利便性が求められる時代から、環境への配慮が求められる時代へ。企業も消費者も意識を変えていかなくてはいけない過渡期です。
プラゴミを削減するには、使い捨てのプラスチックボトルを減らすさまざまな取り組みが必要です。
プラスチック容器をリサイクルはとても重要ですが、それは時間とリソースを要するプロセスでもあります。空になった容器をプラゴミとして捨てて、回収され、処理施設でプラスチックボトルを粉砕し、製造工程を経てまた新しいプラスチックボトルにして再び捨てられるよりも、そのまま中身を詰め替えて、そのボトルを使い続ける「リユース」のほうがエコですよね。
ボトル再利用促進のためにニベア詰め替えステーション登場
ドイツに本社を置くニベアで有名なバイヤスドルフ社は、ニベアのシャワージェルの詰替ステーションの実証実験で、消費者のボトル再利用を促進するプロジェクトを開始しました。
消費者は空になったニベアのプラスチックボトルをステーションに持参し、詰め替えるだけ。小さなラベルが印刷されるのでそれをボトルに貼り付けて中身を購入します。衛生上の観点からボトルは3回まで詰め替え可能で、詰め替えるたびに印刷されるバーコードで詰替えた回数がトラックされます。3回詰め替えたら新しいボトルを購入しないといけませんが、環境に配慮した努力のご褒美として最初の詰替え分は無料になります。
バイヤスドルフ社は、このニベアの詰替えボトルを、より耐久性のあるものにしているか、詰め替えやすい形状にしているかどうかはわかりません。おそらく詰め替え回数に上限があることから、現在店頭に並んでいるボトルと同じものではないかと思われます。
これは実証実験的プロジェクトを通して、リサイクルで回収されたボトルの状態を分析し、消費者の安全を守るために、詰め替え回数を増やすことができるかを検証する予定です。シャワージェルのボトルは、体を洗った水が飛び散ったり、汚れた手で触ることが多いシャワーやバスタブ周りで使われるものです。詰替えのプロセスは非接触ですが、3回詰替えることでボトルに蓄積される細菌のレベルは気になりますよね。
このニベアの詰め替えステーションの実証実験がうまくいけば、他のコスメ製品にもこのシステムが応用できる可能性が広がります。
そして最終的には消費者が好きな容器に好きなものを入れることができるようになり、プラスチックボトルを完全に排除できるような世界が実現されるかもしれません。