倍返しのドラマみたい…。
Appleなど大手プラットフォームへの下克上ともいえる、「フォートナイトの乱」を引き起こしたEpic Games。これまでも高額であると非難の声があがっていたモバイルアプリストアのマージン方式を「大手の独占」として糾弾している同社ですが、一方で、アメリカフロリダ州の由緒正しい観光名所から「商標権を侵害した」と告訴されていました。
今回、Epic Gamesを訴えたのは、フロリダ州にあるCoral Castle Museum(コーラル・キャッスル博物館)。ピンときた方、いますよね。なんかどこかで聞いたことある名前ですよね?
フォートナイトのシーズン3は島の大半が水没した状態でスタートし、アプデのたびに水が引いたり、マップがちょこちょこ変わるのが1つの特徴です。8月のアップデートでは、それまで大渦のあった場所に突如として遺跡っぽいランドマークが登場。これが、「コーラル・キャッスル」です。

実はプレイヤーの間ではシーズン3開始当初から、「水が引いたらアトランティスが出現するらしい」という噂が流れており、伝説の海底都市の登場をみんなが待ちわびていました。満を持してあらわれた石造りの建築にコバルトブルーの水、そして色とりどりのサンゴ…。美しい景観に歓喜の声をあげたユーザも多いはず。

そこに「これパクリでしょう!」と声をあげたのが、有名観光名所のCoral Castle Museumです。実世界のCoral Castleは、20世紀はじめにラトビア系アメリカ人のエドワード・リーズカルニン氏が、サンゴからできた石灰岩などで作った構造物。公式Instagramに掲載された写真を見てみると…なるほど、確かに似てる…?
Coral Castle Museumの主張をざっくりまとめると、つまりは「勝手にうちの名前を使って金儲けするのは許せない!こっちの商売に支障が出る!」というもの。Polygonの報道によると、すでにフロリダの裁判所に訴状を提出しているとのこと。
訴状には、フォートナイトのこれまでの沿革やシーズン3が「アクアマンをモチーフにした世界観」であること、「アトランティスと名づけるはずのロケーションにあえてコーラル・キャッスルを使用した」などなど、驚くほど細かくつづられています。
Epic Gamesが大手プラットフォームに反旗を翻し、その一撃目としてApp Storeを経由しないゲーム内課金システムを導入したのが、8月13日。そしてその直後にCoral Castle Museumが訴状を提出…。もちろん、今回の損害賠償請求は事前に準備されたもので、「フォートナイトの乱」とは無関係だとは思いますが…。出る杭は打たれると言いまして、これからAppleら巨星と文字どおりの「バトルロワイヤル」を繰り広げるEpic Gamesの前途が心配されるところです。