電動ドリル奏法以来の回転系奏法!?
ロンドンにある商業デザイン事務所Anthony Dickensが、エンジニアと協力してボディーに仕込んだローターで弦を弾くエレキギター「Circle Guitar」を作りました。
回転するディスクが弦を弾くしくみ
ローター(サークル)からは爪のようなものが生えていて、ローターが回ることで弦を叩くよう設計されています。オルゴールに近いしくみですね。
弦を弾かなくなって空いた右手は弦をミュートしたり、ハーモニクスを生み出したり、ピックアップ下部にあるスイッチで特定の弦の信号を遮断するなどの操作を行います。
説明文いわく、弦から出された音はマルチ・チャンネルを備えたヘキサフォニック・ピックアップに拾われ、弦ごとに増幅や録音などの処理が行わる、とあります。なので特定の弦の音色だけにエフェクトを掛けたり、音を混ぜたりオフにするなどの編集が可能になるわけです。
ギター本体には6つのスイッチがあり、アンプやミキサー、もしくはコンピューターに通じる信号のオン/オフが操作できます。ちょっとだけアコーディオン左手側のような操作感ですが、ここを巧みに操ることで、コードやリードとしての演奏ができるようになるのだそうです。
ヘヴィーなテクノもイケるぜ
エフェクターやら何やらで音色をイジっているとしても、エレキギターの演奏には思えませんよね。未来の扉を開けてしまったかのような、強烈なワクワク感があります。
サークルは250bpmまでの速度で回転でき、そこには128個の穴があるので、そこにピックならぬ爪(プレクトラム)を差し込んで弦を叩くパターンを調節する、とあります。

爪は磁力で固定され、異なる強さで弦を弾くようにサークルをプログラムできるため、回転速度、爪の位置、叩く強さの組み合わせて無限のパターンを奏でることが可能になるのだそうです。
電動ドリル奏法以来の大革命
かつてはMR. BIGのギタリスト、ポール・ギルバートとベーシストのビリー・シーンが、マキタのドリルにピックを付けて電動ドリル奏法を行い、エディ・ヴァン・ヘイレンもドリルの高速回転をピックアップで拾うなど、ハンディーなモーターの回転を利用した奏法が編み出されたことがありました。
それらを踏まえると、ボディー(の一部)が回転するこのギターはイノベーション以外の何物でもありませんよね。一目見ただけで、雷に打たれたような衝撃を受けてしまいました。
この「サークル・ギター」は手作りなので非売品ですが、すでに最初の注文を受けているのだそうです。手に入れたミュージシャンたちは、さらに面白い音楽を作るのでしょうねぇ。
Source: Instagram, YouTube (1, 2) via Anthony Dickens via NEW ATLAS