朝、耳の中でアラーム鳴らせるのもいいね。
昨年、音響機器メーカーのBoseは独自のノイズマスキング技術を駆使した睡眠用デジタル耳栓「Sleepbuds」を発売しました。しかし、充電用バッテリーに関する苦情が相次いだことから、販売中止に。全額返金保証という厳しい対応を迫られました。
それでも、Boseは「超小型のインイヤーホワイトノイズジェネレーターを作るんだ!」という夢をあきらめませんでした。そしてめでたく、第2弾となる「Sleepbuds II」を発表したのです。
バッテリーや使用感は先代超え
前作で「社内基準に満たない」として問題になったバッテリーには新たにニッケル水素電池を採用。陽極酸化アルミニウム式の充電ケースを使えば、バッテリー駆動時間が30時間も延長可能です。BoseはSleepbudsⅡは前作よりも軽く、装着感もさらに快適になったと自信もチラリ。
Sleepbuds IIのハウジング部分の重量は約2グラム。1円玉2枚程度と、超軽量。深さは6ミリで、あらたに設計されたイヤーチップは3サイズ展開です。横向きに寝る人でも「イヤホンが耳の穴に刺さって痛い」ということは、なさそう。

臨床的にも、睡眠改善効果を確認
コロラド大学のアンシュッツ・メディカルキャンパスとUCHealth Care Innovation CenterがBoseと共同調査を実施したその結果、「Sleepbuds IIのテクノロジーは睡眠促進に効果あり」と臨床的に証明された他、研究の参加者の80%が「睡眠の質が全般的に改善した」と報告しています。とはいえ、あくまでBoseが出資した研究ですし、実際の使い勝手は自分の耳で確認したほうがよさそうですね。
高度なノイズマスキング機能。ただし、通常の音楽コンテンツは聞けない。
Sleepbuds IIの大きな特徴は、通常イヤホンでよくある「アクティブノイズキャンセリング」ではなく、睡眠の妨げになる騒音をシャットアウトする「ノイズマスキング」。こちらの機能も、前作よりさらに改良されているんだとか。
ただ、忘れてはいけないのが、Sleepbuds IIでは通常の音楽コンテンツを聞くことができないことです。スマホやPCのミュージックファイルももちろん聞けません。あくまで、睡眠時用のデジタル耳栓という位置づけなのです。その分、Sleepbuds Ⅱ(の専用アプリ)には快眠を促すサウンドが豊富に搭載されています(35トラック)。カントリーロードや海岸線、遊歩道など、あらゆるタイプのホワイトノイズをはじめ、心を落ち着かせ静かな睡眠へと誘う音色に包まれることができます。
というわけで、ホワイトノイズジェネレーターは「適当な音声を聞きながら寝る」派の方にはおすすめですが、逆に言えば日中は使い道があまりない…とも言えるので、片手落ち感も否めないかも。
ちなみに、先代のSleepbudsがBluetoothオーディオをサポートしなかった点について、Boseは「ワイヤレス受信機能を追加すると、Sleepbudsのサイズが大きくなり、快適さが妨げられる」と主張していました。

音楽や動画視聴メインの方には、普通のイヤホンがいいかも
これまでどおり、音楽やポッドキャスト、または動画音声を聞きながら寝たい方には、Samsung Galaxy Buds LiveやGoogle Pixel Buds、あとは定番のApple AirPodsが就寝時にも使いやすくておすすめです。これら3種のワイヤレスは、SonyのWF-1000XM3などの競合他社よりサイズも小さめ。とはいえ、横向きに寝る方は下になった方の耳が痛くなっちゃうかも。
価格も高め。けど、ニッチなファンにはたまらない逸品。
さらに新型Sleepbudsに難点があるとすれば価格。250ドル(約2万6000円)と、決して安くはありません。それでも「ベッドで使える超小型ホワイトノイズジェネレーターが欲しい!」という方にとって、Sleepbuds IIは非常に少ない解決策の1つです(寝ようと思ってイヤホンしても、ついつい動画見ちゃって寝られない…という私のような方にもおすすめですよー)。
Sleepbuds IIは米Boseのサイトで予約受付中。アメリカ国内では10月6日発売予定ですが、日本での販売開始時期は未定です。