にゃーんと!
ナスカの地上絵を見るために観光客が利用していた展望台そのものに地上絵が隠されていたことが判明したそうですよ。
灯台下暗しとはこういうこと
新しく発見されたネコの絵は頭からしっぽまで37mあり、まるで訪れる人々と足並みをそろえて丘を登っていきたいかのようなそぶりを見せています。基本的に横向きだけど、顔だけ振り向いている姿はなんともチャーミング。
なんだろう、口が半開きだったりしてゆる〜い雰囲気をかもし出してますよね。まさかこのニャンコが2000年以上も前からずっとここにいたとは…。

ペルー文化省によれば、ミラドールという丘の山肌に描かれていたこのネコは、作業員がたまたま展望台の修復を行なっていた際発見したんだそうです。
急斜面に描かれていたため長年風雨にさらされ、ほとんど見えないぐらいに劣化していたところを奇跡の復活を果たしたのだとか。

ナスカの地上絵とはちょっとちがう
ところでこのネコ、「ナスカの地上絵」と聞いて思い浮かべる絵とはちょっと趣向がちがうと思いませんか?

ナスカの地上絵は宇宙から見えるほど巨大で、「ハチドリ」「生命の木」「クジラ」などが有名。ナスカ人はこの上をなぞって歩くことで雨乞いをしたとも言われていて、すべて一筆書きの線画で描かれています。そう、一筆書きで。
でも新しく発見されたネコの絵は明らかに一筆書きではないんですよね。それもそのはず、これは厳密に言えば「パルパの地上絵」なんですよ。
パルパの地上絵とは
パルパ文化はナスカ文化よりも前に栄え、この絵はその後期(紀元前200~300年頃)に描かれたものなんだそうです。当時からネコは絵のモチーフとして人気だったようで、織物や焼き物にも登場しています。パルパ文化時代に描かれた地上絵は、後のナスカの人々に大きな影響を与えたとも言われています。
もちろん図面はネコ以外にもいろいろ。こちらは2020年3月に友人たちが現地で撮影したパルパの地上絵です。

家族の肖像かな?ひとりだけ離れてるコが気になります。
こちらは一般的に「宇宙人」と呼ばれているけれども、現地の人たちには「シャーマン」として知られている地上絵です。絵のタッチがネコと似ていませんか。

人類のすばらしい資産
最近ではドローンを使った調査で新しい地上絵が発見されたりしているそう。きっとナスカとパラパの乾いた大地には、発見されていない地上絵がまだまだ眠っているのでしょうね。
ユネスコ世界遺産として登録されているとはいえ、人に踏み荒らされたり、トラックのわだちに寸断されたりと散々な目に遭っている地上絵たち。後世に残るよう、ぜひとも守っていきたいものです。