新型コロナの抗体は4カ月以上持続される可能性がある。アイスランドの大規模研究で発見

新型コロナの抗体は4カ月以上持続される可能性がある。アイスランドの大規模研究で発見
Image: Gizmodo US

抗体ができれば、という前提つきだけどね。

アイスランドで実施された研究が、体内の新型コロナウイルスへの抗体が少なくとも4カ月は持続することを示しています。

3万人を対象とした血液調査で、抗体が4カ月持続することがわかった!

こちらの研究はアイスランド国民3万人から収集した血液サンプルを調査したもので、9月1日にアメリカの医学誌New England Journal of Medicineに掲載されました。3万人といえば、北欧の小さな国であるアイスランドの総人口の10%弱にあたります。その中には新型コロナウイルスの検査で陽性だった人、もしくは感染者と濃厚接触した人が4,000人以上含まれています。集めた血液サンプルに対し、新型コロナウイルスに特化した複数の抗体についてテストが実施されました。

研究チームの試算によると、アイスランドではコロナの第一波が発生した際に国民の1%弱が感染し、4月末までには鎮静化したとのこと。また、感染者の半数以上が(発症前に)事前の検査で発見されたと推定されています。

そして最大の注目ポイントは、回復者の抗体レベルを追跡調査したところ感染後4カ月たっても大幅な低下が見られなかったことです。研究論文の著者は「我々の実験結果により、新型コロナウイルスの抗体が感染後4カ月以内の低下がみられないことがわかった」と記しています。

ニューヨークでも3カ月までは確認されている

これまで世界中で「新型コロナにかかった人の抗体がどれくらい持続するか」の試算が何度か実施され、その中には「抗体は長持ちしない」と結論づけられたものもあります。ただ、こうした悲観的な推定値を出した実験の多くはサンプル数が少ないものでした。

実際、世界的にも被害が大きかったニューヨーク市では大規模な予備研究が実施され、「抗体が数カ月維持された」と裏付けられています。こちらの研究では、約2万人から採取した血液サンプルを調査。すると、中和抗体が3カ月間安定していることが発見されたのです。それが4カ月後も維持されている可能性はありますが、科学者が関連データを収集・分析して確実な結果を得るまでにはもう少し時間がかかりそうです。

中には抗体ができない人もいる…

「抗体が長持ちするなら安心!」と言いたくなりますが、だからといって回復者が絶対に再感染しない、と証明されたわけではありません。いずれの研究でも、約10%の感染者からは検出可能な抗体が確認できませんでした。こうした人は再感染の恐れが高いと言えます。また、これまでに報告された再感染例を見ても、抗体を持っている人が再感染する可能性は否定できません。

とはいえ、抗体によってある程度の免疫を獲得し、感染そのものや重症化を防ぐことができる可能性は非常に高いです。

死亡率は各国の状況によって変わる

アイスランドの研究では、新型コロナウイルスの現地の致死率についても推定値も提供しています。アイスランドでの感染致死率は、無症状の感染者を含めた試算で0.3%。この数値は他の国での推定値よりも低めですが、逸脱するほどではありません。

新型コロナウイルスの人口死亡率は、年齢分布や平均的な健康状態、集団発生によって地域の病院がひっ迫するかどうか、といった要因によって大きく変化する可能性があります。ステロイドなど、最新の治療法やまだ見ぬ新薬などによって長期的な死亡リスクがさらに下がるかもしれません。

幸い、アイスランドでは新型コロナウイルスの被害は比較的小さいものでした。9月2日までの死亡者数は10名で現在の感染者数は100名、累積感染者数は2,000名強となっています。

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