紙と鉛筆で医療機器ができてしまった!

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紙と鉛筆で医療機器ができてしまった!
Image: PNAS

スマートウォッチの代わりの鉛筆!?

今の世の中、1番お手軽で身近なヘルスケア端末といえばスマートウォッチ。医療機器とは呼べないまでも、自分の健康をモニタリングできる便利なツールです。が、このモニタリングを紙と鉛筆でやってみたよという驚くべき実験がミズーリ大学の研究室からあがってきました。

まるで手品みたいな技術。そのタネは?

Proceedings of the National Academy of Sciencesの7月号に掲載されたこの研究は、どの家にもあるいたって普通の紙と鉛筆を使って、心拍数や呼吸数、グルコース濃度、体温、はたまた発汗状況までモニタリングできたというのです。紙と鉛筆で何もかもを知るなんて、そんなこっくりさんじゃあるまいし。と、思ったらやはりタネがありました。グラファイトです。鉛筆の芯に使われるグラファイトは電気信号を読み取ることができます。

肌に装着、付着するタイプの医療端末は、各種成分をトラッキングでき、かつ柔軟性のある素材が電極として使われます。今回の実験では、鉛筆で線を書いた紙が電極代わり。鉛筆で描く線は従来の金属製の電極と同じデザインを使いました。この紙を肌に巻き、ケーブルでパソコンに繋いでデータを見るという仕組み。

結果、数値の精度が高かったのはグラファイト含有量93%の鉛筆。ヘルストラッキングという機能だけではありますが、紙と鉛筆がスマウォ代わりになるなら安いもんです。紙と鉛筆は、お絵かき以外にも使える!と気づいたのは、今回の研究ばかりではありません。例えば、2015年には鉛筆で描いた線を使ってモノの柔軟性(どこまで曲がるか)を計測するという研究がありました。

鉛筆実験の未来

ミズーリ大学は、鉛筆と紙を用いたホームヘルスキット、個人ヘルス端末を中心に思 い描いているようですが、大学に取材したネタ元のSt. Louis Post-Dispatchは、例えば、湿度計などとしても使えるのではないかと考えています。なんせ紙と鉛筆という安価で親しみあるモノですから、可能性は広がりますよね。

ミズーリ大学のZheng Yan研究員はこう語っています。「例えば、不眠症だという人がいれば、睡眠トラッキング用のパターンを描いた紙を使う。例えば、学校の授業で紙と鉛筆で実験キットを作る。低コストでカスタマイズも自由にしやすいので、将来的には、今回のようなパンデミックなどの非常事態で、科学者が家で研究するのにも役立つようになるかもしれませんね」

Source: PNAS, St. Louis Post-Dispatch

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PNAS

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