ゲーミングノートPCメーカー4社に聞く「ライバル製品どうですか?」:ガジェットメーカーさんいらっしゃい!

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  • author 武者良太
ゲーミングノートPCメーカー4社に聞く「ライバル製品どうですか?」:ガジェットメーカーさんいらっしゃい!

やんちゃなパワフル系もいいし、バランス追求系もいいよねえ。ゲーミングノートPCって。

お久しぶりでございます。1年ぶり4回めとなった、ガジェットメーカーさんいらっしゃいの時間でございます。自社製品の尊きトコロを全身全霊でプレゼンってもらうと同時に、ライバルメーカーの優れモノの気になるところも聞きだしていただくメーカーズ・アッセンブル。今回のお題は、コイツだ!

ゲーミング・ノート・PC!

ノートPCは軽さとバッテリーライフを重視したモノばかりで、処理パワーが必要なゲームには不向き。ゲームユースなPCはデカくてパワーに優れるデスクトップが主流、でした。

ところが近年は、ノートPCの姿をとっていながらも、CPUもGPUも強力なヤツを積んだバッキバキのマシンが増えてきているんですよ。ベッドルームで、リビングで、ベランダで、移動中の電車でもゲームの世界にヒアウィーゴーできちゃうなんて素晴らしすぎます。いまからPCを買うならゲーミングノートPC。そう考えている方も多いのでは。

だからこそ知りたい! PCメーカーのみなさんがプッシュするゲーミングノートPCのことを。そしてライバルたちのことをどう感じているのかを。 どうぞよろしくお願いいたします!

Zoomで集っていただいたゲーミングPCメーカーのみなさま

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昨今の状況もありますが、「『エヴァンゲリオン』みたいなビジュアルにしてよ」という尾田編集長の強い希望もあり、今回の対談場所となったのはZoom。編集部に実機を送っていただいて、オンラインでトークです。上の写真で左から順番にご紹介します。

Dell Technologies(デル・テクノロジーズ): ALIENWARE Area-51m R2

Dell (現デル・テクノロジーズ) はいちはやく直販サービスを手掛け、安くて高性能なPCが手に入ると人気が出たメーカー。2006年にゲーミングPCメーカー ALIENWAREを買収、その名はゲーミングPCブランドとして愛されています。

ご担当者はデル・テクノロジーズ株式会社 コンシューマー&スモールビジネス営業統括本部 製品戦略部 プロダクト マーチャンダイジング シニアアドバイザー、松原大(まつばら だい)さん 。

Razer(レイザー):Blade 15 Advanced Model

もとはマウスなどゲーミングデバイスを扱うブランドでしたが、2011年よりノートPCの生産を開始。薄型なのに高速で、ゲーマーのみならずハイスペックPCを求めるクリエイターたちのハートも掴みました。

ご担当者はRazer Inc. リージョナルセールスマネージャー、ビリー・メイさん 。

Lenovo(レノボ): Legion 750i

企業向けのThinkPadをはじめ、一般消費者向けのプレミアムブランドYogaなど幅広いラインアップを展開するPC世界シェアNo.1の超巨大企業。2013年ごろよりゲーミングPCをリリースし、現在はLegionシリーズを頂点としたPCを生産しています。

ご担当者はレノボ・ジャパン株式会社 コンシューマ製品事業部プロダクトマネージャー、藤井宏明(ふじい ひろあき)さん 。

ASUS(エイスース):ROG Zephyrus G14

台湾の小さなアパートの1室からスタートしたPCパーツメーカー。それがいまやスマホもパソコンも作る巨大企業に。ROG(リパブリック オブ ゲーマーズ)のブランドでゲーミングPCやスマホを展開。

ご担当者はASUS JAPAN株式会社 マーケティング部 テクニカルPR、瀬口佳吾(せぐち けいご)さん。

くじ引きで決めたプレゼン順番はDell Technologies→Razer→Lenovo→ASUS。それでは、一番手の松原さん、お願いします!

Dell Technologies「ALIENWARE Area-51m R2」:デスクトップ用のパーツを載せ替え可能なモンスター

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Photo: 武者良太

ギズモード・ジャパン編集部(以降ギズ):トップバッターはDell Technologiesの松原さん、お願いします。いきなりすごいの来ちゃいました。ACアダプターが2つ必要な、超巨大ノートです。

松原さん(Dell Technologies、以下Dell):はい、よろしくお願いします。今回ご紹介させていただくのは「ALIENWARE Area-51m R2」。ALIENWAREノートブックの中で最上位の機種になっております。

この商品の特徴をシンプルにお話しすると、デスクトップ用CPUを搭載しています。いわゆるComet Lake-Sといわれる第10世代のCore i9を搭載しており、かつフルカスタマイズができるので、CPUにオーバークロック(CPUのリミッターを解除しパワーを限界まで引き出す行為)に対応したKシリーズも選択できるモデルです。

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松原さん(Dell):またALIENWAREはライティングにかなりこだわっていまして。電源ボタンのところとキーボード、タッチパッド、あと背面の排気口とAreaロゴの5カ所で、1,677万色のカラーが設定できます。あとゲーミングPCでは結構珍しいんですが、テンキー付きのキーボードを採用しました。またPCゲーミングの場合、マクロキーを使われている方が結構多いので、テンキーの上にマクロキーを4つほど設けて自由に設定できるようになっております。

もう1つ、実はALIENWAREはクリエイターの方にもかなり好評をいただいている製品になっております。その需要に応えるべく、フルサイズのSDカードスロットを標準装備して、オプションで4KのAdobeRGB 100%ディスプレイも選択できます。

ギズ:ALIENWARE Area-51m R2は...なんと言いましょうか、ノートPCの形をしているけど、実質デスクトップPCなんですよね?

松原さん(Dell):そうですね。

ギズ:ALIENWAREには普通にデスクトップPCもある中、ここまでしてノート型のボディにまとめる執念は、どこから湧いてきたのでしょうか。

松原さん(Dell):ALIENWAREはもともとアメリカのブランドをDellが買収させていただいたもので、デスクトップPCがメインプロダクトだったんですね。アメリカは圧倒的にデスクトップPCの市場が大きいのですが、日本は圧倒的にノートPCの市場が大きい。置き場所が少ない中で高い性能を求めるユーザーが日本では多いわけですが、じつはアメリカでもそういったニーズが増えていたんですよ。そこで13年くらい前から、ハイスペックのノートPCをずっと作り続けてきました。

ギズ:Area-51mはCPUなどを交換できますが、たとえば秋葉原のショップとかで買ってきたCPUでも交換できるんですよね?

松原さん(Dell):そうです。デスクトップのCPUを載せかえできるコンセプトを、ALIENWARE Area-51mから採用させていただいております。GPUは専用パーツを交換していただく形になるのですが、CPUは汎用性が高い市販パーツ(バルク品)を使っていただけます。

藤井さん(Lenovo):この製品、どれぐらいの規模でどんな成り立ち方をするんだろうと販売ボリュームを考えると、Lenovoは怖くて、絶対踏み込めない領域だと感じています。これはやっぱり固定のファンの方、ブランドのファンの方が多いのでしょうか。

松原さん(Dell):そうですね。販売台数の比率は公表できませんが、ALIENWAREのブランディングの一環として評価いただけていると考えています。

ギズ:このPCを作るにあたり、いろんなパーツを一から設計したと思うんですが、その技術は他の製品に影響するんでしょうか。

ALIENWAREのラインナップ
ALIENWAREのラインナップ。
Image: Dell

松原さん(Dell):はい、ALIENWAREのm15とm17は、軽量・薄型を実現するためにArea-51mから再設計しています。ゲーミングPCは熱の排気とスペックのバランスが一番求められる中、ALIENWARE Area-51mは考えうる限界までハイスペックの部品を積んで、ノートの形にできるかどうかというコンセプトです。

ギズ:では、ALIENWARE Area-51mは制限なしで自由に設計した結果生まれたマシンと。

松原さん(Dell):そうですね。デザイン性を重視したPCです。

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Photo: 武者良太

ギズ:僕が触っていて気になったのがこのキーボードなんですね。(キーをカチカチ押す)音、聞こえますかね? メカニカルキーではないとのことですが、カチっとしたクリック感があります。なぜ、ここまではっきりしたクリック感をもたせたんでしょう。

松原さん(Dell):1.7ミリストローク、Nキーロールオーバー(すべてのキーを同時に押してもきちんと入力される)タイプです。プロゲーミングチームTeam Liquidさまの選手の意見を取り入れたもので、キーボードのタッチ感も何度もテストしていただきました。DellはアメリカとヨーロッパにAreaFactoryと呼ばれる大きいトレーニングセンターを持っていますが、そういうトレーニングルームはデスクトップPCが置けないので、ALIENWARE Area-51mで戦略を立てていただくことがあります。なので、キーボードに関してはいろんなフィードバックを得て操作性を追求しました。

ビリーさん(Razer):1点、質問いいですか? 本当にデスクトップPCレベルのパーツ、CPUまで搭載されていますが、今後この技術を応用した小型のデスクトップ製品を出される予定はございますでしょうか(笑)。

松原さん(Dell):なかなか際どい質問ですね(笑)。各社さんもそうでしょうけど、ゲーミングPCは性能を求められるユーザーさんが非常に多いので、新しいCPUが出るタイミングですね。デスクトップですと、次のTiger Lake世代に移行していきますが、そこは「乞うご期待」になります。

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Photo: 武者良太

瀬口さん(ASUS):私からもいいですか? ALIENWAREさん、前から白を基調カラーにされていますよね。ゲーミングPCだとすごく珍しく感じていました。

ギズ:ゲーミングPCってブラックのイメージが強いですよね。

瀬口さん(ASUS):はい。だから、ホワイトがかなり目立っていて。デザイン性がすごく高いという意見もたくさん拝見しています。あと気になるところは、トラックパッドの配置と、あとディスプレイの後ろに大きく張り出した黒い部分に何が入っているのかですね。たぶん放熱フィン(ヒートシンク)だと思うのですが。

松原さん(Dell):まず白基調ですが、1世代前のALIENWARE Area-51m R1からホワイトを採用させていただきました。黒の筐体もあるのですが、宇宙船というコンセプトがあって、日本ではかなり白を推しているんですね。日本のマーケットって実は、白いPCのニーズがかなりあるんです。たぶん、カラーの作り分けはみなさん苦労されている部分だと思うんですけど、ALIENWAREはもうコンセプトとして、最初から白と黒を出すと決めてやっております。

ギズ:ちなみに、筐体の白い部分はプラスチックですか? 不思議な手触りです。

松原さん(Dell): これは、マグネシウム合金になります。 汚れ防止のコーティングがしてあります。白ってどうしても汚れが目立つので、UVコーティングなど研究を重ねて、汚れにくい白をつくり上げました

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Photo: 武者良太

松原さん(Dell):タッチパッドは本体の中央に寄せるやり方もあったんですが、やはりゲーミングPCですので、スペースキーの真下です。背面の黒い部分は、おっしゃるとおりヒートシンクです。一部ボードも入っていますが、完全に排熱のためのスペースと考えていただければ。

ギズ:じゃあもうこの黒い部分に、びっしりヒートシンクが詰まっているんですね。

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Photo: 武者良太

松原さん(Dell):排気口は全部で4つ。背面に2つと左右に1つずつ付いております。吸気口は底ですね。ファンは70mmを2つ。第10世代のComet Lake-Sのシリーズは発熱量が高いので、ヒートシンクの素材もかなり良いものを使ってオーバークロックに対応させています。

あとは、黒いパーツにあわせて、モニターのヒンジ位置がすこし前になってるのが特徴ですね。本体の一番後ろにヒンジをつけるとどうしてもディスプレイ下のベゼルが大きくなってしまうんです。私たちは没入感をすごく大事にしてます。ベゼルの4辺をいかに細くできるモニターを作れるのか?と考えて、モニターをあえて前に持ってくる選択肢を取りました

ギズ:なるほど、画面の下の余白を作らない効果もあると。

松原さん(Dell):そうです。なので、後ろが出ている本体の大きさよりも、17.3インチのモニターを最大限生かせる位置で、本体のデザインを考えてた形です。

ライバルから見た「ALIENWARE ブランド」

ギズ:みなさんから見て、「ALIENWARE」さんはいかがですか?

藤井さん(Lenovo):いやもうとにかく、デスクトップCPUを搭載したALIENWARE Area-51mが何よりもすごくて。それを開発・商品化して、販売まで持っていけるのはさすがDellさん、さすがALIENWAREです。利益を優先すると手堅いプランを立ててしまうところ、ダイナミックに「ゲーミングPCはパワフルに動いてなんぼ」という振り切りができているところに素晴らしさを感じますし、私たちもそんなチャレンジをしてみたいと憧れます。

瀬口さん(ASUS):私はデザインが洗練されているところが素晴らしいと感じました。パワー特化のゲーミングPCは大きいボディになりがちで、どうしてもスタイリッシュさよりがっちりした筋肉のようなイメージになるんですけれども、爽やかに仕上げてきている。宇宙船とおっしゃっていましたが、これだけのパワーのものをスタイリッシュに魅せるデザインにすごく惹かれました。

ビリーさん(Razer):藤井さんのおっしゃるとおり、相当に振り切った構成・スペックはなかなか他社にはまねできない。デスクトップマシンのパワーをノートブックで実現してしまえるのは強いところですね。あと、没入感を実現するために、あえてディスプレイを手前に配置するところは、ユーザー体験がとても重視されてると感じます。

Razer「Razer Blade 15 Advanced Model」:ゲーミングPC業界トップレベルの薄さ

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Photo: 武者良太

ギズ:次はRazerさんのマシン、お願いします。

ビリーさん(Razer):よろしくおねがいします。私からは、6月に発表した「Razer Blade 15 Advanced Model」を紹介します。名前のとおり、ディスプレイサイズ15インチのモデルです。CPUは8コアのIntel Core i7 10875Hを採用し、パネルは300HzのフルHDパネルもしくは有機EL 4Kタッチの2種類から選べます。Razerもクリエイターを意識して、Dellさんと同じようにSDカードリーダーを搭載しておりまして、とても好評をいただいております。

おおきな特徴として、まずインターフェースがとても豊富であることですね。Wi-Fi 6、Thunderbolt 3、HDMI、USB Type-C、USB Type-A(USB3.2 Gen 2)も3つ搭載しておりまして、USB-Cの充電にも対応しています。

みなさんご存じですが、ゲーミングノートのPCアダプターは非常に大きくて重い。多くの電力を供給するためにはどうしてもそうならざるを得ないんですけれども、飛行機に乗るときとか、電車の中とか新幹線の中とか、大きいアダプターを取り出して充電するのは大仕事です。しかし、Blade 15 Advanced Modelは、スマホとかで使っている20W以上のType-C ACアダプターであれば充電ができる仕様です。

ギズ:え、20Wくらいから使えちゃうんですか!

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Photo: 武者良太

ビリーさん(Razer):はい。もうひとつの特徴は、薄さですね。筐体は全部アルミ製のユニボディで、厚みは17.8ミリ。ゲームPC業界の中でもトップレベルの薄さではないかと。

薄さのために、「ベイパーチャンバー」クーリングシステムを採用しています。原理的にはPCの冷却でよく使われるヒートパイプと同じですが、より薄いのがポイントです。放熱だけでなく断熱シートを使って熱の移動をコントロールして、ユーザーさんが快適に使えるよう設計に注力しています。薄さとパワフルさの両立を目指しています

ギズ:今回、お招きしたゲーミングPCメーカーさんはみなノートとデスクトップの両方をラインナップにそろえられていますが、RazerさんだけはノートブックPCオンリーなんですよね。これはユニークだと思っていて、なぜノートPCにこだわるのか、デスクトップPCを作らないのかは、今日すごく聞きたいことです。

ビリーさん(Razer):Razerとしては、ユーザーさんの成長性の高いノートブックに開発リソースを集中させているためですね。

松原さん(Dell):Razerさんはとことん薄型にこだわりがあるメーカーさんのイメージです。開発していくなかで、圧倒的なこだわりを持って薄くしているのか、それとも、もしくは性能に応じて薄さもある程度フレキシブルに変えるのか、どちらの考え方なんでしょうか。

ビリーさん(Razer):基本的には薄さと軽さにこだわりたいですね。もちろん、パフォーマンスも両立するのが最大の使命で、そこを目指して開発しております。

松原さん(Dell):薄さにこだわる中、もう絶対載らないパーツがあるなら、そのパーツはあえて載せないんですか?

ビリーさん(Razer):パーツの利用シナリオとかにもよりますけど、結局そのときそのときのニーズで何が強いのか、そこを製品に反映していきたいなと思います。

藤井さん(Lenovo):今、薄くなっているのを待っているパーツとかってありますか。これ、まだ厚いから載せられないな、みたいな部品とか。

ビリーさん(Razer):載せられないパーツはたぶんないですが、薄さを追求するためにLANポートを載せていないマシンはありますね。

松原さん(Dell):そうだ、Razerさん、LANないんですよね、そうだ。

ビリーさん(Razer):アドバンストモデルはないですね。17インチと15インチの下位モデルはあります。

松原さん(Dell):Razerさんは本当に的を絞っていて、薄さ・軽さへのこだわりは、私たちPCゲーミングメーカーの中でも一目を置いている部分ではありますね。あと、ちょっとお聞きしたかったのがRazerさんのロゴ。我々はALIEN(エイリアン)WAREだからグレイ(宇宙人)の顔なんですけど、Razerさんのロゴって何なのか、周辺機器メーカーの時代から気になっていたのでいま聞いちゃいます。

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3匹の蛇がからみあうRazerのロゴ。電源を入れると光ります。
Photo: 武者良太

ビリーさん(Razer):Razerはもともと英語のかみそり(Razor)の意で「o」を「e」に変えたところが由来ですね。ロゴは社内ではTHS、トリプルヘッドスネークって呼んでるんですけど、Razerが創立して間もないころ、マウスを作っていたときに創立者のひとりが「競合(のマウス)を食べてしまおう」という思いで付けたんです。なので、マウス製品はすべて蛇など爬虫類の名前なんですね。

ギズ:なぜ3匹なんです? 意識してた競合さんが3社いらっしゃったとか(笑)。

ビリーさん(Razer):すべての方向において、みんな食べちゃう!という考えなのだと思います(笑)。

ギズ:このロゴすごく光ってますね。Razerさんもライティングに力を入れていますよね。

ビリーさん(Razer):ロゴに限らず、ライティングは充実していますね。Bladeだけの機能ではないんですが、Razer Chroma RGBというエコシステムをあらためて紹介させていただきます。

これは世界最大級の統合ゲーミング・エコシステムと自負しておりまして、Razerとパートナーさんの共同でライティング環境を実現しています。パートナー企業は40社以上、全体で500以上の対応製品を出していただいております。「Razer Synapse」ソフトウエアがあれば、これらの製品すべてのライティングをコントロールできます。

またゲームメーカーさんとも協力して、ゲームのシーンに応じてライティングを変えるなど、没入感を高める演出の共同開発もしております。例えば、プレーヤーキャラクターの体力が減ると、それに応じてライトアップを変えるなどして、より没入感を高められます。

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Photo: 武者良太

瀬口さん(ASUS):Chroma、いろんなゲームと連動して光る機能があるんですけれども、例えば『Apex Legends』でしたらダウン中に赤くなるとか、そういった機能がノートPCにも付いているんですか?

ビリーさん(Razer):アドバンストモデルですと対応してますね。キーごとにRGBはバラバラに制御できますので、ゲームのシーンに応じて制御されます。ベースモデルは全体が同じカラーで光るシングルゾーン仕様です。

藤井さん(Lenovo):キーボードのキーを1つずつ光らせることができるじゃないですか。正直コストがかかると思うんですが、なぜそうしているのか意図をぜひお聞きしたいです。

ビリーさん(Razer):やはりユーザーに表現の自由性を持たせたいんですね。先ほどお話ししたゲームとの連動もありますが、1つのカラーだけだと厳しいので、それぞれ調整、制御できる仕組みを用意しています。

ギズ:RGBで光るのは、これってどこから始まったんでしょうか。

ビリーさん(Razer):RGBカラーは周辺機器メーカー時代からで、ノートPCもそのスタイルを引き継いでいますね。没入感が大きな理由です。ゲーマーは暗い部屋の中で遊ぶイメージがあるじゃないですか。そこで光らせることで、色を付けたりとか、そういったところが由来ですね。

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Photo: 武者良太

ライバルから見た「Razer ブランド」

松原さん(Dell):ALIENWAREでも、かつて携帯性を重視した13インチのシリーズを作っていたんですが、バランスが難しい点と、その市場に対する期待感を見て諦めてしまった部分があるんですね。私たちが諦めた薄さの追求Razerさんがそこに対して、圧倒的にこだわっているところが、市場でもしっかり受け止めてられている点がたいへん参考になります。

瀬口さん(ASUS):ディテールすべてにわたってこだわりがあるところが凄いんですよね。薄さとシンプルさが純粋にかっこいいですし、ライティングやUSB-C充電などチャレンジもされていて、本当にもう尊敬してます。

藤井さん(Lenovo):私がRazerさんですごいと感じるのは、周辺機器との全体的な親和性が高いところです。PCのみならず、全部のライティングを一気通貫でコントロールできるのって、Razerさんだけだろうと。

変な話ですけど、私はマウスもヘッドセットもRazerを使ってまして、そうなると「PC本体もRazerで!」ってなると思うんですよね。戦略として、まず周辺機器から固めて、最後に大物を釣るようにPCを出してくることで憧れのプロダクトになれるんだなと。

あとはブランドイメージですね。持っているとかっこいい。私が言ってしまうとあれなんですけども、LenovoのゲーミングPCを持ってカフェでお茶をする人はなかなかいないと思うんです(笑)。でもRazerさんなら、もしかしたらそれがなじむかもしれない。モバイルできるゲーミングノートのカテゴリをどんどん切り拓いてほしいなと期待しています。

Lenovo「Legion 750i」:ビジネスPCからもよいパーツを惜しみなく投入

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Photo: 武者良太

ギズ:では次にLenovoさんのマシンですね。藤井さん、よろしくお願いします。

藤井さん(Lenovo):あらためましてこんにちは。まず、Legion(レギオン)という名前を聞いて何のこと?となる方も多いと思うんですけど、我々もLegionブランドを立ち上げて4~5年ぐらい、ようやくみなさまに知られてきました。

「レギオン」ってガメラと戦ったあの宇宙怪獣?なんて言われるんですけど、これ、実は違いまして。音の響きとしては「リージョン」のほうが近いんです。

ただリージョンだと、地域とかエリアみたいな意味合いが強い。Legionは軍隊とか、兵隊とか、群衆で戦うみたいな意味合いのある単語です。日本国内だとカタカナ読みでレギオンのほうが直感的なので、「みんなでこのPCで戦おう」っていう名前だとご理解いただけたら。

Legion 750i」のコンセプトなんですけれども、あくまで見た目は普通のノートPCのようにスタイリッシュ、でも中身はゴリゴリのゲーミングPC、というものです。スタイリッシュ&サベージ(残忍)というキーワードで開発・販売をしています。

ギズ:最初にこのマシンを触って驚いたのは、カメラの物理シャッターですね。カメラを物理的に閉じられるノートPCってほとんどなくて、Lenovoさんだとビジネス向けのThinkPadで採用されている機能です。少しでもコストを削っていく設計が多いなか、カメラのプライバシーにコストを掛けているのは珍しいです。

藤井さん(Lenovo)いいパーツはなんでも使おうよっていうのが理由です。Legion 750iの前世代に当たるモデルが、カメラがディスプレイの下に付いていてですね。顔がしゃくれると評判がいまひとつだったので、カメラを上部に移すに当たってThinkPadで採用されているものを導入しました。

スペック面もストレートに一番いいパーツをそろえています。CPUのCore i7に、GPUがRTX 2080 SUPER、Legionのフラグシップモデルになるので、パーツにはとてもこだわっています。冷却パーツも注力していて、Razerさんと同じくベイパーチャンバーを採用、液晶ポリマーファンでよく冷えます。

実はさっき、Dellさんのお話の中で「あ、それまったく同じだな、もしかしてLegionが真似たんじゃないか」っていうところがあるんですけども、ディスプレイのヒンジが前にずれて付いているんです。このヒンジの形状にしたことによって、吸気は底面から取るんですけれども、排熱が左右と、後ろ側に2カ所、計4方向から排気ができるようなデザインになっています。これで、薄型の筐体でもRTX 2080 SUPERを積めるように工夫しました

同時に有線LANやLANといったポートを背面に集約しています。ゲームをプレイするとき、本体の横にポート類があるとに つないだケーブルが操作の邪魔になります。ポート類を後ろに寄せたことで、左右がすっきり使えるんですよ。このちょっとずらしたヒンジの構造、4方向の排熱、背面にポートを寄せること...デザインはDellさんに似てくるんですね。

ギズ:機能を突き詰めていくと、みんな近いデザインに落ち着くのかもしれませんね。

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普通のホームポジションのFキーのほか、Sキーの表面にも凸がある
Photo: ギズモード・ジャパン

藤井さん(Lenovo):次にキーボードを見ていただきたいんですけれども、キーボードも結構こだわりがあります。前のモデルは15インチでテンキーがなかったんですけども、Legion 750iではあえて付けてます。付けた理由は、WASDのキーを十字キーの代わりに使ってゲームすることが多いんで、画面の左側にキーが寄っていたほうが操作しやすいんですよね。そこで、WASDを左に寄せるためにあえてテンキーを入れています。

あと、すごく細かいんですけれども、「S」のキー、「5」のキーにもホームポジションと同じ突起があります。ホームポジションって、普通ブラインドタッチのためにFとJのキーに指先でわかる突起をつけていますが、Legion 750iではSと5にも付けていて、暗い部屋でもWASDキーがわかるようにしています。

ギズ:なるほど、ゲーマーのためのホームポジションなんですね。私、LenovoさんのThinkpadキーボードを使っているのですが、それと比べるとキーストローク浅いですよね?

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Photo: ギズモード・ジャパン

藤井さん(Lenovo):そうなんです。ゲーマーホームポジションですね。キーストロークは実はそんなに深くなくて。1.3ミリとかなんですよね。薄く作ろうとしたことが理由ですけども、キースイッチもそれにあわせて変えました。前のモデルは比較的クリック感がありましたけれども、750iは比較的ソフトなタッチになっています。

キーストロークが浅い中で反発力が高いと、プレイに白熱したときキーから指が離れてどこを押してるのか分からなくなるという意見があって、ずっと指先にキーの感触が残るようなスイッチを使っています。

タッチパッドもゲーマーはあまり使わないとは思うんですけど、引っかかりをなくすように、左右ボタンのないものにしました。以前、ボタンありのタッチパッドで腕がひっかかるという話があったので、ゲーマー目線で1ピースにしました

瀬口さん(ASUS):キーの形状が面白いですよね。キーボードのキー1個1個が結構丸みを帯びてるのか、カーブが深いのか分からないんですけど、ユニークですよね。

藤井さん(Lenovo)アキュタイプキーボードと呼んでいるんですけれども、正確にタイプできるデザインとして、個人向け、ビジネス向け問わず、このデザインのキートップを採用しています。ビジネスユースだけじゃなくて、ゲームにおいても使いやすいんですね

ギズ:ビジネス市場からのフィードバックがあるのが、レノボさんのマシンの特徴だと。

藤井さん(Lenovo):そうですね、ノートPCの使いやすさは、個人向け、ビジネス向け問わずいいものを使っていく考えです。

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Photo: ギズモード・ジャパン

藤井さん(Lenovo)ACアダプターはRazerさんのお話を聞いてそうだよなって思ったんですけども、これ、もうびっくりするぐらい、子供の弁当箱ぐらいでかいんですけど、このACアダプターに突起があって立てて置けるようになってます。机の上で使わなきゃいけないときに、ちょっと端のほうに立てて置くとスペースを取らないで済むので。

あと薄型にしたので、バッグに入れるときもそんなに場所を取らないようになっています。素材は、このLegionの700番台はアルミニウムを使っているので非常に薄く丈夫です。

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Photo: 武者良太

松原さん(Dell):インターフェースってどんな感じなんでしょう?

藤井さん(Lenovo):右側はUSBが1つ。左側はType-Cが2つとマイクロホン。リアにType-Aが2つ、HDMI、LANで充電ポートと、あとセキュリティーポートがあります。700番台だけ、後ろの排気口であったり裏側であったり、あとキートップもライティングできるのですが、CORSAIR(コルセア)さんのシステムを使わせていただいています。

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Photo: 武者良太

瀬口さん(ASUS):ひょっとすると答えづらい質問かもしれないんですが、さいきんLegionさんは販路を拡大してらっしゃいますよね。例えば郊外にある家電量販店でも扱われはじめているんですけど、販路の開拓で何か苦労とか、意識して変えたところがあればお聞きしたいです。

藤井さん(Lenovo):正直、最初はゲーミングPCを量販店で展開することにビビっていてなかなか踏み出せなかったんですけども、LenovoはNEC PCと同じグループ会社でやっており、NECの営業マンが全国に何百人もいるので、その人たちにあちこちの量販店に交渉してゲーミングPCを展示してもらおうと取り組んだのが去年なんですね。

郊外の店舗に置いても売れないかなと思っていたら、「うちの近所でもゲーミングPCが触れる」と、地方の売り上げがじわっと増えてきています。Legionはウェブ販売だけで戦ったら、おそらくDellさんにもASUSさんにも遠く及ばない存在かもしれません。ですが、地方での取り組みはうまくできたのではと思っております。

ビリーさん(Razer):最近、レノボさんは「スグゲー」というサブスクリプション方式でゲーミングPCを借りられるサービスを展開されてますけど、あれもユニークなサービスですよね。たぶん海外市場では出てこないと思うのですが、やっぱり日本オリジナルのサービスでしょうか。

藤井さん(Lenovo):はい。日本オリジナルのサービスです。これからは、最新のモデルを買い替えるよりも、2年サイクルぐらい、それこそCPUの世代交代のたびに最新のものを契約して使うというスタイルが増えると考えています。

ライバルから見た「Legionブランド」

瀬口さん(ASUS):店頭で見たときの、Lenovoブランドの信頼度を強さとして活かせているのがさすがです。ビジネスPCの安心感、ネームバリューを引っさげながら、ゲーミング市場に参入されて、実際売れてらっしゃる。今日お話を聞いて、キーボードやトラックパッドの配慮とか本当にゲーマーに寄り添ったプロダクトを作ってらっしゃるところが、すごくいいです。

ビリーさん(Razer):Lenovoさんは、今回の4社の中でゲーミングノートPCメーカーとしては後発にもかかわらず、勢いがすごいと感じています。 デビット・ベネット社長ご自身もゲーマーで、ゲームに対するパッションを感じています。あと、Lenovoが強いのは量産能力。生産コストを抑えていながら、これだけ良いパーツをそろえられるのはさすがだなと思います。

松原さん(Dell):シンプルな設計になってるな、というのが第一印象ですが、レノボグループとしての、NECであったり、富士通であったり、ThinkPadであったり、いわゆるビジネスPCの技術力・ブランド力をゲーミングに生かすというメーカーの特徴がすごく出てると感じました。Webカメラのギミックや、キーボードへのこだわりなどをゲーミングPCとして成り立たせている、すごくいろいろなメリットが集まっているように思います。

ASUS「ROG Zephyrus G14」:暑いインドでも軽やかに動く強力な冷却性能

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電光掲示板のようなLEDが天板をナナメに横切ってます
Photo: ギズモード・ジャパン

ギズ:では4台目になります。ASUSさんのROG(アールオージー)マシンですね。

瀬口さん(ASUS):私、ASUS JAPANの瀬口と申します。よろしくお願いします。私自身結構ゲームをするほうで、できるときは1日5~6時間ぐらいFPSをプレイしています。なので、ゲーマーの目線でご紹介させていただければと思います。

ROG Zephyrus G14」は14インチの小型のゲーミングノートPCですが、サイズにしても、デザインにしても、CPUにしても異質な一台です。

まずデザインのほうから。黒と白の2カラーありますが、ディストピアと、ユートピアをイメージしています。最大の特徴は天板で、実は細かい6536個の穴が天板に開いております。この下に1215個のLEDが入ってまして、自分の好きな光らせ方をすることができるんです。6536個の意図ですが、全世界でいただいたアワードの数になってまして、そういった感謝であるとか、あとは8ビットゲームへのリスペクトも含んでいます。

使い方なんですけども、電池残量とか、メッセージがきましたとか、そういったことを表示して便利にも使っていただけるんですけども、おそらくユーザーさまは自己表現に使うことがすごく多いのかなと。例えば、オフ会のようなたくさんの方が集まるときに、なんのゲームやってます、こういったプレイヤーネームです、登録してくださいとか、そういった自己表現をされる方は結構多いです。

売り上げの...比率など細かいところは言えないんですけれども、LEDの有無で2モデルあるんですが、付いてるほうが売れているんですね。ユーザーさまにも面白く使っていただいているようです。

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瀬口さん(ASUS):次にキーボードを見ていただきたいです。14インチなのでテンキーはないんですけれども、まずちょっと自慢なのがスペースのところですね。左下、出っ張ってます。スペースキーはFPSゲームなどでジャンプに使用されるところなので、親指で押しやすいように、こういった形にさせていただいております。

そのほか、ファンクションキーもこのサイズに収めながらいろいろ入れています。左上の4つは音量の調整やマイクのオンオフなど、ゲームに必要なキーです。一番右のROGシンボル・キーを押していただくと、いろいろなゲームのファンクションや、CPUの温度やファンの回転数を表示。調整できるウィンドウなどがすぐに開くようになっております。電源ボタンも指紋認証センサーを載せています。

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Photo: ギズモード・ジャパン

瀬口さん(ASUS):ディスプレイを開くと、本体にちょっと傾斜が付くような、エルゴリフトヒンジが採用されております。閉じると一直線になるんですが、ディスプレイを開くと本体が立ち上がるデザインになっております。これにより底面から吸気しやすくなって冷却性能がよくなったり、底面のスピーカーの音を机に反射させることで音質が良くなったり、キーボードが傾いてタイプしやすくなったり、さまざまなメリットが得られます。

ディスプレイは通常のフルHD(1920×1080)ではなく、WQHD(2560×1440)になっております。フルHDよりも細かいので、14インチのディスプレイでも字がつぶれたり、ゲームの画面がつぶれたりすることなく表示ができます。

100%のsRGBにPantone準拠で、実はこちらクリエイターの方にも使用していただけるディスプレイになってます。結構カバー範囲が広い、いろんな方々に使っていただけるPCになっているのかなと。

あとは冷却のところなんですけども、排熱システムの対応環境が広いのが特徴でして、かなり冷えます。というのも、ASUSは台湾のメーカーでして、インドとか、インドネシアの方々に使っていただく機会もすごく多いので、温度の面はすごく気にしています。

ギズ:それは面白い。暑い国で鍛えられているのは心強いですね。

瀬口さん(ASUS):海外の方ですと、結構ベンチマークを取ったり温度を測ったり、熱をすごく気にする方が多いので、そういった方でも満足いただけるよう、東南アジア、南アジアでも使えるよう冷却システムはすごく強力になってます。

またファンのところにアンチダストトンネルというものが付いてまして、吸い込んだチリとかを遠心力で分離して排出をする機構が付いています。後ろのところを見ていただくと分かるんですけれども、排熱口の隅から吸い込んだチリ・ほこりを排出できるようになってます。これによって寿命が延びます。

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Photo: 武者良太

藤井さん(Lenovo):排気について、ヒンジ部分で本体を持ち上げることで、底から吸って横や背面から吐く流れがDellさんやLegionと近い構造になっていると思うんですけど、薄さと吸気スペースを両立できるのがいいですよね。この構造は御社のほうで特許か何かお持ちなんですか。

瀬口さん(ASUS):私が聞いてる限り、特許は取っていないはずです。一応、エルゴリフトヒンジとASUSの中では呼んでるんですけども、コンシューマー向けのPCはほとんどこちらエルゴリフトヒンジです。ゲーミングノートPCではなくてもついております。

ギズ:最初はVAIOさんだったかな...? ビジネスPCでたまに見る構造ですね。

藤井さん(Lenovo):パームレストを強く押すと、ディスプレイが動いたりしないんですか?

瀬口さん(ASUS):押してみてください。大丈夫だと思います。

ギズ:(ギュッと押す)あれ? ほとんどたわみも感じないです。かなり頑丈ですね。

瀬口さん(ASUS):たわみという部分ですと、パームレストの部分が特徴的になってまして。外からは見えないんですけど、ハニカム構造で強化されているんですね。なので、ぎゅっと押してもなかなかたわまないような構造になってます。

ギズ:たしかに軽いのに剛性感あります。なるほどそんな工夫があったんですね。

藤井さん(Lenovo):ところでFPSを1日5時間って多過ぎですよ(笑)。

瀬口さん(ASUS)もともとゲームのランカーだったんです。たとえば『World of Warships』で、ずっとアジア1位( アジア高Tier空母・艦種別1位 )だったり、『Operation7』の日本公式大会で優勝したりしました。

藤井さん(Lenovo):すごい! 今度、ゲーム教えてください。

瀬口さん(ASUS):とんでもないです(笑)。

松原さん(Dell):背面の排気口にあたる、ディスプレイの底辺にくぼみがあるのが面白いです。ひょっとしたらデザイナーが一直線に作りたがる部分を、空気の道をキープするためにわざわざくぼませてある。柔軟ですごいデザインだと感じました。あと、背面のドットですが、編集するアプリはどうなっているんでしょうか。

瀬口さん(ASUS):好きな文字列とフォントを組み合わせて表示できます。例えば、製品展示のときに自分の名前をずっと表示するとか、「なんでもお聞きください」、みたいなメッセージを表示させている方もいますね。面白い機能としましてはGIFなどの画像データをそのまま取り込んでドット絵に変換したり、テキストにアニメーション効果を加えたりできます。

松原さん(Dell):これ、すごいですね。もちろんバッテリーは食うけども、その辺はもう度外視のギミックなんですね。カラーリングのその先のような感じがして、かっこいいなと思います。

瀬口さん(ASUS):電池残量も表示できるので、実用で使うこともできますが、ロマン重視で使う方が多いのかなと思っています

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Photo: 武者良太

ビリーさん(Razer):1点お伺いしたいんですけれども、今回ASUSさんのマシンは唯一、Ryzenを採用されてるマシンです。Ryzenはデスクトップ市場では以前から人気が高いんですけど、ノートブックのほうは最近増えきたかな、くらいです。ASUSさんがRyzenのゲーミングノートを展開するに当たって、ユーザーさんからすんなり受け入れられてるのか、それとも半信半疑だったのか、どういった感触だったんでしょうか。

瀬口さん(ASUS):こういったプロダクトを買う方は、ゲームに詳しいのはもちろんですがPCを自作される方も多いんですね。それで近年、Ryzenの3000番台が出たときぐらいからどんどんネームバリューが上がって、今となってはゲーミング・自作ファンの間で受け入れていただけていると考えております。

ギズ:マーケットの中でAMDさんの存在感が増していることをデータとして持っているのは、ASUSさんがPCパーツメーカーでもあるからなんですかね。

瀬口さん(ASUS):そうですね。でも、ほかの方もRyzenはチェックされているでしょうし、データは集められるとも思います。ただ、データが上がってくるのが速いというのと、現場の店員の方とか、そういった方とのコミュニケーションもちろんありますので、買わずとも良くは思ってるという方がどれぐらいいらっしゃるとか、データに上がってこないところのフィードバックがいただけるのが、ASUSが得意なところかなとは思います。

ギズ:今回、みなさんにお声掛けして、ゲーミングノートPCを紹介してもらったわけなんですけれども、このサイズでRTX載せてるマシンってまだ珍しい。15インチでもGTXがわりと多いので、14インチのボディにRTXを押し込むのにどういった工夫がなされたのか、パワー(電力)マネジメントについてお聞きしたいです。

瀬口さん(ASUS):パワーのところでいいますと、おそらくCPUが省電力というのがすごく大きいと思うんですね。特殊なノート以外はMAX-Qを使うメーカーさんが多いと思うんですけども、それ以外での電力の差が付いてくるのがCPUと、ちょっとしたファンとかディスプレイです。

ただ、今回作らせていただいたRyzen 9 4900HSが、省電力をうたいながら、かつゲームとスペックを発揮しなければいけない、結構むちゃぶりなお願いがあったようで、それをクリアしていただけたというのが、今回、このサイズで両立できている理由になりますね。

ライバルから見た「ROG ブランド」

ビリーさん(Razer):ROGは歴史あるブランドで、パーツ、マザーボードからスタートして、最近はスマホまで出されております。特に日本国内での展開を長くやられているので、日本市場を熟知されていらっしゃるブランドだと感じています。

藤井さん(Lenovo):今日、見せていただいたドットマトリクスデザインでしたよね、背面のところ。ゲームのプレイに関係ないのに、それをあえて載っけてくる余裕がかっこいい。プレイに直接影響しないところにそれだけ力を注げる、開発能力の高さには驚きますね。

PCの中身を見られたくないとか、カメラにシャッターを付けたりとか、どんどん内側に引きこもりがちな中で、背面のパネルで「俺はここにいるぜ」ってアピールできる発想がとても面白くて、Legionもそういったところは見習わないと。あと、個人的にはスペースキーの左側が太くなっていて、親指でジャンプしやすいのが、いちゲーマーとして素晴らしいなと。

松原さん(Dell):とにかく、Ryzenを採用したマーケットの読みがすごい。これに尽きるかなと。Ryzenの4000番台が市場を席巻してきてるなか、ゲーミングという限られたマーケットで、先んじてRyzenを使うと決めた開発努力、それに絶対的な自信を持ってマーケットに出せることが凄いです。やはり、Ryzenの盛り上がりを感じられたのはパーツメーカーさんならではかと。

パワーと薄さ/軽さのバランスこそがゲーミングノートPCのキー

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Photo: ギズモード・ジャパン

ギズゲーミングPCって、設計するにあたってすごいジレンマが生じる製品だと思うんですよ。パワーを上げようとすると、どうしても冷却と電力のためにモビリティーが犠牲になる。一方、モビリティーを突き詰めると、今度は潤沢な電力だとか冷却は難しい。それに対して、どうやってそのジレンマを解決しようとしているのか、みたいな話をおうかがいしたいです。

松原さん(Dell):すいません。僕、重いの持ってきたので(笑)。ジレンマというか、Dellはゲーミングシリーズを2種類持っておりまして、まずはこのALIENWARE。そしてDell Gシリーズがあります。

ジレンマというわけではないのですが、電力消費、パワーという点に関しては当然、各社さま、インテルさま、AMDさま、NVIDIAさまなどで、パーツの世代が変わるタイミングで消費電力であったり、TDPの数字が良くなったりするわけですが、ALIENWAREの中には「最新のものを載せ続ける」というコンセプトが間違いなくあります

なのでALIENWAREはコスト度外視というか、もうとにかく最新のゲーミングの性能であるCPU、グラフィックボード、モニター、キーボード、SSDなどをすべて、お客さまの満足するスペックを用意してからデザインコンセプトを考えています。

それとは別に、コストとパワーバランスを重視してお求めやすくできるDell Gシリーズを両立させていることが我々の強みですね。

ビリーさん(Razer):Razerはやはり薄い、軽いラップトップを目指しております。理想はパワフルさも犠牲にしない形がベストで、そこをいかに両立するような形にするかは、Razerの研究開発チームの力の見せ所かなと。軽さと薄さをキープしながらGeForce RTXを搭載するような、パワフルなマシンを設計できるのは一番の強みだと思いますね。

ギズ:Razerさんは「ゲーミングUltrabook」を名乗っていますが、この重量・厚さは絶対に超えちゃいけない、そういったボーダーラインは存在するのでしょうか。

ビリーさん(Razer):明確なラインは特にはないんですが、例えば15インチですとアドバンストモデルは前の世代から17.8ミリの厚さをずっとキープしております。今回、RTX SUPERを搭載しても、同じ薄さをキープしていますね。あとは13インチのほうも厚さ、重さともに前の世代と同じですね。

ギズ:では、前の世代より大きくしないことがRazerさんのポリシーでしょうか。

ビリーさん(Razer):そうですね。今までできた薄さとか軽さの維持は目指していくところですね。

藤井さん(Lenovo):LenovoもDellさんと同じで、このLegionとは別に外部GPUを搭載したPCとしてYogaシリーズがあります。コンパクトに収めてGPUが入った機種を、Yogaの上位モデルに増やしているという状況です。

かたやゲーミングの看板であるLegionなんですけれども、具体的に15インチで質量2kgを切って、厚み18mmを切るところがターゲットになる部分だと思っておりまして。モバイルノートPCなら1キロを切るものが普通にあるなか、ゲーミングで2キロを切ったものを出せないか、開発陣が調整をしています。

ギズ:レノボさんは目標となるビジョン、イメージがあるんですね。

藤井さん(Lenovo):そうですね。いろんなメーカーさんのPCを見させていただいているなかで、ターゲットになるところの数値が見えてくるかなと。

(編注:座談会のあとでLegion Slim 7iが発表されましたが、これがまさに2kg切りのゲーミングノートPCでした。)

瀬口さん(ASUS):ASUSにもジレンマがございまして、やはり自宅にずっと置く母艦としてノートPCを使いたい方もいらっしゃれば、こういったZephyrusシリーズのような、外と中で持ち歩きたい方に向けた製品もございますので、ROGの中でもブランド分けがかなり細かくされております。

まずフラッグシップとしてのROG。次に、なるべく薄さを目指しているROG Zephyrusのブランドがあります。もう1つはeスポーツ向け、もう完全にコンパクトさや重さを度外視して、それでも勝ちたいROG Strixというモデルがございます。この3モデルからお客さまに選んでいただけるように、常に新しいモデルを出せるようしております。

ギズ:なるほど、複数のラインナップをそろえることで、パワーと薄さ/軽さのちょうどいいポイントを探っているわけなんですね。めちゃ参考になりました。みなさま、本日はお忙しい中、お付き合いいただきありがとうございました!


今回の「メーカーさんいらっしゃい」のテーマがゲーミングノートPCになったのは、「自分の好みのゲーミングPCを探したい!」という金本の趣味によるものでしたが、今回の座談会を経て余計に迷うようになったそうで。いやだって、こんな話を聞いたらどのマシンもすっごい良さそうじゃん!?

ゲームという趣味性の強い用途に使うだけあって、どのPCも「便利な道具」という枠を超えた、自分の主張や志向を表すためのまさしく「ガジェット」と呼ぶにふさわしいものでした。

だいぶ間が空きましたが、 メーカーさんを集めての座談会はまだまだ続けたい所存。「このジャンルのメーカーさんのお話聞きたい!」などありましたら、ぜひ教えてくださいませ!