アマゾンがサバンナになる日も近い。4割はもう境界線と新論文

アマゾンがサバンナになる日も近い。4割はもう境界線と新論文
燃えたアマゾン(8月16日・ブラジル)

Amazon Fireの意味が変わってしまうよね…。

カリフォルニアの山火事で毎日煙の濃度をチェックしていたら、なんか南米がそれどころじゃないヤバさでビックリしましたが、「アマゾンが燃えて、生態系ごとサバンナになる日も近い」という論文が北欧の研究チームからNature Communicationsに掲載されました。やっぱりなあ…。

アマゾンは海より雨頼み

熱帯雨林は雨が命。雨がないと、いきものが宿る葉も茂らないわけですけど、最近は気候変動で世界中の熱帯がカラッカラ。このままどこまで持ち堪えられるの!?と心配になったチームがまとめたのがこの論文です。

コンピュータの気象モデルで、世界の熱帯雨林が残る地域と、森林が占める面積の割合をそれぞれ求めたところ、インドネシアとマレーシアは周りの海から湿気を確保できるので比較的大丈夫そうなのですが、最悪なのはアマゾンで、雨が頼りなぶん気候変動の影響をモロに被ることがわかったのです。

4割は雨量がサバンナ水準に迫る

すでに雨は激減していていつ取り返しのつかない段階に入ってもおかしく状況。「アマゾンのだいたい40%は雨不足で、今や雨量が熱帯雨林とサバンナのどちらとも言えない水準だった」と論文主著者のArie Staalさん(ストックホルム・レジリエンス・センターとユトレヒト大学コペルニクス研究所の元ポスドク研究員。専門は環境学)は述べていますよ。

乾季は50年で1か月増

もうサバンナ!と言ってるわけじゃなくて、生態系が完全に切り替わるまでにはまだ何十年もかかるし、その過程では食物連鎖の崩壊で絶滅種が出ることも考えられます。それもこれも起点にあるのは干ばつで、ひとたびそれが起こればサバンナまっしぐらというわけですね。

メールによる取材でStaalさんは「一部の地域ではもう進行中なことがわかるエビデンスもあります」と補足し、熱帯雨林の氾濫原がそのいい例だと教えてくれました。

最近は雨季のサイクルが完全に狂ってて、2005年から最悪の干ばつが3回も発生しています。乾季はこの50年で1か月近くも伸びちゃってますもんね…。

雨のサイクルが狂う

熱帯雨林ってぐらいですから、本来なら雨は自前のサイクルで調達できます。根から水分を吸い上げて、葉から蒸発した湿気が上空で固まって雨になって落ちてくる。ところが土地が乾燥して雨も自前ではだんだんできなくなってきています。

カラカラに乾く→山火事が増える→木が減る→葉が減ると余計に空気が乾く→振り出しに戻る。

これで負のフィードバックループが完成。この連鎖を破るのは容易なことではありません。

サバンナ化は想像以上に早そう

状況は深刻で、熱帯雨林はいずれサバンナになるという話は前からあるし、最近の研究では、そんな遠い未来の話ではなく、現代人の目の黒いうちに起こるらしいこともわかっています。でも新論文の内容が本当なら、これまで考えられていたよりもはるかに早い時期にそれが起こることに…。

今すぐ対策を打たないと、アマゾンには今の比じゃない地獄が待っています。温室効果ガスがこのまま増え続ける想定で行なったコンピュータシミュレーションでは、排出量が増えれば増えるほど、アマゾン全体の乾燥耐性が下がっていくことも確認されました。木が元どおり生えてこなくなって、ふと気づけばサバンナ生態系。

山火事は人災も多い

論文ではアマゾンの気候変動にフォーカスしてますけど、山火事は人が原因のことも多く、記録的な同時多発生の山火事もほとんどは地上げ屋、開発業者、農業従事者が火元。これで木が燃えて、雨が減って、熱帯雨林をさらに消滅の危機に追いやっているのです。それを考えると、論文の予測はコンサバ(控えめ)と言えなくもないですよね。米カリフォルニアでは赤ちゃん性別発表爆弾(煙の色で男女がわかる)で山が47,000エーカー(約190平方km)燃えてますし…。

熱帯雨林のサバンナ化は全人類の喪失です。アマゾンは地球のいきものの宝庫であり、先住民のふるさと。 緑を守らないとコロナで生き残っても息苦しいだけ…。 排出減らさないと。

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