「炎の竜巻」カリフォルニア州で目撃される

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  • author Alyse Stanley - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
「炎の竜巻」カリフォルニア州で目撃される
Image: CAL Fire

竜巻には慣れているテキサス住みの訳者も、炎の竜巻は想像したくもないです……。

どうやら今年は世も末な出来事が尽きてしまったらしく、母なる自然は奥の手を使って、聖書から「渦巻く地獄の業火」を引っ張り出してきましたよ。

米国立気象局は8月中旬、北カリフォルニアで森林火災が起こったあとに竜巻警報を発令しました。「炎の竜巻」は決して前代未聞というわけではありませんが、地球上で最もまれな気象現象のひとつです。気象学者らによると、これが初めての公式な竜巻警報なのだとか。

国立気象局リノ事務所は、東部標準時間の8月15日午後6時過ぎに、カリフォルニア州ラッセン郡の住民に対して警告を出したとのこと。当局はまた、地域住民にシエラバレー東部には近づかないように注意を促し、いくつかの周辺コミュニティには避難命令も出したそうです。

世にも珍しく恐ろしい「炎の竜巻」

ネット民たちによってシェアされた「炎の竜巻」の映像は、恐ろしい以外の何ものでもありません。映像はニュース番組のワンシーンではなく、まるで超大作のディザスター映画のよう。多くシェアされた下のツイートでは、ロイヤルトン火災によって空高くそびえ立った雲が山の輪郭をぼやけさせ、太陽が一面をオレンジ色に染めています。ぼんやりした風景の中で、炎の竜巻の輪郭だけがはっきりとしているのと、オレンジに染まる煙と青空の対比が怖いですね。ツイッターで共有された、空が渦巻く煙を吸い上げている画像は、一見するとまるで地上の竜巻のようです。何も知らなければ中の明るい部分が炎だと気づく人はいないような気が……。

気候変動が森林火災を起こりやすくしている

8月14日に発生したロイヤルトン火災は、8月23日の段階で焼失面積が4万7000エーカー以上(190平方キロメートル)にまで拡大していると報告されています。異常な暑さによる乾燥した空気と突風が、カリフォルニア州全域で計画停電の原因にもなり、急速に炎が燃え広がる要因にもなっているようです。気候危機によってこのような状況が普通になりつつあり、米西部ではより大きく、より破壊的な森林火事が発生する傾向にあります。でも、炎の竜巻は、ありがたいことに今のところ非常にまれな存在です。あくまでも「今のところ」ですし、まれでもイヤなものはイヤですけど。

これまで「炎の竜巻」が記録されたのは、2018年のカー火災などほんの数例だけなのだとか。カリフォルニア州で記録された最も破壊的で記録上最大の火災のひとつは、時速230キロの猛烈な炎の竜巻を発生させ、少なくともひとりの消防士の命を奪いました。炎の竜巻はあまりにもたまにしか発生しないため、その正体は謎に包まれたままです。

炎の竜巻のメカニズムは謎

どのようにして炎の竜巻が発生するのかについては、まだ非常に活発な研究が行なわれている段階です。現時点で科学者たちがわかっているのは、炎の竜巻が発生する鍵を握っているのは、森林火災そのものが独自の気象現象を引き起こすほど巨大なものでなければならないということくらい。そこまでの規模になってはじめて、燃え盛る炎の上に熱い空気が急上昇し、上空にある大気の冷却と凝縮のサイクルのあとに、火災積雲と火災積乱雲が形成されるとのこと。

その次に何が起こるのかについてはまだわかってなくて、研究者が解明しようと努力している最中です。ひとつの理論としては、ものすごく熱くなった上昇気流が上空で回転することで、火と煙が空まで伸びて渦を巻き起こすというものです。もうひとつの可能性としては、地面に対して水平に動く地上付近の乱流が寄せ集められることによって垂直方向に角度を変えるというものがあります。こういった謎を解明しようとしてくれている科学者には頭が下がる思いですが、どっちにしても炎の竜巻には近寄らない方がいいでしょうね。

Reference: InciWeb

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