5Gで野球の時代がやってきた!
夏といえば、球場でプロ野球観戦という方も多いのではないでしょうか。友達とワイワイビールなんか飲みながら、広いスタジアムで白熱したゲームに一喜一憂。みんなで応援歌を歌ったり、大声で選手を応援したり。いやー、夏だ!
しかし、コロナ禍においてはそんな野球観戦もできなくなってしまいました。現在は1試合における観客は5,000人が上限となっており、声を出しての応援は禁止。もちろんジェット風船などを飛ばすことも禁止です。
また、5,000人分しかチケットが発売されないため、観戦したくてもできないという人がたくさんいるのも事実。テレビ観戦という方法もありますが、やっぱりみんなで思いっきり応援したいものですよね。
そんな情勢の中、8月11日に横浜DeNAベイスターズとKDDIがタッグを組んで、オンラインでファンが一緒に野球観戦や応援ができる国内初のバーチャルスタジアム「バーチャルハマスタ」の無料トライアルを開催しました。
ハマスタの外観からコンコースまでリアルに再現
観戦にはバーチャルSNS「Cluster」を利用します。専用アプリをダウンロードすることで、Windows、Mac、iOS、Androidの各端末に対応しています。
さっそく参加してみると、まずはハマスタの入口からスタート。いきなりスタジアムの中ではなく、外観から始まるところ、プロ野球ファンの心理をわかってますね(ニヤリ)。
スタジアムの外にあるチケット売り場やグッズショップはもちろん、スタジアムに入るとフードショップやビジョンなども再現されており、かなりリアル。今回は無料トライアルなのでショップで何か買ったりはできませんでしたが、本格運用時にはここでグッズ販売などがされていたらおもしろいですよね。
そして、試合観戦はグラウンドで行ないます。そう、グラウンドに降りられるんですよ! しかもダッグアウトを通って入場。くーーー、たまらん! これは、あえてそうしたとのこと。ファン心理わかってるー! 今回はスタンドからの観戦はできませんでしたが、技術的にはそれも可能ということでした。
グラウンドに降り立つと、すでにたくさんのファン(のアバター)がいます。今回はバーチャルハマスタ専用MCとして、お笑いコンビ「インパルス」の堤下敦さん(大のベイスターズファン)と、元ベイスターズの外野手である荒波翔さんが実況と解説を担当していました。
グラウンドには選手および球団マスコットのスターマンの大型パネルが設置されています。バックスクリーンはホンモノそっくりで、それだけでテンション上がります。自由にグラウンドの中を歩き回れるの、なかなか新鮮。

試合時間が近づくと、グラウンド中央にビジョンが降りてきます。今回はこのビジョンで試合を観戦。5G通信は使われていないとのことですが、将来的には5Gを活用する予定とのことでした。
グラウンドの好きな位置から野球観戦

見やすい位置を探しながら試合観戦。思ったよりもちゃんと試合が見えます。今回、ギズモード編集長の尾田さんと編集部山本くんと観戦していたのですが(実は3人とも阪神タイガーズファン、すみません!)、グループビューイングの機能を使うことで3人だけでボイスチャットが使えたので、それを活用して、マウンド付近で待ち合わせしたりしました。
観戦中はエモートを使って応援することが可能。手を叩いたり、ペンライトを振ったり、クラッカーを鳴らしたりすることができます。ただ、一人だとあんまり盛り上がらないので(音が小さい)、みんなでわーっとやるといいでしょう。
また、ジャンプ機能も搭載されています。ベイスターズといえば、山崎康晃投手が登板するときの「康晃ジャンプ」が有名ですが、それも再現できるんですね。でもこの試合は山崎投手の登板はなし。康晃ジャンプができなくてちょっと残念でした。



試合途中で荒波さんや堤下さん(のアバター)がグラウンドに現れたり、スターマンが現れたりして、そのたびにファンが大移動(笑)。なぜか堤下さんがファンに観戦をじゃまされていたりしていました。
試合のほうはというと、2対9で阪神タイガースが勝利。これで阪神は20勝22敗1分けの4位。2位DeNAとは2.5ゲーム差となりました。勝ち投手はガルシア、負け投手は井能。ガルシアは今季初勝利でした。なかなか勝てませんでしたからね、よかったよかった。

アフターコロナの5G時代はこういう野球観戦がスタンダードになるかも
今回バーチャルハマスタに参加してみて、「こういう野球観戦も楽しいな」と思いました。今回はみんな一緒にグラウンドで思い思いの場所でビジョンを見ながら観戦というスタイルだったため、いわゆる応援合戦みたいな感じにはなりませんでしたが、どこか自由で、まるでフェスに来ているかのような感覚になりました。
本格的運用に関しては、今回の参加者からのフィードバックなどを検討し、考えるとのこと。実はこの企画、ベイスターズとKDDIでは以前から話が進んでいたよう。コロナ禍でスタジアムでの観戦が難しい状況になり、このようなメタバース(仮想世界)的な展開になっていたとのことでした。
将来的には、アバターやエモートが購入できるようになったり、スタジアム内のショップでグッズが買えるようになるとおもしろいですよね。バーチャルハマスタとしても収益ポイントをいろいろ模索しているようで、スポンサーの広告を表示するなども考えているとのこと。そうなってくると、ますますメタバースな感じがしてきますね。
今後5Gが本格運用されて、バーチャルハマスタに導入されれば、映像のタイムラグも少なくなり、より派手な演出なども実現できることでしょう。KDDIとしては、このような取り組みを他の球団、または他のスポーツにも広めていきたい意向があるとのことでした。
現地観戦はもちろんいいですけど、それが難しい今、バーチャルハマスタのような観戦スタイルもいいなと思いました。これがプロ野球開催期間中毎日行なわれたら、通っちゃうかも…。サブスクなんかになったら、即入会ですよ!