iPhone 12(仮)は発表されてないです。繰り返します、iPhone 12(仮)は発表されてないです、落ち着いて行動してください。
今回のAppleイベントはほとんどサプライズなしで、あっという間に終わってしまいました。が、わずかなサプライズはすごくウェルカムなものでした。そもそも今回のイベントは(2020年のあらゆるイベントと同様)奇妙に思えること必至でしたが、Appleの9月のイベントなのにiPhoneが出てこないってことでますます不思議な感じでした。それでもAppleは、うれしいお値段のApple Watchとか、増強されたiPad Air、そして今季一番待望のOSたちのリリース日程まで発表してくれました。
Apple Watch Series 6

今回の発表の中で一番驚きがなかったのはApple Watch Series 6でした。出るだろうと思ってたし、名前も予想が付いてたし、血中酸素濃度を測る酸素飽和度センサーも想定内でした。それでもApple Watch Series 6は、Apple Watchブランドの新フラッグシップモデルにふさわしい美しさです。色もステンレスのゴールドとかブラックだけじゃなく、鮮やかなブルーとレッドが加わりました。
Apple Watch Series 6はお値段400ドル(日本価格4万2800円)からで、新色とか健康系機能が追加されただけじゃなく、常時オンのディスプレイが太陽光の下で2倍以上明るくなるとされてます。文字盤も増えて、なかなかいい感じです。
でも何より注目は、酸素飽和度センサーです。この点、Appleは他社より遅いんですが、Appleらしくクールな新機能を引っさげていて、血中酸素濃度アプリでは15秒で結果を出してくれます。
Apple Watch SE

Series 6よりむしろサプライズだったのは、お手頃な280ドル(日本価格2万9800円)のApple Watch SEです。こちらの中身はほぼSeries 5(なので酸素飽和度センサーとか、明るい常時オンディスプレイはナシ)ですが、もっとお安くなってます。Apple Watchに期待されるGPSとかセルラー通信とかが全部入っていて、それでこの価格は本当にお値打ちだと思います。
Apple Watch SEが出たってことは、Series 3はさすがに長い生涯を終えるのかなと思いきや、200ドル(日本価格1万9800円)でキープすることにしたみたいです。でも価格差1万円だったら、ほとんどそろってるApple Watch SEのほうにいっちゃうんじゃないかな…。
Fitness+

Appleはだいぶ前から、サービスがお金になることに気づいてました。Apple News+とかApple TV+があるのは、そのせいです。で、今度はエクササイズ動画にプラスアルファした感じの、Fitness+が始まります。iPhoneとApple Watch、そしてネット接続さえあればいつでもどこでもエクササイズトレーナーとつながることのできる環境を、Apple Watchユーザー向けに提供する仕組みです。
Fitness+で選べるエクササイズの種類はサイクリングにトレッドミル、ヨガ、ダンスなど10種類あり、そのほとんどは運動器具なしか、あってもわずかなものだけでできます。エクササイズは毎週新たに追加され、過去にやった運動内容とかに合わせてオススメされたり、独自のフィルタリングツールとかもあるそうです。
エクササイズに合わせた音楽もアップデートされ、Apple Musicアカウントを持っていれば、それをプレイリストに統合することも可能です。サービス開始は2020年内とされていて、まずは北米中心の英語圏でスタートし、日本では使えないようです。料金は月10ドル(約1100円)からとまあまあハードル高いんですが、Apple Watch(Series 3以降)を購入すると3カ月、そうじゃない人も1カ月、無料トライアルができるそうです。そして次の項目、Apple Oneバンドルの中にも入ってます。
Apple One

Apple Oneバンドルとは何ぞや。Appleのサービスを3種類のセットにして値付けしたものです。
「個人」プランは月15ドル(約1600円、でも日本価格は1100円)で、Apple Arcade、Apple TV+、Apple Music、iCloudの50GBのセットです。
これを月20ドル(約2100円、日本価格1850円)にすると「ファミリー」プランとなり、Apple Arcade、Apple TV+、Apple Music、iCloud 200GBを、最大5人までの家族と共有できます。
さらに月30ドル(約3200円、日本では設定なし)になったのが「Premier」プランで、Apple Arcade、Apple TV+、Apple MusicにiCloudは2TB、そこにApple News+とFitness+も付いてきて、最大5人までの家族と共有できます。
第8世代iPad

今日うれしかったサプライズは、ベースモデルのiPadがアップデートされたことです。第7世代は安くてほとんどの人には十分でしたが、第8世代はA12 Bionicプロセッサ搭載でパフォーマンスが40%向上しつつ、価格は抑えています。330ドル(日本価格3万4800円)からで、プレオーダーは今日開始、発売は9月18日です。
新しいiPad Air(第4世代)

iPadに関してさらに大きなアップデートは、iPad Airにやってきました。名前こそ同じiPad Airですが完全に刷新され、デザイン的にはiPad Proに近くなりました。色は5色でシルバー、ブラック、グリーン、ローズゴールド、ブルーのカラフルな展開です。
外形と色展開のほかにもいろいろアップデートされていて、ディスプレイは10.8インチになり、Touch IDは電源ボタンに内蔵、前面カメラはフルHDの700万画素、背面は1200万画素、充電はUSB-Cポートになります。
iPad Pro同様にApple Pencil(第2世代)をサポートし、ペアリングや充電の方法も同じです。Magic Keyboardにも対応。SoCも新しい5nmプロセスのA14 Bionic搭載で、Appleいわくこのチップによって処理全般が40%、グラフィックス処理が30%高速化したそうです。iPad Proよりこっちのほうが速いかもしれなくて、色もいろいろあるとしたら、iPad Proは売りにくくなりそうです。
それはお値段を見るとますますそんな気がしてきます。iPad Airは600ドル(日本価格6万2800円)からで、11インチのiPad Proと比べると2万円以上も安くなってます。
OSアップデート
iOS 14、iPadOS 14、watchOS 7、tvOSのリリース日付が発表されました。明日(日本時間9月17日)です。iPhone、iPadのお掃除をして、容量を空けておくとよさそうですね。