ノーラン監督「役者には普段とは違う不自然な動きをしてもらった」:映画『TENET テネット』インタビュー

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  • author 傭兵ペンギン
ノーラン監督「役者には普段とは違う不自然な動きをしてもらった」:映画『TENET テネット』インタビュー
(左)主演のジョン・デヴィッド・ワシントンさん、(右)クリストファー・ノーラン監督 © 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

IMAXを激しく推奨。

ダークナイト』、『ダンケルク』でおなじみのクリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』。一体どんな映画なのか謎に満ちた今作について、監督と主演のジョン・デヴィッド・ワシントンさんにインタビューさせていただきました!

一足お先に、本編を鑑賞させていただいたんですが......予告にある以上に、時間逆転シーンが凄まじい!というわけで、今回はその撮影方法を中心にインタビューしてまいりました。具体的なストーリーには触れていませんが、ネタバレが気になる方はまずは映画を見てからお読みください!

Video: ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

── 今作の最大の見せ場となる時間逆行シーンは一体どうやって撮ったのでしょう? CGを混ぜたのですか?

クリストファー・ノーラン:まだ映画を見ていない人たちに、あまりネタばらしをしたくはないので控えめに説明しますが、極力CGは使わず、カメラで実際に撮影したものです。なので、役者には普段とは違う不自然な動きをしてもらったりと頑張ってもらいました。

撮影方法もいろんなものを駆使しています。例えば(予告にもある)カーチェイスのシーンでは、1ショットを6種類の方法で撮影しました。

毎日現場に来ては、どの要素を撮る必要があり、それをどうやって撮影するかを計画していきます。常に数学的な分析を必要とするので、どんなに撮影を重ねてもこの部分は簡単にはなりませんでした。

そのため、時系列の特定の一点を撮ったら、次の一点に移って撮るというような形で極力システム化しました。そして出来上がったものを編集でつなぎ合わせていきました。こうして、観客が今まで見たことがないような新鮮な映像を目指していったのです。

──演じる側ではどんなことをしたんですか?

ジョン・デヴィッド・ワシントン:ここは監督の方針に従って、あまり多くを語らないことにしましょう(笑)。

ともかく、今までに体で覚えてきたことは忘れて、単純なまばたきに呼吸や会話ですら覚え直すこととなりました。とにかくアクションシーンはリハーサルに時間がかかり、まるでダンスを覚えるような感じでしたね。同じシークエンスを撮ってるんだけど、まったく別のアクションシーンに思えるようなこともあり、素晴らしい体験となりました。

この辺に関しては、スタント・コーディネーターのジョージ・コトルとファイト・コーディネーターのジャクソン・スピデルに感謝したいです。彼らの共に時間が逆転する世界で、今までに見たことないアクションを開拓していくのはすごく楽しかったですよ。

「世の中に対する見方を変えてみてはどうか」という提案

他のメディアからの「今作における時間とは何なのか」という質問に対し、ノーラン監督は今作を伝統的なスパイ映画の中でSF的な説明を加えて時間を物理的に表現することで、観客に対して世の中に対する見方を変えてみてはどうかというある種の提案になっていると説明していました。映画を見てない状態では「なにそれ?」という感じかと思いますが、見終えると結構納得の行く説明だったりします。

また、監督は「不可逆であるエントロピー」に興味を持ち今作の脚本に盛り込もうとするも、なかなか他の人に説明することが難しかったため、今作も『インターステラー』で手を組んだ理論物理学者キップ・ソーンに相談し、時間が逆行したら人間は呼吸が出来ないといったようなアイデアを得たのだとか。

しかし、今作が「難解だが、観客が理解できると信じて作ったのか?」という質問に対しては、「まず自分が見てみたいワクワクするエンターテインメント要素満載の映画を作り、きっと観客もそういったものが見たいに違いないと考えているので、まずはエンターテインメントとして楽しんで欲しい」とも語っていました。実際、まずとにかくカッコいい絵面になっているので、エンタメとしてしっかり味わえるはず。

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© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

とにかくメイキングが気になる映画で、早いところその制作風景が見てみたい! ちなみにジョン・デヴィッド・ワシントンさんいわく、ノーラン監督は求める画が撮れないからか晴天には喜ばず、悪天候になればなるほどテンションが上がるのだとか。確かに天気の悪い映画だった気がする…!

ちなみに、今作のメイキング本は日本語版が映画と同時に発売予定。B4の156ページで内容盛りだくさんな様子で、絵コンテ等もあり、非常に気になる一冊となっています…!

映画『TENET テネット』は本日9月18日(金)全国公開!

Source: 映画『TENET テネット』オフィシャルサイト、YouTube (12)

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