全方位からマシンガンを放たれても傷ゼロな防具とは『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』第8話ガジェット解説

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  • author 西谷茂リチャード
全方位からマシンガンを放たれても傷ゼロな防具とは『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』第8話ガジェット解説
©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

Iron Hedgehog、鉄のハリネズミ(仮称)。

ギズのガジェットコーディネート活動として、作中のガジェット考案やテクノロジー監修をしているTVアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』。第8話では、主人公・神戸大助(かんべ だいすけ)の目的が母・神戸小百合殺害事件の真相を突き止める事と判明し、相棒・加藤春(かとう はる)との共同捜査が行なわれました。

真相への鍵を握るナゾの物質アドリウム」を追って、大助と加藤は第三研究所を地下にもつ洋館に侵入を試みます。その際おとり役を押し付けられた加藤は、大助に渡されていた「リュック型装備」と神戸鈴江(かんべ すずえ)の的確なリモート操作によって、見事研究所の警備員や警備ドローンを引きつけ……。

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

と、今回のガジェット解説はこのリュック型装備に関してです。

ミサイル発射機構を備え、飛来する弾や敵をすべて撃ち落とす対空スフィア」を搭載したこの装備。本作でのガジェットコーディネートにおいて、1位2位を争うレベルで悩まされた案件でした。どうかご紹介させてください。

『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』は毎週木曜24時55分からフジテレビ“ノイタミナ”ほか各局にて放送中。各放送・配信情報などはこちら

バリアが使えない!

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

今回のガジェットコーディネートで達成したかったことは、おとり役を押しつけられた加藤を完璧に守り抜くことでした。神戸グループの肝いり施設であろうロボット・ドローン試験場(とされている場所)には、警備員や警備ドローンが数多く存在するはずです。

そんな四方八方からやって来る警棒や弾をすべて防ぎたいのであれば、いわゆるバリアが最適。しかし本作でのリアリティーラインは「10年以内に作れそうなガジェット」です。バリアは研究レベルでも(少なくとも公開されている範囲では)かなり怪しく、既存のガジェットを大幅に超える必要がありそうだと感じました。

そこで、一旦課題を整理してみました。加藤を守るガジェットは、以下の条件をクリアしなければなりません。

・前後左右上からのあらゆる攻撃を止められること

・リュックに収まるようなコンパクトサイズであること

ここでいう攻撃は、主に警備員による警棒アタックと警備ドローンからのスタン弾射撃を想定しています。そして警備員は(危険だけど)威嚇ミサイルでほぼ処理できます。問題は警備ドローンからのスタン弾射撃です。

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

仮に飛んでくるスタン弾が音速だとすると。毎秒340メートル進む速さなので、たとえば10メートルの距離から撃たれたらたった0.03秒で着弾する計算になります。あまりに速い。

これでは発射させてから空中で方向転換するミサイルでは迎撃できませんし、こちら側も弾を撃って空中で迎撃するにしても、一体何本の銃身をリュックから生やせば全方位からの射撃に対応できるのか……。迎撃を諦めてあらかじめ盾を展開しておく方式がいいかと言うと……おとりとしての機動性が失われるのでよくありませんし、防弾全身スーツにすれば解決かと言うと……走りにくくなって同じ問題が起こります。弾をレーザーで蒸発させる方法も考えましたが、必要な出力がとんでもないレベルになってしまうため断念。

さすがに手詰まりかと思いました。

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

とはいえ妥協はできず、弾を撃って空中迎撃する方向に可能性を感じた自分を信じて、肩から8丁くらい銃身を生やした装備などを考えてみました。ただし描くのがあまりに大変なものは基本的に避けたいと伝えられていたので……この案は一旦捨てざるを得ず……。

と、落胆したところにヒラメキが!

隠してしまえばなんでもアリ

描きにくい銃身をカバーで覆って隠してしまえば、描きやすいシンプルなデザインにできますよね。そしてカバーが付いたことによって内部をいくら複雑にしても良いことに気がつき……「銃身を高速回転させれば遠心力で弾を加速できるから銃身を短くできる」、「火薬で打ち出すより弾速のコントロールがしやすいレールガン方式にしたい」、「前後左右上のすべてをほぼ同時に狙えるよう回転軸を解放しよう」と都合よく考えがまとまったんです。

その結果が対空スフィア。

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Image: 西谷茂リチャード
もうちょっとわかりやすいスケッチが描ければいいのですが…。

仕組みをなるべく短く説明するとこんな感じです:

まずいくつかの銃身を、自転車の車輪のスポークスみたいに外側をむかせながら根っこを付き合わせ、ディスクにします。そしてこのディスクを高速回転させることで金属球を遠心力で撃ち出せるようにします。イメージとしては以下の動画の感じです(銃身の角度がよろしくありませんが…)。

Video: 3dload/YouTube

次に、銃身もそれぞれレールガン(電磁的に弾を加速させる銃身)とすることで、弾速をさらに稼げるようにします。火薬を必要としないため、ジャムる原因となる薬莢を排除でき、加えて銃身を短くできるという一石二鳥の選択です。

Video: News Direct/YouTube

その上で、ディスクを2枚重ねて逆回転させることでジャイロ効果を打ち消し、素早く動かせるようにして……

Video: cgs/YouTube

ディスク2枚のセットを球形のカバー=スフィア内に収めて電磁浮遊でスフィアごと自由に動かせるようにします。

Video: Light it up!/YouTube

最後に、超短波レーダーやカメラなどのセンサーからターゲットを選定し、ライフリングがないことで低下している正確性をソフトウェアで補いながら、金属球をターゲットに撃ちまくるようにリモート操作すれば、対空スフィアの完成です。

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このスフィアをリュックから2つも生やせば、加藤を守り切れるはず!

鈴江が大助とベッドインした理由

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大助の両親に関する情報を集めようとしていたところ、AI執事ヒュスクから妨害を受けた鈴江。そのことを大助に報告すべきと思った訳ですが、ひとつ懸念がありました。それはヒュスクによる読唇術です。

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AIによる読唇術が人間のプロを超えている時代に、監視カメラの多い神戸邸ではセンシティブな内容を軽々とは言えません。

どうしても話す必要があるのなら、監視カメラもマイクもなさそうな場所で、念のためシーツの下に隠れてヒソヒソ話すくらいしないと危険

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©筒井康隆・新潮社/伊藤智彦・神戸財閥

他意はないはず。


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