「Oura Ring」レビュー:コロナ禍で注目されているウェアラブルリング、実際どうなの?

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • Rina Fukazu
「Oura Ring」レビュー:コロナ禍で注目されているウェアラブルリング、実際どうなの?
Photo: Victoria Song/Gizmodo

「ただの指輪」と侮ることなかれ。

日本ではまだ知る人ぞ知る存在ですが、新型コロナウイルスをきっかけに全米で注目を浴びることになったOura Ring(オーラリング)を、米Gizmodoがレビューしています。

ライターのVictoria Songいわく、睡眠トラッカーとして現時点でベストかも…とのこと!一方で、期待しすぎてはいけない部分もあるみたいですよ(コロナ関連)。

一体どんなことができるスマートリングなのでしょうか? 実際に使ってみたレビューをどうぞ。


パンデミックが本格化してまもなく、あらゆるウェアラブルメーカーが、自社デバイスが研究者のcovid-19検出に役立つかどうかを模索するようになりました。Apple(アップル)、Fitbit(フィットビット)、Garmin(ガーミン)だけでなく、Oura Ring(オーラリング)もそのひとつです。

リングが注目を浴びたワケ

Twitter(ツイッター)CEOのJack Dorseyからハリー王子まで、著名人が着用していたことから注目を浴びていたオーラリング。それが今度はNBAWNBAプレイヤーの管理に使用されるようになり、多くの議論を呼ぶことに。

神経科学研究所のリサーチによれば、症状が現れる前の最大3日前の段階で90%の精度で病気を検出できるといいます。この情報が「covid-19を正確に予測できる」と示唆するミスリーディングな見出し記事ツイートが拡散され、人々がまだテストを受けられずにいるなか、資金のあるスポーツ組織が300ドルするこのリングを2,000個も買い上げたことに批判が集まったのだとか。さらにあるユーザーが、スコアの低さと新型コロナウイルスを結びつけた情報が出回り、火に油を注ぐことになりました。

Oura Ring(オーラリング)

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Photo: Victoria Song/Gizmodo

これは何?:パンデミック以降、アメリカで大人気な睡眠トラック用スマートリング。

いくら?:300ドル(約3万2000円)。"ステルス"版は400ドル(約4万2600円)、ダイヤモンド付きは1,000ドル(約10万6500円)。

好きなところ:1日中付けていても快適。バッテリー寿命の長さ。アプリもナイス!

好きじゃないところ:睡眠トラック、リカバリーという機能が主であることを考えると、ちょっと高め。使っている間、準備性スコアが不安定になることも。

「オーラリング」って、なに?

念のため、ここでハッキリさせておきましょう。結論からいうと、オーラリングは新型コロナウイルスの検出はできません。いま市場に出回っているウェアラブル機器のいずれも、現時点で新型コロナ感染を正確に診断できるという確証はありません。

オーラリングでは、病気の発症に関連した生理学的変化を検出することはできるかもしれません。ただ、それがcovid-19なのか、インフルエンザなのか、ただの風邪なのかまで判断できるわけではないのです。「病気の診断ができる、FDA認可の医療機器」じゃないんです。

じゃあ、オーラリングとは何なのか。ずばり、睡眠追跡を目的としたウェアラブル機器です。そのうえで、他のフィットネストラッカーと比較してみましょう。

手首ベースのウェアラブルよりも正確?

まず開封した第一印象は…、指輪でした。「Heritage」と「Balance」の2種類のスタイルがあって、さらにシルバーブラックの2色から選べます。「Heritage」はトップがどちらかというと平らで、「Balance」はエッジがかかっています。今回レビューするのは、「Balance」のシルバーです。

もっと余裕のある人は、ダイヤモンドつき「Balance」で1,000ドル(約10万6500円)、"ステルス"バージョン(マットな仕上げなだけ...という印象)の「Heritage」で400ドル(約4万2600円)也。

"超軽量チタン"製だというリングは、傷がつきにくいコーティングが施されているのだそう。シックだとは言いませんが、ずっと着けていても苦にならないような、無害で実用的なデザインだと思います。

リングの裏側を見てみると、センサーや回路基板がついているのがわかります。センサーに関しては、赤外線光学式心拍数センサー(呼吸も測定可)、体温センサー、3D加速度センサーが含まれます。

ここで注目すべきは、この光学式心拍数センサー / PPGセンサーは、手首ベースのウェアラブルよりも正確な測定値を提供できるとオーラ社が主張していること。通常の緑色光PPGセンサーよりも、独自の赤外線センサーが深く突き通るからなのだとか。

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赤外線PPGセンサー、体温センサー、3D加速度センサーを装備。
Photo: Victoria Song/Gizmodo

実際に着けてみると、どう?

オーラリングは、いわゆるスマートリングでありつつも睡眠トラック以外にも多様な機能があるのかといえば、そうではありません。現在は利用できなくなってしまったMotiv Ring、ボタン付きのCircularなどは、フィットネストラッカーとして多機能を揃えていますが、それとは逆ですね。

オーラリングが提供してくれるのは、フィットネストラッキングの一部機能で、通話やテキストによる通知、アラーム、2要素認証機能はナシ。機能的には、数ヶ月前にレビューしたWhoopに似ているかもしれません。

そんなことから、99%くらいは着けていることも忘れるくらい違和感のない指輪のような感覚です。週に1度は充電する必要があるけれど、婚約指輪よりも着け心地抜群(かわいさは別として)。お皿を洗うときも、運動するときも、心配がいらないくらい丈夫です。リマインダーなどの通知は、スマホ経由で届きます。

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今回レビューしたのは、シルバーの「Balance」モデルでした。
Photo: Victoria Song/Gizmodo

どんな部分がスマート?

アプリでは、データを同期したり、指標を確認したりすることが可能です。毎朝、3種類のスコア(睡眠、準備性、活動)がわかります。

それぞれ見ていくと、まず準備性スコアは安静時の心拍数、心拍数の変動、体温、睡眠時の呼吸数に基づいています。また回復指数などの指標もあって、安静時の心拍数が夜に安定するまでにどれくらいの時間がかかるか、さらに前日のアクティビティ、睡眠時間、睡眠の一貫性なども測定されます。

睡眠スコアでは、睡眠時間、睡眠効率、さまざまな睡眠段階ごとの経過時間、眠りに落ちるまでにかかった時間、睡眠中の安静度がわかります。これらの数値は、さまざまな生理学的メトリックに基づいて計算されるとのこと。

最後に、活動スコアは毎日の歩数と他の要素を組み合わせたもの。1時間ごとに動いているか、どのくらい毎日の目標を達成できているか、1日に何時間活動していないか、トレーニングの頻度やハードさはどれくらいか、など過去3〜4日間に得られたMetabolic Equivalent(MET)分数に部分的に基づいたアルゴリズムを使用しているとのこと。METを簡単に説明すると、安静時の代謝量と比較した作業中の代謝率の測定値のことです。

スコアはどれくらい的確?

すべてのスコアは1〜100段階で示されます(100は非常に優れていて、70を超えるスコアは良好)。

全体的に、睡眠スコアは睡眠の質をよく表している印象があって、ペットの犬が足元で吐いた日も、夜中の3時に猫がしっぽで叩き起こしてきた日も、睡眠の乱れを正確に記録しているのがわかりました。

活動スコアも、私のトレーニングスケジュールをきちんと反映していて、10時間くらい仕事のデスクに張り付いていた日にはスコアを見てちょっと反省しました。OuraアプリはApple Healthと同期可能で、自動的にアクティビティをインポートすることもできます。

準備性スコアに関しては、名前からして何だと思う人もいるかもしれません。実際、ちょっと戸惑うこともありました。

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Photo: Victoria Song/Gizmodo

それは、サムスンGalaxy Watch 3ハンズオン記事を書くために、ワークアウト動画を試していたときのこと。約25分の間に約200回スクワットをするという愚かな過ちをしてしまったがために、翌朝には「もう歩けない」状態になっていたんです。

ところが、オーラの準備性スコアは85。トレーニングに最適な日! として提案されていました。実際は台所まで行くにもペンギンのように動くしかないくらいやられていたんですけどね。

別の日、スコアは79とまぁまぁ悪くなかったのですが、アプリには落ち着いて過ごすようアドバイスされました。でもその日はすこぶる快調で、数ヶ月ぶりに3マイルランのベストタイムが出た日でもありました。

こうした体験は、先出のWhoopでも同じようなことがあったのを思い出します。ただ、少なくともWhoopのグラフでは、遅発性の筋肉痛が心拍数変動の低いスコアに反映されていることがわかりました。オーラのグラフやアプリはわかりやすくはなっているのですが、活動性スコアや筋肉痛のことに関してはうまく反映されている実感は得られませんでした。

オーラCEOのHarpreet Rai氏と電話で話してみると、彼いわく「長らくリングを装着すればするほどスコアは的確になる」とのことでした。たしかにデータが増えるほど、より正確でパーソナライズされた結果が得られるというのには納得できます。わたしの準備性スコアも、そのうちもっと頼りになるのかもしれません。

Apple Watchよりもいいなと思った瞬間

さて、実際に使っているなかで個人的に好きだったのが「モーメント」機能です。これは、ガイドあり / なしが選べる呼吸瞑想で、サウンドスケープも選べるのと、瞑想が大好き! というわけではない人にとっても、Apple Watchのちょっと煩わしい呼吸リマインダーよりも望ましいかたちで、落ち着きたいときに使える機能だと感じました。

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オーラリングを探せ!
Photo: Victoria Song/Gizmodo

結果、睡眠トラッカーとしてどう?

さて本業の睡眠トラッカーとしてはどうなのかというと、オーラリングはかなりよい仕事をしてくれます。なんなら、これまでいろいろ試してきたなかでもベストだといえます。

まずは、視界に入るまで存在に気づかないくらい快適な着け心地もそうですし、バッテリー寿命も約1週間持続なので十分な長さです。基本的には睡眠トラックという機能に絞っているのも、結果的にはよいのかなと思っています(たとえばMotiv RingやMotiv Ring 2では、アルゴリズムが指ベースのウェアラブルと手首ベースのウェアラブルの違いを考慮していないため、アクティビティの追跡がズレることがあるのが気になっていました。それに、2要素認証機能もわたしが試したときは機能しなかったこと)。

繰り返しにはなりますが、オーラリングは優れた睡眠トラッカーです。身体の変化や病気を検出する側面に関しては、"テクニカルな妙技"ではなくて長期間にわたってメトリクスをトラックしてベースラインを学習した結果、何か異変があると反応するということになります。

そのうえで…、睡眠や回復に焦点を絞ったウェアラブルリングに300ドル(約3万2000円)という額を出したいかはまた別の問題。Whoopのハードウェアは無料ですが、月額30ドル(約3,200円)のサブスクリプションがあるのと、さほど快適な着け心地は得られません。それに、価格だけでいうと11ヶ月以上使用すればオーラリングのほうが安価に済みます。

でも、スマートウォッチやその他フィットネストラッカーまで視野を広げると、より安いか同じような価格でトレーニングや全般的な健康管理ができることになります。通知機能が設定できるウェアラブルデバイスも多くあります。もし睡眠トラック機能はあまり気にしないという人がいたら、そもそもオーラリングは向いていないかもしれません。とはいえ睡眠や回復について興味がある人、定量化されたデータを詳しく知りたい人にとっては、オーラリングは現時点で最高な睡眠トラッカーのひとつだといえます。

まとめ

・COVID-19の診断はしてくれませんヨ。

・心拍数計測、体温測定、リカバリー計測(準備性 / 睡眠 / 活動スコアの生成)。

・着け心地は、かなり快適! 見た目もぜんぜん変じゃない。

・睡眠トラック用のリングとして300ドルはちょっと高め。

・スコアはほぼ正確ですが、自分の感覚値とはズレがあることも。

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