Appleが切り捨てたものと、これから片付けなくてはならないもの

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Appleが切り捨てたものと、これから片付けなくてはならないもの
Image: Apple

すでに皆んな持っているよね?

今回のiPhone 12発表イベントでAppleが「なくしたもの」について、米ギズモード環境ジャーナリストのBrian Kahnがつぶやいています。


いつものことながらApple Eventは盛り上がりますね~。このイベントの時ばかりは環境ジャーナリストであることを忘れられるひと時でもあります。

ただ、ひとつiPhoneを持っているなら、すぐに買い替えるのでなく、できる限り長く使ってわたしたちの地球を守りたいよね、ということは伝えたいですけどね。経済を後押しするかのように新しい携帯電話を組み立てたり、部品を製造したり、しかも必要ですらないのに買い替えなんて。まだまだ使える機種なのに、ゴミ箱に捨てて、環境を汚して、新しい端末を手にいれる。人類ってなんて愚かなんでしょうね。

充電器類とイヤホンが同梱から外れて地球はきれいになる?

中には買い替えが本当に必要な人もいるかもしれません。iPhone 12を買いたいなとあなたも思っているでしょう。そのあなたに朗報です。今回から環境への負担がぐっと軽くなるんです。どうです、少し気が軽くなりましたか。

今回からiPhoneを購入しても、今まで同梱されてきたような充電器やイヤホンがついてこなくなります。これは環境にとってはうれしいこと。これらのイヤホンと充電ケーブルがどんなに地球を汚してきたか。 Appleもついにここまで来ましたか。

Appleの環境イニシアチブをリードするヴァイス・プレジデントであるリサ・ジャクソンは、今日のイベントで現在7億本ものLightningケーブルイヤホンと、20億台もの充電アダプタが市場に出回っていると言っていましたね。これだけでも大量のプラスチックと金属が、机や押し入れで眠ったあげく、ゆくゆくはゴミになる運命を待ち構えているということです。

正直に言うなら、Appleの同梱イヤホンはお世辞にも品質がいいとは言えません。少なくとも私の耳にはうまくフィットしなくて快適ではないです。Appleのラップトップにもある3.5mmのイヤホンジャックがついている他の機器には使えないし、端的に言えば、Apple製品の中でももっとも役に立たないアイテムではないかと思います。それでもAppleは長いことiPhoneに同梱し続けてきました。

イヤホンと充電器。Apple製ではないものも含めると、たぶんみなさんの家にもこの10年間で数台は眠っているのではないでしょうか。これを失くしたことにより、iPhoneのパッケージ自体が軽くなります。その結果、二酸化炭素の排出が削減されることにもつながるのです。もちろんゴミも減ります。

470万トンものIT機器の廃棄物が地球を汚す

つい最近国連が発表したレポートによれば、2019年には世界中で実に5360万トンもの電子機器のゴミが捨てられています。これは記録的な量です。 このレポートでは特にAppleのイヤホンだけに注目しているわけではありませんが、小型のIT・通信機器の廃棄物は、2019年には470万トンであったという記録があります。さらに国連のレポートではそのうちのわずか17.4%しかリサイクルされていないことが指摘されており、残りは埋め立てか、今でも自然を汚しているのです。これはリサイクルシステムに組み入れられないゴミです。そして普通の人たちにとっては、まだ使えるようなイヤホンを 捨ててもいいのかいけないのか、どうしてよいのかも判断しにくいのではないのでしょうか。

増え続ける通信機器のゴミには、どんどん規制がかけられてきていますが、ゴミを増やさないためには、元を絶つことが大切です。Appleの、新しいiPhoneにはイヤホンを同梱しないという決断は、ゴミを増やさないためのよい決断であると言えます。しかし、Appleは他にもさまざまな問題を抱えています。例えば、完全ワイヤレスイヤホンAirPodsの廃棄問題について、実はリサイクルに対する努力はまだまだ。また充電器が付属しないとなるとiPhoneの購入者は困る人もいるでしょう。

「これは地球にとっては素晴らしいニュースと言えます」とiFixitのエンジニア、カーステン・フラウエンハイムは言います。 「また、USB-Aではなく、Lightning - USB-Cケーブルを販売する方向になっているのも面白いです。そのほうが地球にはやさしいのですが、すると古いUSB-A充電器が陳腐化するというジレンマに陥ります」だから「みんな充電ケーブルを持っているはずだ、というのは違いますよね。また新たに新しいケーブルを購入しなくてはならなくなってしまうのです」。

Appleではこれまで、ユーザーが機器を簡単には修理できないようにしてきました。それも環境にはあだとなっています。ユーザーが簡単に自分のデバイスを修理できれば、新たな機器を製造する必要がなくなり、結果的には二酸化炭素の排出が減るはず。もちろんそんなことをしたら、Appleの収益も減るでしょうし、iPhone 12だって売れなくなるかもしれません。ただ、今回Appleがイヤホンと充電器を同梱品から外した事実は、とても喜ばしいことなんです。

ただ、Appleには片付けなくてはならないものが山のようにあることは歴然とした事実なんですが…。

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