというもの。しかもこれ、窓を開けたままでその効果を発揮するというのです。
これで、騒音のために窓を閉め切り、代わりにエアコンで電気代がムダにかかる…という悪循環をもなくせます。
実験は等間隔の24個がちょうど良い
南洋理工大学の説明では、ノイキャンは耳だけに限った小さなエリアで行うのではなく、開けた空間に適用するのが難しい技術だ、と一筋縄ではいかないことが強調されています。研究時には、実験室に小型のBluetoothスピーカーを格子に24個並べていますが、これはちょうど良い塩梅の間隔が空いている、とIEEE SPECTRUMが伝えています。それ以上広いと騒音が大きくなり、またスピーカーが小さくてもダメなんですって。
今後はもっとノイキャン効率を高め、デバイスを小型化し、将来的には窓枠と一体型にして都市の騒音緩和を目指すのだそうです。国からの協力も得ているというので、実用化は遠くなさそうです。
現代社会は騒音に囲まれている
幹線道路沿いや線路脇、はたまたジェット機の離着陸がある基地の周りにお住まいの家々にも、こんなテクノロジーでノイズキャンセリングするっていうのはどうでしょうか? 手軽に使えるよう、早く製品化されると良いなぁと思います。
Source: YouTube via NANYANG TECHNOLOGICAL UNIVERSITY via IEEE SPECTRUM