北極、記録的暑すぎ問題

  • author Brian Kahn - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
北極、記録的暑すぎ問題
Image: University of Maine Climate Change Institute

北極らしさをキープするには、北極圏の定義を変えるしかない気が……。

シベリアがアツく燃えています。もうそんなん知ってるわって? シベリアを襲った容赦ない暑さは、今やノルウェーやカナダの北極圏にまで広がって、観測史上最高気温を更新しまくっているのだとか。

カナダの北極圏とノルウェーのスヴァールバルで史上最高気温

すべてを覆い尽くすような熱波が、最も緯度の高い地域に広がっています。カナダのエルズミーア島にある、地球最北端の居住地のひとつであるユーリカで7月最後の週末に観測された気温は21.9℃に達したそうです。また、ノルウェー北部のスヴァールバル島にある小さな町ロングイェールビーンでは、21.7℃を記録しています。どちらも観測史上最高気温とのこと。

普通に生活するうえで考えると、これくらいの気温だと「過ごしやすいじゃん」って思いますよね。湿度も気温も高い地域に住んでいる人は特にそう感じるでしょう。でも、北極圏にとっては絶対的な異常気象です。

カナダにはもっと北に位置する入植地もありますが、ユーリカはカナダで最も寒い場所といわれています。7月の平均最高気温なんて9.3℃しかありません。ロングイェールビーンも同様に寒く、この島にあるものは、種からGitHubのソースコードまで、すべてが凍った土の中に隠された「世界最後の日のための倉庫」に保存されています。そんな場所で20℃を超えるとか、ありえないんです。

地球の他の地域よりも2倍以上速く進む北極圏の温暖化

北極圏は、地球のほかの地域よりも2倍以上速く温暖化しており、今年は特にその傾向が顕著になっています。シベリアがその象徴みたいになっていますが、その猛暑の波紋は北極圏全体に広がっています。シベリアで起こった大規模な火災によって放出された二酸化炭素が大気を変化させてさらなる暑さをもたらし、その猛烈な暑さによって海氷が急減する最悪のループになっています。

北極の海氷は観測史上最小面積へ一直線

北極海の海氷はというと、この時期としては過去最小になっています。シベリア沿岸の海氷は後退し、隣接するカラ海やラプテフ海、東シベリア海の海氷も未知の領域に入っています。また、スヴァールバル島を囲むバレンツ海では、海氷が完全に消滅しちゃいました。海氷は現在、北極圏の600万平方キロを覆っています。数字だけ聞けば広く感じるかもですが、これは2000年代の平均的な最小値にあたります。実際に海氷面積が最小になるまでにはまだ約2カ月ありますが、今年はどうやら過去最小面積だった2012年の記録を更新しそうな勢いなのだとか。またあかん方の記録を更新してしまうかもしれないわけですね……。

ここ数年、かつては異様に感じた暖かさがあまりにも一般的になってきました。たとえば、エルズミア島の入植地であるアラートでは、2019年に観測史上初めて華氏70度(摂氏21.1度)を記録しました。ちなみに、アラートは人間の定住地としては地球最北端とのこと。近年は、高温と火事が北欧アラスカで定例行事のようになっています。氷の島だったはずのグリーンランドでさえ例外ではありません。大規模な破綻は、世界の北端でも着々と進んでいるようです。

カナダ北部とシベリアには本格的な暑さが戻ってくると予想されているので、あかん方の記録ラッシュは残念ながらまだまだ続きそうです。

    あわせて読みたい