意外なところからEpicの援軍が…。ロシアがApple税20%化法案、ドイツ当局も重大な関心

  • author satomi
意外なところからEpicの援軍が…。ロシアがApple税20%化法案、ドイツ当局も重大な関心
Image: american_rugbier

ロシアだけ20%ってアリ?なし?

「ロシアではAppleとGoogleのアプリストアの手数料を30%から20%に下げて、20%のうち3分の1はITスペシャリスト養成基金に支払ってもらおう」というなかなか斬新な法案がロシア国家院(下院)に提出されました。

提出したのはFedot Tumusov議員で、「中間コミッションを下げて、プロダクトを利用者に届ける技能を習得できればIT開発者のチャンスが広がるだろう」とツイート。法案には端末への他社製AppStoreのインストールを容認するようOS開発元に義務付けることも盛り込まれています。可決するかどうかは?だけど、気になる動きですね。

カスペのアプリ削除でもAppleに是正命令

ロシアは例のカスペルスキーのペアレントコントロールアプリ「Kaspersky Safe Kids」で相当お怒りですからね。https://all-free-download.com/free-photos/download/st-basils-cathedral-1_516333.html

3年近く大過なく掲載されていたのに、類似のApple純正アプリ 「Screen Time」の発表が近くなったら急に規約違反とられて削除されちゃったんですね。開発者用ツールとオプションの利用も一部制限されて、これってライバルを排除するのが目的なんじゃないの!?とカスペルが今年3月にAppleを訴えていました。

あの件も先月進展があって、ロシア反独占庁(FAS)が10日、原告の訴えを認める判断を発表。31日にはAppleに次の是正命令を行なっています。

  1. Appleのガイドラインをすべて満たしていても非純正アプリを却下できる権利を定めた条項を削除する
  2. ペアレンタルコントロールアプリの動作に必要な機能を提供する
  3. Apple純正アプリを類似の非純正アプリより特別扱いしない

是正の期限は11月です。また、今回のFASの調査では、開発者用ツールとオプションの利用を制限する措置はカスペルスキー以外のペアレントコントロールアプリ開発者に対しても2018年から行なわれていたことが明らかになっています。こうしてサードパーティーの脚を折って、AppStoreの全要件を満たしてもアプリを却下していた、これは「iOSとアプリ配信場所を独占する立場を保持・行使することによる支配権の濫用に当たる」とFASは判断しました。iOS製品を世に出したいデベロッパーはAppleのApp Storeだけが唯一の道なので、差別的な扱いでその望みを絶つ行為は控えるよう求めています。

ドイツ当局もApple vs Epic法廷バトルを注視

フォートナイト削除に端を発するEpic Games vs Appleの法廷バトルはロシア以外の国でも大きな関心を集めています。たとえば独カルテル庁長官も2日に行われた年1回の定例記者会見の席で「ドイツとしても無関心ではいられない」と語り、裁判のなりゆきに大きな関心を寄せていることを明らかにしました。

同庁はまだ捜査に乗り出していないのですが、長官は同庁の権限内で取り締まれない問題ではないと興味津々の様子。こう述べていますよ。

ひとつはっきりしているのは、アプリのストアがこの世に2つしかないということであって、それだけでも当局が無関心でいられない理由に十分なる。アプリをつくる地球上のデベロッパーはひとり残らず2社のゲートをくぐらなければならないのだ。控えめに言っても、かなり注目している。

1.6兆円の追徴課税で1敗のEUもApple調査

一方、欧州委員会は、ソフトウェアデベロッパーにApple独自のアプリ内課金システムの利用を強制し、購読料金から通常30%を徴収するのは公正な取引きに反する疑いがあるとして、6月からAppleを調査中です。

こちらの陣頭指揮を執るのが、競争政策担当のマルグレーテ・ベスタエアー上級副委員長。サービスが利用されている国にちゃんと税金払いなさいよ!とAppleを訴えて、130億ユーロ(1.6兆円超)分の追徴課税を求めている人です。7月半ばに敗訴しましたが、上訴の構えを見せており、こちらの裁判も目が離せません。

税金払わないならサービス課税だ!ってことで、海外諸国ではデジタルサービス税導入の動きが続々と進んでいます。節税に励みすぎる米IT大手がターゲットなんだけど、個人デベロッパーの肩にもズッシリきそう。裁判ってどうしてこんなに歩みが鈍いんでしょね…。

フォートナイト難民も「そんなボタン1個、削除してさっさとストアに戻ればいいじゃん!裁判は長いんだからさ!」となっちゃいますけど、Epicのティム・スウィーニーCEOは7割捨ててでも3割Apple払いたくないのか、もはやフィロソフィーの問題だと言っています。毎日億円単位のドル札を燃やしてのろしを立てているわけで、こんなの見たことないわ…。その信号は世界に確実に届いているようです。

Sources: Reuters, iPhone Game Case, SlashDot, Lexology

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