グーグル、野火から身を守るための新機能「山火事マップ」の計画を発表

  • author Shoshana Wodinsky - Earther Gizmodo US
  • [原文]
  • Kenji P. Miyajima
グーグル、野火から身を守るための新機能「山火事マップ」の計画を発表
Image: Josh Edelson (Getty Images)

アメリカのニュースを見ていると、トランプ大統領のおかげで燃え続けるゴミ箱の火事(大惨事)に市民が巻き込まれているように感じられるかもしれませんが、全米の特定の州では「火事」は比喩的なものではありません。8月末には全米の15の州で、焼失面積が何十万エーカーにも及ぶ大規模な山火事によって何千万もの人々が危険にさらされました。ここから先は、誰に聞いても事態は悪くなる一方なのだとか。

グーグルが山火事を追跡する地図ネットワーク開発を発表

シリコンバレーの新興テック企業の中には、デジタル・スマートなだけでは火を消せないとしても、火災がどこで発生しているのか、どこに向かっているのかを追跡するツールを数年かけて開発してきたそうです。そしてここにきて、グーグルがそこに参入してきました。グーグルは8月20日のブログで、「山火事マッピングネットワーク」としか表現できなそうなサービスを展開する計画を発表しました。

山火事について調べようとググると、関連するニュースが表示されるだけでなく、特定の火災が猛威を振るっている境界線がわかる地図をリアルタイムで表示するんだそうですよ。スマホにGoogleマップをインストールしている人は、延焼中の山火事に少し近づきすぎると「山火事近いよー」と警告され、安全なルートへと導いてくれるのだとか。山火事のような一刻を争う状況の中で、身を守るための判断を手助けできれば、多くの命が失われずにすむようになるかもしれないですね。

Video: Google/YouTube

同社は山火事の情報を詰め込んだ地図がどのようにして作られているかの詳細にまで踏み込んだブログを公開していて、簡単に言えば衛星を駆使したテクノロジーと言えるでしょう。米海洋大気庁(NOAA)の地球を網羅する衛星ネットワークから集めたデータを、Google Earth Engineで作成された巨大な地図に重ね合わせることで火災がどこで起こっているのかを追跡。どれくらい延焼しそうかを予測できるそうですよ。ブログで説明されているように、NOAAの衛星は地球表面の「ホットスポット」を検出するように設計されており、当然ながら山火事も探知可能とのこと。

山火事だけじゃない。命にかかわる自然災害の情報を瞬時に入手できるように

グーグルの緊急・危機対応技術を担うエンジニアリング部門副社長のヨッシ・マティアス氏は、「山火事マッピングネットワーク」のアイデアを約10年間温めてきたそうです。彼が2010年にイスラエルのハイファにある同社のキャンパスで働いていた当時、同国は過去最悪の山火事に見舞われました。山火事は彼のオフィスから車で30分ほどの場所で発生したそうです。彼はいったい何が起きているのか、自分たちの安全を確保できそうかどうかを確認するためにネットで調べてみると、「ドアの外で大規模な火災が発生しているって、そんなことは知ってるってば」ということ以外にほとんど情報が出てこなかったのだとか。

この経験がきっかけになって、彼はGoogle検索の緊急時対応機能を強化しようと考えるようになりました。そして2017年には、自然災害時に人々が当局の情報を得るための本格的なSOS警告サービスを始めるに至りました。それ以来、同社は気候危機管理でも、Googleマップを洪水が起きそうな場所の予測に用いたり、地震をより高い精度で検出するために、すべてのAndroidデバイスをミニ地震計に変えたりしています。

マティアス氏によると、この新しい山火事予測機能は、2019年にカリフォルニア州を襲った山火事立ち往生している消防士や警察官ら第一対応者のためのツールとして、約1年前に試験的に開発されたのだそう。カリフォルニア州とコロラド州の当局からゴーサインを得た後、同社は「山火事マップ」をGoogle検索とGoogleマップに展開することを発表しました。

気候変動によって世界の平均気温が上昇し、今年だけでもオーストラリアからカリフォルニア北極圏まで記録的な火災が発生している中、この山火事マップは世界中の誰にとっても役立つツールになりそうですね。

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