watchOS 7は、このディストピアにピッタリなアップデート

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watchOS 7は、このディストピアにピッタリなアップデート
watchOS 7でついにネイティブの睡眠トラッキングが搭載。ウォッチフェイスにコンプリケーションとして追加できます。 Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

今の時代にピッタリな機能が追加されました。

今月、Apple Watch用のwatchOSの最新アップデート、watchOS 7のパブリックベータが公開されました。米GizmodoのCaitlin McGarry氏はそれ以前から開発者用のベータを利用していたので、今回は一ヶ月以上使用した時点でのちょっとしたインプレとなります。様々なテック企業がこのコロナ禍での生活に対応した機能を自身のガジェットに追加していますが、今回のアップデートもやはりそんな機能が備わっている様子。それ以外に関してはちょっと残念なようですが…見てみましょう。


手持ちのデバイスをアップデートして、「わぁ、このOSアップデート、今のディストピアを生きるのにピッタリな機能が詰まってる! 」と思うことはそうないと思いますが、現在パブリックベータがインストール可能なwatchOS 7を使うたび、私の脳をそんな言葉がよぎるのです。

今年の秋に正式リリースが予定されているApple Watchのソフトウェア・アップデートは、「手洗い機能」なんてものも含まれています。これは、ウォッチのセンサーとマイクが手洗いの動きと水の音を検知すると20秒のカウントダウンを行なうものです。コロナウイルスを洗い流せるように、しっかり手を洗いましょう!ってことですね。他にも睡眠トラッキング機能などがあり、実際に睡眠に入る前にどれだけの時間をベッドで過ごしたかを記録し、ちゃんとリラックスできているかを調べます。2020年という悪夢としか思えない1年の事を考えて、一杯一杯な頭を落ち着かせてくれる機能でしょう。運動に関しては、ダンス、筋力トレーニング、体幹トレーニング、それにクールダウンなど家でもできるワークアウトが新しく用意されています。マップには新たに自転車用のルートが追加され、人で混む電車を使わなくて済むようになりました(こんな事態になるまでは、LAに引っ越してきたばかりの私はNYの地下鉄が恋しかったんです。)。

平常時でも便利そうな機能ばかりですが、このコロナ禍では特にタイムリーに感じてしまいます。

現時点(8月10日)で、私はwatchOS 7 開発者用ベータをApple Watch Series 4に入れて6週間ほど使っています。最初の2バージョンは私のウォッチのGPSを完全に無効化させたりといくつか問題がありましたが、一般公開されたベータとほぼ同じのBeta 4は安定して使えています。ご存知の通り、ベータのソフトウェアを日常的に使うデバイスにインストールするのはリスキーで、しかもwatchOSの場合、ペアリングされているiPhoneにもiOS 14ベータをインストールする必要があるので、リスクが倍になります。そして当記事はOSのレビューではなく、あくまでベータと過ごした時間によるインプレです。それらを踏まえた上で読み進めて下さい。

ちょっと期待はずれな睡眠トラッキング

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睡眠スケジュールはiPhoneのヘルスケアアプリを通じてか、直接ウォッチからも設定できます。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

watchOS 7でAppleがついにネイティブな睡眠トラッキングをつけると発表したとき、私は興奮したものです。睡眠と活動には密接な関係があり、両方のデータを見ると、ユーザーの健康についてより深く調べることができます。しかし、過去数週間新しい睡眠トラッキングを使ってみた感想は非常に…うーん

睡眠トラッキングのセットアップは簡単です。新しく追加されたSleepアプリで毎日の睡眠スケジュールを設定します。私の場合、ウィーク中は23時から7時半までですが、ゴールを設定した上でwatchに最適な就寝時刻と起床時刻を提案してもらうこともできます。また、Wind Down機能を使うと、就寝時刻の45分前からおやすみモードになるようにも設定でき、起床時にはちょっとしたアラームと振動で起こしてくれます。

これらはいいのですが、私のiPhoneにも同じ機能が(手首の振動で起こしてくれる以外は)あります。ウォッチの睡眠トラッキングが有用になるためには、データが必要です。私は寝てるとき寝返りをうっているのか? ワークアウトの量と睡眠の質の関係性は? ウォッチが別にトラッキングしている、私の生理との関係は? これら全てがお互いにどう関係しているのか? ウォッチの持っているセンサーと私が入力しているデータを合わせれば、Apple Watchは私の健康の全体像を見せられるはずだと思うのです。

しかし実際には、iPhoneでヘルスケアアプリを開いて横になっていた時間や実際の睡眠時間を見なければなりません。最新のベータでは睡眠中の心拍数も確認でき、これ自体は便利なのですが、ヘルスケアアプリでこのデータだけを見ても…正直あまり意味はありません。しばらく使い続けていると、全体の傾向を見ることができるようになります。Watchによれば、私は一晩あたりおよそ7時間弱の睡眠をとっているそうですが、そのくらいは既に知っているし、これから使い始める方も、自分の睡眠について今まで知らなかったことが分かるようになるとは思えません。

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iPhoneのヘルスケアアプリを通して、一週間あたりの睡眠傾向の内訳を見ることができます。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US
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こちらは安静時の心拍数です。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US
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内訳は結構な情報量です。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

Appleの睡眠トラッキングは意図的にシンプルになっている、とApple Watchのソフトウェア主任であるKevin Lynch氏はCNBCにコメントしています。携帯を見なくしたり、瞑想したりといったより良い睡眠を取るためのクセをつけさせるという意味で、AppleはWind Down機能により重きをおいているようです。確かに私も好きですが、同時に睡眠トラッカーにもっと機能がほしいと感じるのです。iPhoneでは既に私はWind Downを使っており、ウォッチ以上に集中を乱すスマホではかなり有効だと思います。

限定的な機能の他で、睡眠トラッキングについて私が1番訊かれたのは、電池消費についてです。ウォッチを一晩中つけて寝ると、電池を20%消費します。なので、寝る直前か朝起きてすぐに充電しないと、朝食を食べる頃にはウォッチは死んでいます。正直、充電するクセをつけるのは楽ではありませんでしたが、不可能ではありません。それにiOS 14では、ウォッチの充電が完了して装着できるのをiPhoneが教えてくれるので親切です。

手洗い忘れないで、マジで

手洗いカウントダウンは、ディストピアンであると同時に便利な機能です。コロナ対策のためにアメリカ疾病予防管理センター(CDC)が推奨している20秒の手洗いは、センサーとマイクが手洗いの動きと水の音を感知した段階からスタートします。手を洗って数秒後に手首に振動を感じますが、その最初の数秒もカウントされているのでご安心を。私の場合、振動を感じて時計を見ると、既に16秒になっています。

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手洗いタイマーは、振動を感じた時点ですでに16秒から始まっていることが多いです。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

手洗い道を極め、アラームがなくても20秒がキッチリわかる人もいるかも知れませんが、私の場合必要以上に洗っていたようで、別にそれ自体はいい事なのですが、いつも手が非常に乾いていました。

設定は簡単で、ウォッチかiPhoneのヘルスケアアプリを開き、Handwashingという新しいセクションからオンにできます。ここでは、20秒の手洗いタイマーと、場所を検知し、家に帰ったと分かると手洗いするように促すリマインダーもオンにできます。

新しいワークアウト

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クールダウンはwatchOS 7で新たに追加されたトラッカーです
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

watchOS 7にはいくつか新しいワークアウトトラッキングが搭載されていますが、ちょっと期待はずれでした。体幹トレーニング、機能的筋力トレーニング、そしてクールダウンは新しい機能です。一方、AppleはダンストラッキングもwatchOS 7の新しい機能だといいますが、これは正確でありません。アルゴリズムが改良され、上半身と下半身の動きをそれぞれ計算し、より正確なカロリー消費量をトラッキングできるようにしたのです。

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watchOS 6でも7でも、ダンスクラスでのカロリー消費量は同じでした。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

私は有酸素運動を目的としたライブストリーミングのダンスクラスを週二回受けていますが、クラス後にカロリー消費量をアクティビティアプリで確認すると、結果はwatchOS 6と7で大差はありませんでした。体幹と筋力トレーニングは回数やセット数はトラッキングせず、ただカロリー消費量と時間のみが記録されます。まぁ、それぞれ異なったワークアウトごとにクレジットをくれるようになったので、それはいいんです。でも、過去のApple Watchのフィットネス用アップデートに比べると、どこか物足りないんです。

より増えたウォッチフェイス

Apple Watchのユーザーは常に新しいウォッチフェイスを求めており、今でも自分でデザインは(少なくとも0からは)できませんが、watchOS 7で種類は増えました。

新しいChronograph Proフェイスはタキメーターがついており、距離や速度を表示してくれます。飛行機好きや車好きには便利かもしれません(私はどちらでもないので、このウォッチフェイスはお気に入りではありません)。ウォッチフェイス自体は非常に大きく、コンプリケーションは四方に散らばせて読みづらくならないよう、全て中央に集まっています(時計自体が大きいため、視力が悪い人にもいいウォッチフェイスかもしれません)。また、自分の写真を選べるウォッチフェイスは、写真にフィルターを追加できるようになりました。おかげで、手首を見れば世界がめちゃくちゃになる前の時代をいつでも思い出すことができます。

しかし、watchOS 7で最も大きな変化はフェイス共有です。WatchとiPhoneのアプリストアでは、カスタマイズされたウォッチフェイスを自分用にインストールすることができ、SMSやURLを通じて自分のフェイスを友だちと共有することができるのです。とはいっても、完全に自分独自のデザインができるわけではなく、目新しい色やコンプリケーションの組み合わせをストアで選べるというだけなのですが。コンプリケーションをしょっちゅう変えようと思わない方なので私自身はまだ試していませんが、ストアでセレクトされたコンビネーションがどういうものなのか興味はあります。

細かいようで大きな変更

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強く押して通知を消すことはもうできなくなりました。
Image: Caitlin McGarry/Gizmodo US

watchOS 7になってApple Watchの使い方で1番大きく変わったのは、感圧タッチの撤廃です。これはAppleが今回のOSで完全になくしました。通知を消すのに感圧タッチを使っていたので、これは大きな変化です(代わりに通知リストのトップに全てを削除するボタンが追加されました)。Apple Watchが発売されて以来、ウォッチフェイスの変更やアプリの特定の機能を使うために感圧タッチが使われてきました。ウォッチはスクリーンが小さいので、様々なタッチ方法で操作するのは理にかなっていたのです。

しかし、Appleは徐々に感圧タッチをフェーズアウトする方針を進めてきました。例えば、ワークアウトの終了やウォッチフェイスの変更の方法をすでに変えていました。完全になくなってしまった今、強く押して通知を削除する方法に慣れてしまった身にはさみしいものがあります。いずれ慣れるでしょうが、ちょっとだけ感圧タッチが恋しいです。

大きな期待

総合すると、特に睡眠トラッキングなどの点において、watchOS 7のアップグレードは期待していたよりもベーシックなものでしたが、同時に今の時代にタイムリーな機能も備えています。

私が今もっとも注目しているのは、秋に正式リリースされるwatchOS 7と共に登場するであろう新たなハードウェアです。それによって、電池持続時間の向上やより高度なヘルスケア関連の機能など、もっと有意義な改善が期待できるかもしれません。読者のみなさんは、次のApple Watchにどんなアップグレードを期待していますか?

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