「特別扱いを求めたくせに」とAppleがEpicに反撃、マイルドに墓穴を掘る

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「特別扱いを求めたくせに」とAppleがEpicに反撃、マイルドに墓穴を掘る
Image: Pryimak Anastasiia/Shutterstock.com

Appleが「This You?(どのくちが言う)」やっちゃってるよ…とギャラリーが大喜び。

Apple税迂回削除されたフォートナイトをめぐってEpic Gamesに独禁法違反で訴えられたAppleが21日、Epicのティム・スウィーニーCEOのメール3件を裁判所に提出して「Epicは特別扱いを求めた」と反論しましたが、証拠のメールに一部欠損があることが判明し波紋を呼んでいます。

メールはAppleのティム・クックCEO、AppStore総括のフィル・シラー氏、ソフトウェア総括のクレイグ・フェデリギ氏らに宛てたもので、スウィーニーCEOは手数料値下げとともに次のことをAppleに求めています。

・Apple決済以外の決済方法でも支払えるようにすること

Epic GameストアのiOSアプリを認めること

シラー氏はこんな「補足条項」をEpicだけに認めたら「iOSプラットフォームにおけるEpicのアプリ配布方法が根本から変わってしまう」とカンカン。削除措置で再起不能な被害を受けるとEpic Gamesは言うけどそれは「自ら規約を破ってもたらした結果であり自業自得だ」というのがApple側の主張です。App Storeの規約への抗議活動は「周到に準備されたもの」であり、Appleは独占企業ではないし、競争を阻害する行為も行なっていない、Epic Gamesに「必須のファシリティ」の提供を拒否したこともなければ、ましてやiPhoneやiPadのiOSから除外したこともないというんですね。

削除された一文

ところがスウィーニーCEOがツイートで全文公開した元のメールの第4段落末尾を見ると…

「以上のオプションをすべてのiOSデベロッパーにも平等に提供してくれることを願っています」

…と書かれていて、Apple手数料値下げ、サイドロードの許可を求めていたことは確かだけど、Epicだけ特別扱いしてくれと求めたと主張するのはムリがあることがわかります。

Appleは28日までに直接決済ボタン削除の修正をフォートナイトに加えなければ、Epic社員全員の開発者アカウントを削除して、iOSとMacの開発ツールからも締め出すと警告を発しました。App Storeの規約にスウィーニーCEOがブースカ言うのはずっと前からのことなんですけどね…。

ヤケクソモードのEpic

まあ、Apple側の言い分にも一理あって、Epicは少々やりすぎてる感も否めません。「Free Fortniteカップ」でも優勝の賞品はAlienwareのゲーミングノートPCとかSamsung Galaxyタブレットなのに、任侠りんごのスキン(Tart Tycoon)は10ポイントで手に入るローハンギングフルーツだったりします。そういえば、春に「トラヴィス・スコット×フォートナイトに潜入せよ」ってRollingStone編集部から厳命を受けて3回殺されながらリアルタイムで見た記者さんが「iPhoneが焼け石のように熱くなって」楽しめなかったってボロカスに書いて「Switchはそんなことねーし」「ブーマー下がってよし」と老害扱いされてたので、iPhoneを賞品にしない理由はそういうのかもですけどね。

クラウドゲームはMもGもNも拒否、FBは見る影もない姿になり果てる

今月はフォートナイトだけでなくMicrosoftのクラウドゲームサービス「xCloud」もApp Storeにリジェクトされて、Google Stadia、Nvidia GeForce Now、Facebookのゲームに続いて、iPhoneでだけゲームできないゲームサービスになってしまいました。

Facebookは半年間リジェクトされ続けて、やっとどうにかこうにかAppleの要求を呑んで今月OKもらったんですが、その要求というのがゲームアプリからゲームプレイ機能を削除することだったんですね。シェリル・サンドバーグCFOが苦り切って、NY Timesにこう話してます

「Facebook Gamingアプリからゲームプレイ機能をすべて削除しなければ、スタンドアロンアプリとして認めてもらえなかった」(シェリル・サンドバーグCFO、NY Timesより)

却下理由は「個々のゲームを審査できないから」というものですが、「楽曲や映画は審査してないのに、なんでゲームだけ特別扱いなの?」と言われ続けているのはみなさまもよくご存じのとおりです。ゲームは音楽や映画より桁違いに儲かりますからねぇ…。

メール晒しの2社が元サヤできるのかな…

「メールは裁判の証拠資料として使われてもいいように書け」と米国では叩き込まれるし、Googleなんて「crush(潰す)」「kill(殺す)」「hurt(傷つける)」「block(邪魔する)」がNGワードなのでCEOの国会答弁も何をしゃべってんだかさっぱりわからなくて宇宙人みたいでした。全部やってることだとしても言葉にしなければ立証は難しいし、立証できなければしてないことになるというクソみたいな理屈によるルールですが、Googleに限らずどの会社もやってます。こうしてメールを暴露されるのもよくあることと言っちゃえばそうです。

ただ、こうしていいところのつまみ食いで晒されたら他社も怖くて何もメールできなくなっちゃいますよね…。「90年代のMicrosoftもデベロッパーを敵に回して信頼回復に何十年もかかった」と言われてますけど、今回はFacebookもMicrosoftもEpic支持だそうで時代の流れをひしひしと感じますわ。

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